GHS分類結果

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一般情報
項目 情報
CAS登録番号 97-74-5
名称 テトラメチルチウラムモノスルフィド
物質ID 23A5002
分類実施年度 平成23年度
分類実施者 厚生労働省、環境省
新規/再分類 新規分類
他年度における分類結果  
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関連情報
項目 情報
分類に使用したガイダンス(外部リンク) GHS分類ガイダンス
国連GHS文書(外部リンク) 国連GHS文書
解説・用語集(Excelファイル) 解説・用語集
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厚生労働省モデルSDS(外部リンク) 職場のあんぜんサイトへ
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物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関わる原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外
-
-
- - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない
-
-
- - 可燃性固体(Combustible solid.(GESTIS(Access on Nov. 2010)))という情報もあるが、所定の試験のデータがなく分類できない。
8 自己反応性化学品 分類対象外
-
-
- - 爆発性に関わる原子団を含んでいない、かつ自己反応性に関わる原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 区分外
-
-
- - 発火点は315℃(NITE総合検索(Access on Nov. 2010)(関東化学株式会社試薬カタログ(Web))というデータにより常温では発火しないと判断できるので区分外とした。
11 自己発熱性化学品 分類できない
-
-
- - 融点140℃以下の固体に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外
-
-
- - 金属および半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外
-
-
- - 酸素、フッ素および塩素を含まない有機化合物である。
15 有機過酸化物 分類対象外
-
-
- - -O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない
-
-
- - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4


警告
H302 P301+P312
P264
P270
P330
P501
ラットLD50値として4件のデータ(1320 mg/kg、900 mg/kg、620-869 mg/kg、918-1300 mg/kg)が報告され(IUCLID(2000))、いずれも区分4に該当する。
1 急性毒性(経皮) 分類できない
-
-
- - データ不足。なお、1用量1匹の雄または雌のウサギを用いた試験で2000 mg/kgまで死亡が見られなかったが、適切な試験ではないとコメントされている(IUCLID(2000))ので分類の根拠としなかった。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外
-
-
- - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない
-
-
- - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない
-
-
- - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外
-
-
- - ウサギの皮膚に24時間適用した試験で僅かな刺激性(slightly irritating)と報告され、刺激性スコアーは0.7/8.0(IUCLID(2000))の結果に基づき区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分外
-
-
- - ウサギの眼に0.1 gを適用した試験で軽度から中等度の結膜発赤と多量の滲出物が見られたが、72時間以内に回復した。その結果、僅かな刺激性(slightly irritating)と報告され、刺激性スコアー(AOIに相当)は4/110(IUCLID(2000))に基づき区分外とした。
4 呼吸器感作性 分類できない
-
-
- - データなし。
4 皮膚感作性 区分1


