GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 540-80-7
名称 亜硝酸ターシャリ-ブチル
物質ID 23A5110
分類実施年度 平成23年度
分類実施者 厚生労働省、環境省
新規/再分類 新規分類
他年度における分類結果  
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関連情報
項目 情報
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国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 区分外
-
-
- - 爆発性の原子団(N-O)を含むが、市販品は安定剤を含みUNRTDG(UN2351)クラス3に分類されているため、区分外と思われる。なお、純品は不安定な物質(Many alkyl nitrites are thermally unstable and may readily decompose or explode on heating. Methyl nitrite explodes more violently than ethyl nitrite. Lower alkyl nitrites have been known to decompose and burst the container, even in refrigerated storage.(Bretherick(7th, 2007)))であり細区分できない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - 常温で液体(liquid:Merck(14th, 2006))である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - 常温で液体(liquid:Merck(14th, 2006))である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - 常温で液体(liquid:Merck(14th, 2006))である。
6 引火性液体 区分2


危険
H225 P303+P361+P353
P370+P378
P403+P235
P210
P233
P240
P241
P242
P243
P280
P501
引火点-13℃ [密閉式](Bretherick(7th, 2007))は < 23℃ であり、かつ、初留点63℃(Merck(14th, 2006))は >35℃ であることから、区分2に該当する。なお、UNRTDG(UN2351)クラス3、PGIIに分類されている。
7 可燃性固体 分類対象外
-
-
- - 常温で液体(liquid:Merck(14th, 2006))である。
8 自己反応性化学品 タイプG
-
-
- - 爆発性の原子団(N-O)を含むが、市販品は安定剤を含みUNRTDG(UN2351)クラス3に分類されているため、タイプGと判断した。なお、純品は不安定な物質(Many alkyl nitrites are thermally unstable and may readily decompose or explode on heating. Methyl nitrite explodes more violently than ethyl nitrite. Lower alkyl nitrites have been known to decompose and burst the container, even in refrigerated storage.(Bretherick(7th, 2007)))であり細区分できない。
9 自然発火性液体 分類できない
-
-
- - データなし。
10 自然発火性固体 分類対象外
-
-
- - 常温で液体(liquid:Merck(14th, 2006))である。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- - 金属および半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類できない
-
-
- - 酸素を含む有機化合物で、この元素は窒素原子と結合しているが、データがなく分類できない。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- - 常温で液体(liquid:Merck(14th, 2006))である。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - -O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
マウスのLD50値は308 mg/kg(7日間観察)(Research Communication in Substances of Abuse vol.3, No.2(1982))に基づき、区分4とした。なお、マウスLD50値が336 mg/kg(2時間観察)(PATTY(5th, 2001))とのデータもある。EU分類では、Xn; R22に分類されている(EC-JRC(ESIS)(Access on July. 2011))。

類縁化合物の亜硝酸n-ブチル(CAS番号:544-16-1)および亜硝酸イソブチル(CAS番号:542-56-3)を参照のこと
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - 常温で液体(liquid:Merck(14th, 2006))である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分4


警告
H332 P304+P340
P261
P271
P312
マウスのLC50値は10852 ppm/1h = 5426 ppm/4h(PATTY(5th, 2001))に基づき、区分4とした。なお、LC50値(10852 ppm/1h)が飽和蒸気圧濃度(230269 ppm)の90%より低いため、ミストがほとんど混在していない蒸気として気体の基準値を適用した。なお、EU分類では、Xn; R20に分類されている(EC-JRC(ESIS)(Access on July. 2011))。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない
-
-
- - データなし。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない
-
-
- - データなし。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない
-
-
- - データなし。
5 生殖細胞変異原性 分類できない
-
-
- - データなし。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - データなし。
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - データなし。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(心血管系、血液系、神経系)


危険
H370 P307+P311
P260
P264
P270
P321
P405
P501
亜硝酸エステル類の情報として、高濃度の吸入は平滑筋を弛緩させ、その結果生じる強い末梢血管拡張により、潮紅、血圧低下、重要な器官での灌流維持のための心拍数の反射性増加を引き起こし(NIDA Research Monograh 83(1988))、さらに、頭痛、めまい、運動失調、失神、鎮静作用、虚弱感など神経系様の症状が見られる(厚生労働省・薬事、食品衛生審議会指定薬物部会議事資料(2006))と記載されていることから区分1(心血管系、神経系)とした。また、硝酸塩や亜硝酸塩のようなニトロ化合物は動物でメトヘモグロビン血症を起こし(PATTY(5th, 2001))、医薬品である亜硝酸イソペンチルの副作用として、メトヘモグロビン血症、チアノーゼおよび溶血性貧血(医療用医薬品集(2010))、亜硝酸ブチル類ではマウスでメトヘモグロビン生成が認められており(NIDA Research Monograh 83(1988))、本物質も血液への影響が示唆されることから区分1(血液系)とした。なお、当該物質は亜硝酸n-ブチル、亜硝酸イソブチルに比べ、メトヘモグロビン産生能は弱い(NIDA Research Monograh 83(1988))との記載がある。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
-
-
- - データ不足。マウスに1000 ppm(4.21 mg/L)を1日7時間60日間の反復曝露試験(1日6時間90日換算値:3.0 mg/L)において、死亡率は20%以下であり、主に影響を受けた指標は、体重、臓器重量、メトヘモグロビン血症であった(PATTY(5th, 2001))と報告されているが、ガイダンス値範囲を超える1用量のみの試験で詳細不明のため分類できない。なお、試験濃度(1000 ppm)が飽和蒸気圧濃度(230263 ppm)より低いので、蒸気による試験とみなした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
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- - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない
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- - データなし。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない
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- - データなし。
12 オゾン層への有害性 分類できない
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- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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