GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 55-68-5
名称 硝酸フェニル水銀
物質ID 23A5113
分類実施年度 平成23年度
分類実施者 厚生労働省、環境省
新規/再分類 新規分類
他年度における分類結果  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類できない
-
-
- - 爆発性に関わる原子団(硝酸エステル)を含むがデータがない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - データなし。
8 自己反応性化学品 分類できない
-
-
- - 爆発性に関わる原子団(硝酸エステル)を含んでいるが、データがない。
9 自然発火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 分類できない
-
-
- - データなし。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - データなし。
12 水反応可燃性化学品 区分外
-
-
- - 金属(Hg)を含むが、水溶解度344 mg/L(25℃)(SRC PhysProp(Access on July. 2011))というデータがあり、水と急激な反応をしないと考えられる。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類できない
-
-
- - フッ素、塩素を含まず、窒素と結合する酸素原子を含む有機化合物であるが、データがなく分類できない。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - -O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない
-
-
- - データなし。なお、EU ではT; R25(EC-JRC(ESIS)(Access on July. 2011))に分類されている。
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - 常温で固体である(Merck(14th, 2006))
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分2


警告
H315 P302+P352
P332+P313
P264
P280
P321
P362
ヒトの皮膚感作性試験の誘導処置後、本物質の0.5%ワセリン適用により被験者25人中24人で陽性結果が得られ、おそらく、明らかに刺激性を示す濃度の適用によるものと報告され本物質の刺激性が示唆された(DFGMAK-Doc. 15(2001))。さらに高濃度のフェニル水銀塩の溶液は皮膚に刺激性があるとの記載(HSDB(2009))もあり、区分2とした。なお、本物質、フェニル水銀水酸塩および塩基性硝酸フェニル水銀について、EU分類ではC; R34(EC-JRC(ESIS)(Access on July. 2011))である。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない
-
-
- - データなし。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データなし。
4 皮膚感作性 区分1A


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P261
P272
P280
P321
P363
P501
日本産業衛生学会では水銀自体ないしその化合物として感作性物質(皮膚:第1群)に指定しており(産業衛生学雑誌 第52巻(2010))、また、皮膚炎患者759人中7人(0.9%)が本物質0.05%を含む製剤に反応し感作性を示した(DFGMAK-Doc. 15(2001))との報告、1990年~1994年に毎年950人の患者の検査で本物質による感作性の発生率が1.7%であった(DFGMAK-Doc. 15(2001))との報告、殺精子薬に含まれる本物質によりアレルギー性亀頭炎が発生した(DFGMAK-Doc. 15(2001))との報告など、ヒトで本物質の皮膚感作性が疑われる複数の報告があることから区分1Aとした。なお、ドイツ学術振興会(DFG)で有機水銀化合物として、Shマークが付されている(MAK/BAT(2010))。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - データなし。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - データなし。
7 生殖毒性 区分2


警告
H361 P308+P313
P201
P202
P281
P405
P501
本物質に関する情報はないが、水銀の生殖毒性は動物試験により認められている(ACGIH(2001))。酢酸フェニル水銀は、マウスの仔に中枢神経系、眼の障害および尾の欠損、ラットとウサギにおいて多発性奇形、ハムスターにおいて脳脱出を引き起こすなど、酢酸フェニル水銀は複数の動物種で催奇形性が認められ、強力な催奇形性物質であることが報告されている(BirthDefects(3rd,2000)、List2相当)。また、ハムスター、ラットおよびウサギの妊娠5~12日に経口投与により、胎児の吸収、死亡、発達遅延を生じ、催奇形作用として頭蓋の骨化遅延、全身浮腫、血腫および開眼症が報告されている(HSDB(2009))。以上から区分1相当と考えられるが、類縁物質に関するデータであることから区分2とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
-
-
- - データなし。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(中枢神経系、腎臓)


危険
H372 P260
P264
P270
P314
P501
本物質に関する情報はないが、ACGIH-TLV(2011)にアリール水銀化合物として、中枢神経抑制および腎臓障害の記載がある。酢酸フェニル水銀のデータとして、ヒトの情報で酢酸フェニル水銀を使用していた農場労働者で重度の神経毒性を発現したとの報告(ATSDR(1999))、およびラットに2年間混餌投与により、0.042mg/kg/day以上で腎障害が発生し、0.21mg/kg/day以上では雌雄ともに腎臓の病変が観察された(IRIS(2002))(何れもガイダンス値区分1の範囲)との情報により区分1(中枢神経系、腎臓)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない
-
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- - データなし。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない
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- - データなし。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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