GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 111-78-4
名称 シクロオクタ-1,5-ジエン
物質ID 23A5022
分類実施年度 平成23年度
分類実施者 厚生労働省、環境省
新規/再分類 新規分類
他年度における分類結果  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関わる原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分3


警告
H226 P303+P361+P353
P370+P378
P403+P235
P210
P233
P240
P241
P242
P243
P280
P501
引火点33℃ [密閉式] ホンメル(1996))は ≧ 23℃ かつ ≦60℃ であることから、区分3に該当する。
7 可燃性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関わる原子団を含んでいない、かつ自己反応性に関わる原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 区分外
-
-
- - 発火点は270℃であり(ホンメル(1996))、常温で発火しないと考えられる。
10 自然発火性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- - 金属および半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- - 酸素、フッ素および塩素を含んでいない有機化合物である。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - -O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外
-
-
- - ラットのLD50値は2381 mg/kg bw(USEPA/HPV(2010)、List1相当)に基づき、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5に相当)とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外
-
-
- - ラットのLD50値は >3520 mg/kg bw(USEPA/HPV(2010))であり、かつ死亡は認められなかったことから区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分4


警告
H332 P304+P340
P261
P271
P312
ラットに1400、2700および4300 ppmを4時間ばく露後の死亡率はそれぞれ0/6、1/6および4/6(USEPA/HPV(2010))により、LC50値(4時間)は区分4の範囲(2500~20000 ppm)にあると判断される。なお、試験濃度(1400~4300 ppm)が飽和蒸気圧濃度(8947 ppm)の90%より低いので、ミストがほとんど混在しない蒸気として気体の基準値を適用した。

1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分1


危険
H314 P301+P330+P331
P303+P361+P353
P305+P351+P338
P304+P340
P260
P264
P280
P310
P321
P363
P405
P501
シクロオクタジエンは皮膚に対し、上皮の壊死、潰瘍および真皮の著しい炎症を伴い腐食性を示す(PATTY(5th, 2001))と記述されている。加えて、反復による適用ではあるが、ウサギに試験物質1 mLを1日6時間3日間にわたり適用した試験では極めて重度の刺激性を生じ、皮膚の病理組織学的検査により上皮の壊死、潰瘍、著しい真皮の炎症が見出されたとの報告(USEPA/HPV(2010))があることから、区分1とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2B
-
警告
H320 P305+P351+P338
P337+P313
P264
ウサギを用いた試験で適用直後から刺激性を示したが、結膜炎のみで24時間以内に軽快した。主な影響は眼瞼にあり、赤く腫れ化膿性分泌物を排出したとの結果(USEPA/HPV(2010))から、区分2Bとした。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データなし。
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P261
P272
P280
P321
P363
P501
本物質は皮膚感作性物質である(PATTY(5th, 2001))と記載され、モルモットを用いた皮膚感作性試験で、陽性率が惹起処置として局所適用により100%(10/10)、皮内注射により90%(9/10)と強力な感作性物質であった(USEPA/HPV(2010))と報告されていることから、区分1とした。
5 生殖細胞変異原性 区分外
-
-
- - ラットに吸入ばく露後の骨髄を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)で陰性(USEPA/HPV(2010))の結果に基づき、区分外とした。なお、in vitro試験として、エームス試験およびヒトリンパ球を用いた染色体異常試験でいずれも陰性(USEPA/HPV(2010))の報告がある。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - データなし。
7 生殖毒性 分類できない
-
-
- - ラットに経口投与による反復投与毒性/生殖発生毒性併合スクリーニング試験(OECD TG 422:GLP)において、親動物に体重増加抑制などの一般毒性が高用量群で認められたが、交配、妊娠等の指標には対照群と差がなく、性機能および生殖能に対する悪影響は現れなかった(USEPA/HPV(2010))。さらに、同腹仔数、生存率仔数にも影響が認められなかった(USEPA/HPV(2010))が、催奇形性を含む仔の発生に及ぼす影響についてはデータ不十分であり、「分類できない」とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分3(麻酔作用)


警告
H336 P304+P340
P403+P233
P261
P271
P312
P405
P501
ラットに1400~4300 ppm(蒸気)を4時間の吸入試験において、ばく露開始後3時間までに全例が外部音の刺激に無反応となり、その他に運動失調、嗜眠が観察され、2700 ppm以上では死亡例が発生した(USEPA/HPV(2010))。また、ラットに1500 ppm(蒸気)を吸入を1日6時間2日続けた試験では死亡はなく、1日目のばく露後に抑制、覚醒反応の欠如、協調不能が認められた(USEPA/HPV(2010))。以上の観察された症状に基づき、区分3(麻酔作用)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(気道)


警告
H373 P260
P314
P501
雄ラットに2週間吸入(蒸気)ばく露により、ガイダンス値区分2に相当する500 ppm(2.21 mg/L)(90日換算値 0.34 mg/L)で病理組織学的影響が鼻腔と腎臓に見られ、嗅上皮の変性・壊死、腎臓の重量増加とヒアリン硝子滴の増加が観察された(USEPA/HPV(2010))。この腎臓の変化は雄ラットに特有の変化でヒトには当てはまらないとされるため分類の根拠としなかったが、鼻腔に対する影響は一般的にばく露期間または濃度が増加すると病変が肺に達するケースもあることから区分2(気道)とした。なお、ラットに経口投与による反復投与毒性/生殖発生毒性併合スクリーニング試験(OECD TG 422:GLP)では、NOAELは600 mg/kg/day(90日換算値:360 mg/kg/day)と報告され(USEPA/HPV(2010))、ガイダンス値範囲の上限(100 mg/kg/day)を超えているため、経口経路では区分外相当となる。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 = 0.87mg/L(環境省生態影響試験,2008)から、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(難分解性、BODによる分解度:0%(既存点検, 2005)、藻類(Pseudokirchneriella subcapitata)の72時間NOEC=0.93mg/L(環境省生態影響試験, 2008)であることから、区分2となる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(難分解性、BODによる分解度:0%(既存点検, 2005)、甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=0.87mg/L(環境省生態影響試験, 2008)であることから、区分1となる。
以上の結果を比較し、区分1とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
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  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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