名称:テトラメチルこはく酸ニトリル
CAS番号:3333-52-6
物質ID: | 22B4517 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成22年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | 「可燃性」との情報があるが、規定試験法によるデータなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性ならびに自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に酸素、フッ素または塩素原子を含んでいない有機化合物である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を含んでいない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分2 | 危険 | H300: 飲み込むと生命に危険 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLD50値 30mg/kg(ACGIH(2001))に基づき、区分2とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足。なお、List 3のデータとしてウサギLDLoは79.4 mg/kgと記載されている(RTECS(2008))が、区分を特定できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分2 | 危険 | H330: 吸入すると生命に危険 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P284: 呼吸用保護具を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットに4時間ばく露による最小致死濃度は0.235 mg/Lであり、かつ、2〜3時間のばく露では60 ppm(0.341 mg/L)が致死量となるとの記載(ACGIH(2002))から、4時間のLC50値は0.235 mg/L 以上、かつ、0.341 mg/L 以下と推定されるので区分2とした。なお、毒性値(0.235 mg/L)が飽和蒸気圧濃度(0.0084 mg/L)より高いので粉塵とみなした。 | |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | in vivoの試験データがないため分類できない。なお、in vitroではエームス試験で陰性の結果が報告されている(NTP DB(Access on Sep 2009))。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | ハムスターの器官形成期に非経口的に単回投与した試験で、10 mg/kgで間代強直性痙攣が現れ、20 mg/kgで母動物の37%が死亡し、仔の頭殿長の減少、脳脱出仔を含む同腹仔の増加が見られた(ACGIH(2001))。しかし、この所見については、母動物が死亡を含め極めて強い毒性を示した高用量でのみ認められた影響のため、分類の根拠とはしなかった。一方、親動物の交配前からのばく露による性機能・生殖能に及ぼす影響についてはデータがなく、データ不足のため「分類できない」とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(中枢神経系) | 警告 | H371: 臓器の障害のおそれ(中枢神経系) |
P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
List 2の情報として、職業ばく露で事故により痙攣を伴う意識喪失を起こした5件の症例報告があるとの記述(HSDB(2009))、および本物質のTLV-TWA勧告では痙攣と昏睡をもたらす中枢神経系毒性が考慮されている(ACGIH(2001))ことから、区分2(中枢神経系)とした。なお、動物試験においてもばく露後に激しい痙攣の発現が報告されている(ACGIH(2001))。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(中枢神経系) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(中枢神経系) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ビニル製品の生産に従事し本物質のばく露を受けた16人の労働者が、頭痛、嘔気、痙攣、昏睡を発症し、実際に12人から頭痛、5人から痙攣の報告がなされた(ACGIH(2001))ことと併せ、本物質のTLV-TWA勧告では痙攣と昏睡をもたらす中枢神経系毒性が考慮されている(ACGIH(2001))ことから、区分1(中枢神経系)とした。なお、ラットの90日間経口投与試験(0.001〜10 mg/kg/day)では用量も低く、肝臓への影響は重量増加のみであり、その他重大な毒性は認められなかった(HSDB(2009))。雄ラットの腎臓で唯一認められた形態学的変化は主に近位尿細管における変性と上皮細胞における硝子滴形成であり(HSDB(2009))、雌ラットおよびイヌでは認められておらず、雄ラット特有のα2μ-グロブリン腎症である可能性が高いと考えられるため分類の根拠としなかった。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない | - | - | - | - | データがなく分類できない。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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