警告
H317 P302+P352
P333+P313
P261
P272
P280
P321
P363
P501
ヒトのボランティア50人を用いた皮膚感作性試験(repeated insult patch test)において、本物質は感作性物質であると結論されており(IUCLID(2000))、また、皮膚疾患を有する通院中の患者や皮膚炎を有するゴム工場などの労働者のパッチテストで、本物質による陽性反応を示す複数の報告(IUCLID(2000)、HSDB(2003))があること、さらに本物質は感作性物質としてContact Dermatitis(Frosch)(4th, 2006)に掲載されていることから区分1とした。
5 生殖細胞変異原性 区分外
-
-
- - ラットに経口投与による染色体異常試験(体細胞in vivo変異原性試験; GLP準拠)での陰性(IUCLID(2000))結果に基づき、区分外とした。なお、チャイニーズハムスターに腹腔内投与による小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)で、小核を有する多染赤血球数の統計学的に有意な増加が報告されている(IUCLID(2000))が、増加が軽度で動物数も少なく試験の評価が低い(IUCLID(2000))ことから分類の根拠としなかった。また、in vitro試験として、エームス試験、チャイニーズハムスターV79細胞およびマウスリンパ腫L5178Y細胞を用いた遺伝子突然変異試験でいずれも陰性(IUCLID(2000))の報告がある。
6 発がん性 分類できない
-
-
- - 2系統のマウスを用いた19ヶ月間経口投与試験で発がん性は認められなった(IUCLID(2000))が、1種の動物(マウス)のみの結果であり、テストガイドラインに準拠した試験ではないことから、データ不足で「分類できない」とした。
7 生殖毒性 分類できない
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-
- - 2系統のマウスの器官形成期に皮下投与した発生毒性試験で、100 mg/kg bw/dayまでの投与量で催奇形性が認められなかった(IUCLID(2000))が、皮下投与のデータであり、詳細も不明である。また、性機能及び生殖能に対する影響についてもデータがなく、したがってデータ不足のために「分類できない」とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない
-
-
- - ラットを用いた単回経口投与試験で、毒性症状として、食欲減退、活動低下、虚脱、剖検では肺充血、肝臓褪色、胃腸の炎症が認められ、LD50値は1320 mg/kgである(IUCLID(2000))と報告されているが、症状発現の用量が不明で標的臓器の特定も困難である。List 2のデータでもあり、データ不足のため「分類できない」とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない
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- - 雌ラットに26 mg/kg/dayを4週間反復経口投与(90日間補正:8mg/kg/day)により、赤血球数とヘモグロビン量の有意な減少、軽微な臓器変化として肝細胞と腎尿細管上皮における軽度の広汎性腫大が報告されている(IUCLID(2000))。投与量はガイダンス値区分1相当であるが、雌のみの1用量の試験であり、その他に裏付けとなるデータもないことから、「分類できない」とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない
-
-
- - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 絵表示
注意喚起語
危険有害性情報
(Hコード)
注意書き
(Pコード)
分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1


警告
H400 P273
P391
P501
藻類(Chlorella pyrenoidosa)の96時間EC50 = 1mg/L(AQUIRE, 2012)から、区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1


警告
H410 P273
P391
P501
慢性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BIOWIN)、魚類(ニジマス)の60日間LOEC=0.01mg/L(AQUIRE, 2012)であるから、区分1となる。
慢性毒性データが得られていない栄養段階に対して急性毒性データを用いた場合、急速分解性がなく(BIOWIN)、藻類(Chlorella pyrenoidosa)の96時間EC50=1mg/L(AQUIRE, 2012)であることから、区分1となる。
以上の結果から、区分1とした。
12 オゾン層への有害性 分類できない
-
-
- - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
  • 政府によるGHS分類結果は、事業者がラベルやSDSを作成する際の参考として公表しています。同じ内容を日本国内向けのラベルやSDSに記載しなければならないという義務はありません。
  • 本分類結果は、GHSに基づくラベルやSDSを作成する際に自由に引用又は複写していただけます。ただし、本分類結果の引用又は複写により作成されたラベルやSDSに対する責任は、ラベルやSDSの作成者にあることにご留意ください。
  • 本GHS分類は、分類ガイダンス等に記載された情報源と分類・判定の指針に基づき行っています。他の文献や試験結果等を根拠として使用すること、また、ラベルやSDSに本分類結果と異なる内容を記載することを妨げるものではありません。
  • 「危険有害性情報」欄及び「注意書き」欄のコードにマウスカーソルを重ねると、対応する文言が表示されます。Excel fileでは、コード及び文言が記載されています。
  • 「分類結果」欄の空欄又は「- 」(ハイフン)は、その年度に当該危険有害性項目の分類が実施されなかったことを意味します。
  • 「分類結果」欄の「※」はJISの改正に伴い、区分がつかなかったもの(「区分に該当しない(分類対象外を含む)」あるいは「分類できない」、もしくはそのいずれも該当する場合)に表示するものです。詳細については分類根拠を参照してください。

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