名称:パラ-フェニルアゾアニリン
CAS番号:60-09-3
物質ID: | 22B4519 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成22年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に連続する窒素原子(アゾ基)を含む。これは芳香族アゾ基であり、爆発性に関連する原子団ではないので分類対象外と判断される。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に連続する窒素原子(アゾ基)を含む。これは芳香族アゾ基であり、爆発性に関連する原子団ではないので分類対象外と判断される。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 融点が140℃以下の固体に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素、フッ素または塩素原子を含んでいない有機化合物である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を含んでいない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLD50値:1450mg/kgおよび1640mg/kg(BUA 217,(2000))に基づき、区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLD50値:>2000 mg/kg [guideline 84/449/EEC: GLP](BUA 217(2000))に基づき区分外とした。なお2000 mg/kgで動物の死亡は見られていない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | ラットLC50値は>2.8 mg/L/4h [OECD TG 403: GLP]と報告されている(BUA 217(2000))が、この結果のみでは区分を特定できないので分類できない。なお、原文中にエアゾールと記載されているので粉塵/ミストと判断した。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | 純品または工業品をウサギの皮膚に適用した試験において刺激性を生じなかった(BUA 217(2000))との結果から、区分外とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギの眼に適用した場合、工業品では僅かな刺激を生じたが、純品ではそのようは影響はなく、機械的刺激による赤みが一過性に見られたのみであった(BUA 217(2000))との結果に基づき区分外とした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
当該物質に関しては皮膚炎や湿疹の患者コホートまたは職業的にばく露された労働者を対象とした疫学調査において、パッチテストで明瞭な陽性反応が見られたとする多数の報告(BUA 217(2000))があり、さらに、皮膚炎を発症したヒトがパッチテストで当該物質に対し明らかな陽性反応を示したとする複数の症例報告(BUA 217(2000))がある。このことは当該物質がヒトでアレルギー性接触皮膚炎を起こすことを示す十分な証拠と考えられるので区分1とした。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 | 警告 | H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットに腹腔内投与による骨髄細胞および末梢網状赤血球を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)において陽性結果(BUA 217(2000))に基づき区分2とした。なお、マウスに腹腔内投与による骨髄を用いた姉妹染色分体交換試験およびラットに腹腔内投与による肝臓を用いたDNA損傷試験(いずれも体細胞in vivo遺伝毒性試験)においても陽性結果(BUA 217(2000))が得られ、また、in vitro試験ではエームス試験の陽性結果(NTP DB(Access on July 2009))が報告されている。 | |
6 | 発がん性 | 区分2 | 警告 | H351: 発がんのおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
IARCではグループ2B(IARC Suppl.7(1987))、日本産業衛生学会では2B(産衛学会勧告, 1991提案)に分類されていることから、区分2とした。なお、雄ラットに104週間混餌投与した試験で、対照動物にみられなかった肝臓腫瘍が発生し(IARC 8(1975))、また、ラットの週2回生涯にわたり腹部皮膚に塗布した試験でも対照動物にみられなかった皮膚腫瘍が観察されている(IARC 8(1975))。 | |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。なお、雌ラットに7〜35日間混餌投与後、発情周期が完全に抑制されたとの報告(BUA 217(2000))、また、染色溶剤アミノアゾベンゼンがマウスで奇形を誘発するとの記述(Birth Defects(3rd, 2000))があるがいずれも詳細は不明である。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(血液) | 警告 | H371: 臓器の障害のおそれ(血液) |
P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットに0.023〜2.8 mg/Lを4時間吸入ばく露(粉塵/ミスト)した試験(OECD TG 403: GLP)において、用量依存的なメトヘモグロビン濃度の増加に加え、中・高用量群(0.341〜2.8 mg/L)で症状として徐呼吸、チアノーゼが観察された(BUA 217(2000))。また、チアノーゼはラットに2000 mg/kgの経皮投与試験(guideline 84/449/EEC: GLP)でも観察されている(BUA 217(2000))。以上より用量依存的なメトヘモグロビン濃度の増加とそれに伴う臨床症状がガイダンス値区分2に相当する濃度で発現しているので区分2(血液)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。なお、ラットに35〜41日間混餌投与により0.1%(90日換算:約20 mg/kg/day)の用量で、赤血球成熟障害を伴う溶血性貧血に加え、ハウエルジョリー小体形成ならびに肝臓、脾臓および腎臓におけるヘモジデリン沈着、肝臓の小葉中心性ヒアリン変性が観察されている(BUA 217(2000))が、対照群がない1用量のみの試験で試験法に欠陥があり、証拠として不十分であると記述されている(BUA 217(2000))。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(ネコゼミジンコ属)の48時間EC50=0.07mg/L(BUA217、2000)から、区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分1であり、急速分解性がない(BODによる分解度:0%(既存点検, 2002))ことから、区分1とした。 | |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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