名称:1,4-ジオキサン-2,3-ジイルジチオビス(チオホスホン酸)O,O,O',O'-テトラエチル【ジオキサチオン】
CAS番号:78-34-2
物質ID: | 22B4512 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成22年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性[ICSC(1998)、Sax(11th, 2004)、HSDB(2005)]である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性・自己反応性に関連する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性[ICSC(1998)、Sax(11th, 2004)、HSDB(2005)]である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性[ICSC(1998)、Sax(11th, 2004)、HSDB(2005)]である。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 半金属(P)を含むが、水溶解度として1.55 mg/L(25℃, 推定値)[Howard(1997)]というデータが得られており、水と急激な反応はないと考えられる。 |
13 | 酸化性液体 | 分類できない | - | - | - | - | リンと結合した酸素を含むが、データがないために分類できない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分2 | 危険 | H300: 飲み込むと生命に危険 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットのLD50値:43 mg/kg(雄)および23 mg/kg(雌)(ACGIH(2002))に基づき、区分2とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分2 | 危険 | H310: 皮膚に接触すると生命に危険 |
P302+P350: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で優しく洗うこと。 P262: 眼、皮膚、衣類につけないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P361: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットについては、LD50値:235 mg/kg(雄)および63 mg/kg(雌)(ACGIH(2002))より、危険性の高い雌のデータに基づき区分2となる。ウサギについてはLD50値:85 mg/kg(ACGIH(2002)、PATTY(5th, 2001))に基づき区分2となる。以上の両動物種のデータから区分2とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分2 | 危険 | H330: 吸入すると生命に危険 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P284: 呼吸用保護具を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLC50値:1.398 mg/L/1h(= 0.349 mg/L/4h)(ACGIH(2002))に基づき区分2とした。なお、LC50値(1.398 mg/L)が飽和蒸気圧濃度(2.15E-06 mg/L)より高いので粉塵/ミストの基準値を適用した。 | |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | - | 警告 | H320: 眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 |
ウサギを用いた試験において、軽度で一過性の結膜炎を起こしたが角膜に損傷はなかったとの記載(ACGIH(2002))に基づき、区分2Bとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | in vivoの試験データがなく分類できない。なお、in vitroではAmes試験で陽性(NTP DB(2005))、マウスリンパ腫を用いた遺伝子突然変異試験およびCHO細胞を用いた染色体異常試験で陰性(NTP DB(2005))が報告されている。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | ACGIHでA4と分類されている(ACGIH(2002))ことに基づき「分類できない」とした。なお、ラットおよびマウスに78週間混餌投与後、ラットで33週間、マウスで12〜13週間の観察期間経過後の検査において、両動物種とも稀な腫瘍の発生、または統計学的に有意な腫瘍発生率の変化は見られず、試験物質には当該試験条件下では発がん性はなかった(NTP TR 125(1978))と報告されている。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | ラットの3世代生殖試験において、生殖能力、受胎、授乳、同腹仔数に悪影響は見られず、子孫の生存に影響なく、同腹仔数および形態学的所見も正常であり、各世代において全試験動物の所見は全ての指標について対照群と同様であった(JMPR 125(1968))。しかし、催奇形性を含む仔の発生に及ぼす影響について、分娩前の胎仔検査によるはデータが不十分なため「分類できない」とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(神経系) | 危険 | H370: 臓器の障害(神経系) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
本物質21%を含む製剤を誤飲した5歳の男児に嘔吐と下痢が発生し、2時間以内に精神的鈍麻、起立不能となり、次いで浅速呼吸、筋攣縮、流涙、縮瞳を呈したとの症例報告(ACGIH(2002))があり、かつ、ヒトにおいて本物質0.075 mg/kg以上の経口摂取は一定のコリンエステラーゼ阻害を引き起こす(NTP TR 125(1978))と記述されていることから、区分1(神経系)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(神経系) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(神経系) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
イヌに8 mg/kg/dayを2週間経口投与後、過流涎、振戦、運動失調などの症状が現れ、0.8 mg/kg/day以上で血漿コリンエステラーゼ、2.5 mg/kg/dayおよび8 mg/kg/dayで赤血球コリンエステラーゼの有意な阻害が認められた(ACGIH(2002))。また、ラットに13週間混餌投与により、雌のみ100 ppmで僅かに副交感神経刺激症状が見られたが、雌雄共に脳、血漿および赤血球のコリンエステラーゼ活性の著しい低下を示した(JMPR 125(1968))ことが報告されている。以上より、ガイダンス値区分1に相当する用量で神経系に対する影響が見られていることから区分1(神経系)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50=0.35μg/L(HSDB, 2009, 他)から、区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性が区分1、急速分解性がないと推定される(BIOWIN)ことから、区分1とした。 | |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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