名称:4-クロロ-2-ニトロアニリン
CAS番号:89-63-4
物質ID: | 22A4182 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成22年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類できない | - | - | - | - | 分子内に爆発性の原子団(N-O)を含むがデータがなく分類できない。 要専門家判断 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 分子内に爆発性の原子団(N-O)を含むがデータがなく分類できない。 要専門家判断 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点は約530℃(ホンメル(1996))であり、常温では発火しないと考えられる。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 融点140℃以下の固体に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない | - | - | - | - | 酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合しており、データがなく分類できない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLD50値、>5000 mg/kg bw(BUA No.235(2002))に基づき区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギの皮膚に500 mgを4時間にわたり閉塞適用した試験で、刺激性なし(no skin irritation)との結果(BUA 235(2002))基づき区分外とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギの眼に24時間適用した試験(FDAガイドライン)で、刺激性なし(not irritating)との結果(BUA 235(2002))に基づき区分外とした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足。なお、モルモットを用いた試験で4匹中4匹が陽性反応を示した(BUA 235(2002))との情報があるが、試験方法および試験結果とも詳細不明である。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | マウスに経口投与による骨髄細胞を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)(OECD TG 474、GLP準拠)で陰性(BUA No.235(2002))の報告に基づき区分外とした。なお、in vitro試験では、エームステスト、CHO細胞を用いた染色体異常試験およびマウスリンパ腫細胞を用いた遺伝子突然変異試験はいずれも陽性結果(NTP DB(Access on Oct. 2010))が報告されている。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | ラットを用いた反復投与毒性・生殖発生毒性試験(OECD TG422;GLP)において、親動物に対し交尾率、受胎率、分娩率、妊娠期間、黄体数、着床数、出産率、分娩及び哺育行動など、新生児に対しては出産児数、出生率、新生児4日生存率、外表、一般状態などいずれも被験物質に起因する変化は見られなかった(経産省生殖試験(Access on Oct. 2010))との報告から性機能および生殖能に対する悪影響は認められなかったが、子の発生に対する影響については、妊娠末期の胎仔検査が行われていないのでデータ不十分であり、「分類できない」とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足。なお、モルモットに非致死量を単回経口投与後に深麻酔が24時間持続したとの報告に加え、経口投与後の症状として、ラットで一時的な腹臥位、マウスで自発運動の低下と不安定歩行が観察されている(BUA No.235(2002))が、いずれもガイダンス値上限を超えた用量である。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(血液系) | 警告 | H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(血液系) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットの13週間反復経口投与試験において、雌で50 mg/kg/day以上、雄で400 mg/kg/day以上で脾臓のヘモジデリン沈着が用量依存的に増加し、800 mg/kg/dayで赤血球数とヘマトクリット値の低下を示した(BUA 235(2002))。また、ラットの反復投与毒性・生殖発生毒性併合試験の60 mg/kg/day(90日換算:28 mg/kg/day)以上で、脾臓の髄外造血の亢進とヘマトクリットの低値が認められた(経産省生殖試験(Access on Oct. 2010))。マウスの13週間反復経口投与試験においても、雌の75 mg/kg/dayで脾臓のヘモジデリン沈着が報告されている(BUA 235(2002))。以上の影響はガイダンス値区分2相当の用量で観察されているので、区分2(血液系)とした。なお、上述のラットの13週間反復経口投与試験では100 mg/kg/day以上で雄ラット特有の変化とされる腎臓の近位尿細管上皮の硝子滴および変性が報告されている(BUA 235(2002))。また、本物質はメトヘモグロビン生成を起こし得るとの記載もある(BUA 235(2002))。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 | - | - | H401: 水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(ミジンコ)での48時間 EC50 = 3.2 mg/L(AQUIRE, 2011、HSDB, 2008、BUA 235, 2002)であることから、区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分2 | - | H411: 長期継続的影響によって水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分2であり、急速分解性がない(OECD TG301Cによる2週間でのBOD分解度 = 0%(既存点検, 1977))ことから、区分2とした。 | |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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