名称:オルト-ニトロアニソール
CAS番号:91-23-6
物質ID: | 22B4503 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成22年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 区分外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団(ニトロ基)を有するが、国連輸送勧告(UN2730(ニトロアニソール(液体))クラス6.1であり、クラス1(火薬類)には分類されていない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 引火点124℃[測定法不明](ICSC(2004))は93℃超である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | タイプG | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団(ニトロ基)を有するが、国連輸送勧告(UN2730(ニトロアニソール(液体))ではクラス6.1PGIIIとなっているためタイプGと判断した。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点が464℃(ICSC(2004))で、常温では発火しないと考えられるので区分外とした。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体の物質に適した試験法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に金属、半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類できない | - | - | - | - | 窒素と結合した酸素を含む有機化合物であるが、データがなく分類できない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLD50値が5件(874、(雄740、雌760)、(雄1000、雌890)、1980mg/kg(DFGMAK-Doc. 9(1998)), 740mg/kg(IARC 65(1996))あり、いずれも区分4に該当することより区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLD50値:>2000 mg/kg(DFGMAK-Doc. 9(1998))に基づき区分外とした。なお2000 mg/kgにおいて動物の死亡は見られていない。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギの皮膚に本物質の原液0.5 mLを4時間適用し、何ら刺激を生じなかった(DFGMAK-Doc. 9(1998))との報告より区分外とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギの結膜嚢に0.1 mLを適用し、1時間後結膜の浮腫と発赤が認められたが、24時間後には全て回復した(DFGMAK-Doc. 9(1998))との報告、および別にウサギの眼に対し刺激性なし((BUA 140(1993)))との報告もあり、区分外とした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | in vivo試験のデータがなく分類できない。なお、in vitro試験では、エームス試験、CHO細胞またはCHL細胞を用いた染色体異常試験の複数のデータにおいていずれも陽性結果(DFGMAK-Doc. 9(1998)、安衛法変異原データ集(1996))が得られている。 |
6 | 発がん性 | 区分2 | 警告 | H351: 発がんのおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
IARCでグループ2Bに分類されている(IARC 65(1996))ことより区分2とした。なお、ラットおよびマウスを用いた2年間混餌投与試験において、ラットでは膀胱腫瘍、腎臓の移行上皮腫瘍、大腸腫瘍、単核細胞白血病の発生頻度がそれぞれ増加、マウスでは肝細胞腫瘍の発生頻度が増加したことが報告されている(NTP TR 416(1993))。 | |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | ラットの器官形成期に経口投与による発生毒性試験において、母動物に臨床症状や摂餌量低下など一般毒性が現れた高用量群で催奇形性は認められなかったが、吸収胚の増加に加え内臓変異や癒合の僅かな増加が観察されたと述べられている(DFGMAK-Doc. 9(1998))が、動物数が少ない上に、この吸収胚の増加は対照群の5.0%に対し8.5%と軽微であったため分類の根拠としなかった。また13週の経口投与実験において高投与量で牝の生殖器官に影響が報告されている(DFGOT vol.9(1998))が、18000 ppmという高用量を投与されたラットでみられた生殖器の萎縮性変化は体重低下に関連した非特異的二次的変化の可能性が高いと考られる。一方、親動物の性機能および生殖能に及ぼす影響に関してはデータがないので「分類できない」とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(全身毒性) | 警告 | H371: 臓器の障害のおそれ(全身毒性) |
P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた経口投与毒性試験(OECD TG 401)において、うずくまり、虚脱状態、歩行不安定、不規則呼吸、閉眼、自発運動低下、眩惑行動、反射低下などの症状が記載され、全体をまとめて非特異的な中毒症状と記述されている(DFGMAK-Doc. 9(1998))。したがって、標的臓器は特定されていないが、LD50値(854 mg/kg)から症状発現はガイダンス値区分2に相当する用量と判断できるので、区分2(全身毒性)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(腎臓) | 警告 | H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(腎臓) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた13週間混餌投与試験(0, 200, 600, 2000, 6000, 18000 ppm;換算値:10, 30, 100, 300, 900 mg/kg/day))において、ガイダンス値の上限を超えた高用量においてヘモグロビンとヘマトクリット値の有意な減少、メトヘモグロビン濃度の有意な増加、膀胱移行上皮の過形成などが観察されたが、2000 ppm以下の用量では悪影響は認められていない。しかし、雄においては、区分2に該当する600 ppm(30 mg/kg)以上の用量において腎尿細管壊死と変性が見られている(NTP TR 416(1993))。マウスを用いた13週間混餌投与試験では、ヘモグロビンとヘマトクリット値の有意な減少が2000 ppm(換算値:300 mg/kg/day)以上で認められたが、ガイダンス値範囲内に相当する600 ppm(換算値:90 mg/kg/day)以下の用量では悪影響は認められていない(NTP TR 416(1993))、別のラットの28日間経口投与試験の200 mg/kg/dayで、軽度の溶血性貧血を起こしたと記述されているが(DFGMAK-Doc. 9(1998))、軽度であり組織学的所見の裏付けがないことから血液学的な変化は分類の根拠としなかった。一方、腎臓においてはラットの13週間混餌投与試験において区分2に該当する600 ppm(30 mg/kg)以上の用量において腎尿細管壊死と変性が見られることから区分2(腎臓)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分3 | - | - | H402: 水生生物に有害 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
藻類(セネデスムス)の72時間ErC50=48.6mg/L(IUCLID、2000)から、区分3とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分3 | - | - | H412: 長期継続的影響によって水生生物に有害 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分3であり、急速分解性がない(BODによる分解度:0%(既存点検, 1976))ことから、区分3とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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