名称:テトラメトキシシラン
CAS番号:681-84-5
物質ID: | 22B4518 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成22年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分2 | 危険 | H225: 引火性の高い液体及び蒸気 |
P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P233: 容器を密閉しておくこと。 P240: 容器を接地すること/アースをとること。 P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。 P242: 火花を発生させない工具を使用すること。 P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
引火点20℃(Closed cup)(ICSC(J)(1997))は<23℃であり、初留点が121℃(ICSC(J)(1997))という情報により、区分2とした。 | |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性ならびに自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 半金属(Si)を含んでいるがデータがなく分類できない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類できない | - | - | - | - | 酸素を含む有機化合物であり、炭素、水素以外の元素と結合しているが、データがなく分類できない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を含んでいない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 分類できない | - | - | - | - | ラットで700 mg/kgが致死量であるとの記載(オランダ評価文書, 2004)があるが、この結果のみでは区分を特定できないため分類できない。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ウサギLD50値:17400 mg/kg(オランダ評価文書, 2004)に基づき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分1 | 危険 | H330: 吸入すると生命に危険 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P284: 呼吸用保護具を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLC50値(4時間):53 ppm(0.335 mg/L)(オランダ評価文書, 2004)に基づき、区分1とし、試験濃度(53 ppm)は飽和蒸気圧濃度(2800 ppm)の90 %以下であるため気体の基準値を適用した。なお、List 1のデータとしてラットLC50値:125-250 ppm(ACGIH(2001))があるが、予備試験(Range-finding study)の結果であり、かつ1951年とデータの年度も古いことから分類の根拠としなかった。 | |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | ウサギの皮膚に適用した試験で、30分と短いばく露時間で軽度の紅斑がみられたが実質的傷害はなかったとの記述(オランダ評価文書, 2004)があるのみで、その他にデータがないので「分類できない」とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | 危険 | H318: 重篤な眼の損傷 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 |
ウサギの眼に適用した試験において、眼瞼の浮腫と壊死を生じ、極めて重度の眼刺激物と評価され(ACGIH(2001))、別の試験では熱傷の誘発に次いで眼瞼の炎症、粘膜の浮腫、虹彩の壊死、角膜の不透明化が見られている(オランダ評価文書(2004))こと、さらに別の試験では刺激性の程度が10段階評価で最大10に対し9であった(オランダ評価文書(2004))こと、また、ヒトでは米国およびヨーロッパでは産業上の経験から、当該物質については疼痛から失明に至るまで眼に対する重度の有害性が確認されている(ACGIH(2001))ことから、区分1とした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(肺) | 警告 | H371: 臓器の障害のおそれ(肺) |
P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットの吸入ばく露試験(0.195-0.555mg/L/4hr)において、剖検時の主な所見は小さな散在性病巣から肺の全葉に及ぶ肺傷害であった(オランダ評価文書(2004))との報告、モルモットに0.63 mg/L/4hrの吸入ばく露により、肺水腫と肺の組織学的異常が認められた(オランダ評価文書(2004))との報告、さらに、ウサギの吸入ばく露試験では7.63 〜 13.2 mg/L/4hrの濃度で肺炎が見られ、肺の広範囲が出血および水腫状を呈したとの所見(オランダ評価文書(2004))がある。以上の結果はガイダンス値から判断すると区分1相当であるが、List 2のデータであってOECD TGおよびGLP準拠試験ではないので、区分2(肺)とした。なお、ラットの経口ばく露試験で、700 mg/kgで腎臓障害を起こしたとの記載(オランダ評価文書(2004))があるが、この投与量は致死量であることに加え病理組織学所見の記載もないことから分類根拠に採用しなかった。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(呼吸器)、区分2(腎臓) |
危険 警告 |
H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(呼吸器) H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(腎臓) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた28日間吸入ばく露試験の0.187 mg/L(90日換算濃度: 0.058 mg/L)の濃度で 上気道、気管支の炎症性病変の発症とともに重度の肺疾患が見られた(ACGIH(2001))こと、さらにモルモットに対する吸入ばく露の影響として、眼の病変に加え肺の出血と水腫の記載(オランダ評価文書(2004))もあり、ラットではガイダンス値区分1の範囲で影響が認められていることから、区分1(呼吸器)とした。また、モルモットを用いたを30日間経口投与試験では40〜240 mg/kg((90日換算量: 13.3〜80 mg/kg/day)の用量で、毒性影響として腎障害が記載され(オランダ評価文書(2004))、それに加え、本物質の標的臓器の一つとして腎臓が記載されている(NIOSH Pocket Guide to Chemical Hazards(2005))。以上より、経口投与の場合の用量が区分2に相当しているので区分2(腎臓)とした。なお、ラットおよびモルモットの吸入ばく露試験で眼の病変が認められたとの記載(オランダ評価文書(2004))があるが局所影響であり、眼に対して重篤な損傷性/眼刺激性の項で区分1としているため本項では分類根拠に採用しなかった。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |
使用マニュアル |
|
解説・用語集(エクセルファイル) |
|
厚生労働省モデルラベル |
職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS |
職場のあんぜんサイトへ |