名称:ジチオりん酸 O,O-ジエチル
CAS番号:298-06-6
物質ID: | 22A4219 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成22年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分4 | - | 警告 | H227: 可燃性液体 |
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
引火点82℃ [開放式](Ullmanns(E)(6th, 2003))というデータがあり、所定の密閉式測定でも > 60℃ かつ ≦93℃になると判断できることから、区分4に該当するとした。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない、かつ自己反応性に関わる原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点は121-122℃であり(15710の化学商品(2010))、常温で発火しないと考えられる。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類できない | - | - | - | - | フッ素および塩素を含まず、炭素、水素以外の元素と化学結合した酸素を含む有機化合物であるが、データがなく分類できない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラット雌を用いた単回経口投与毒性試験(OECD TG 423、GLP)において、LD50値は300〜2000 mg/kgと推定されている(厚労省報告(Access on Nov. 2010))ことに基づき、区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分4 | 警告 | H332: 吸入すると有害 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 |
ラットLC50値は1.64 mg/L/4h(RTECS(2010); 元文献:"HPV321 U.S. Environmental Protection Agency; High Production Volume(HPV)Challenge; O,O-diethyl Dithiophosphate. pdf http://www.epa.gov/HPV/pubs/summaries/viewsrch.htm): 2003")に基づき、元文献の記載を確認の上、区分4とした。なお、LC50値(1.64 mg/L)が飽和蒸気圧濃度(0.584 mg/L)を超えているので、粉塵・ミストの区分基準値を適用した。 | |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギの皮膚に500 mgを24時間適用した試験で刺激性は軽度(mild)との評価(RTECS(2010):元文献 HPV321 U.S. Environmental Protection Agency; High Production Volume(HPV)Challenge; O,O-diethyl Dithiophosphate. pdf(http://www.epa.gov/HPV/pubs/summaries/viewsrch.htm), 2003)に基づき、元文献の記載を確認の上、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分3相当)とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ウサギの眼に0.1 mgを適用した試験で刺激性は重度(severe)との評価(RTECS(2010):元文献 HPV321 U.S. Environmental Protection Agency; High Production Volume(HPV)Challenge; O,O-diethyl Dithiophosphate. pdf(http://www.epa.gov/HPV/pubs/summaries/viewsrch.htm), 2003)に基づき、元文献の記載を確認の上、区分2Aとした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | in vivo試験のデータがないので分類できない。なお、in vitro試験としては、エームス試験(OECD TG471、GLP)およびCHL/IU細胞を用いた染色体異常試験(OECD TG473、GLP)で陽性結果(厚労省報告(Access on Nov. 2010))が報告されている。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | ラットに経口投与による反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験(OECD TG 422、GLP準拠)において、300 mg/kg群で雄親動物の精巣毒性による妊娠の不成立、仔動物で雌の生後4日生存率の有意な低値が認められたが、同用量は母動物が流涎、軟便、および体重増加抑制を示し、投与期間中に半数の動物が死亡した(厚労省報告(Access on Nov. 2010))強い一般毒性が認められた用量のため、分類の根拠としなかった。その他には生殖指標に対する本物質の影響は認められなかったが、仔の発生に関して妊娠末期の胎仔検査が行われていないので、データが不十分のため「分類できない」とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットに経口投与により、300 mg/kg投与では、投与直後に流涎がみられ、剖検では異常は認められなかった。2000 mg/kgでは、投与後一日までに3例全例が死亡し、流涎、自発運動の低下、腹臥位、チアノーゼ及び緩徐呼吸、剖検では胃穿孔、腺胃粘膜暗赤色斑、腺胃粘膜肥厚、前胃粘膜肥厚及び腹水貯留が認められたとの記述があるが(厚労省報告(Access on Nov. 2010))、以上からでは標的臓器の特定は困難であり、その他、ガイダンス値範囲内で投与に関連した明確な所見もないため「分類できない」とした。なお、本物質は消化管粘膜に対して直接的な刺激作用を有し、この作用に基づく消化管障害により死に至ったと考えられたとの記述もあるが(厚労省報告(Access on Nov. 2010))、以上の消化管障害は局所刺激であるため分類の根拠としなかった。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(精巣) | 警告 | H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(精巣) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットに経口投与による反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験(OECD TG 422、GLP準拠)において、300 mg/kg群の精巣と精巣上体重量が低下し、病理学的検査では、100および300 mg/kg(90日換算:46.7〜140 mg/kg/day)群で精巣障害が観察された(厚労省報告(Access on Nov. 2010))。さらに、300 mg/kg群の組織像から精巣障害はセルトリ細胞障害に起因した変化であることが想定され、遅延性あるいは進行性病変と考えられたとの記述(厚労省報告(Access on Nov. 2010))に基づき、ガイダンス値区分2の範囲まで影響が認められていることから区分2(精巣)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 | - | - | H401: 水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 = 4.5 mg/L(環境省生態影響試験, 2003)から区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分2 | - | H411: 長期継続的影響によって水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分2であり、急速分解性がない(難分解、BODによる分解度:0%(既存点検, 1988))ことから区分2とした。 | |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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