名称:ターシャリ-ブチルペルオキシベンゾアート
CAS番号:614-45-9
物質ID: | 22A4176 |
分類実施者: | 厚生労働省、環境省 |
分類実施年度: | 平成22年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類できない | - | - | - | - | 爆発性の原子団(隣接した酸素原子)を含み、有機過酸化物としての試験結果では、密閉状態での加熱結果をみる各試験で「激しい」の判定が出ている。火薬類としての試験フローは報告されていないので「分類できない」とした。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分4 | - | 警告 | H227: 可燃性液体 |
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
引火点66℃ [密閉式](Gangolli(2nd, 1999))は > 60℃ かつ ≦93℃ であることから、区分4に該当する。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 有機過酸化物である。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点は130℃であり(ホンメル(1996)、常温で発火しないと考えられる。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属および半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類できない | - | - | - | - | 炭素、水素以外の元素と化学結合する酸素を含む有機化合物であるが、データがなく分類できない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | タイプC | 危険 | H242: 熱すると火災のおそれ |
P411+P235: ...℃以下の温度で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P220: 衣類/.../可燃物から遠ざけること。 P234: 他の容器に移し替えないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P410: 日光から遮断すること。 P420: 他の物質から離して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
「UNRTDG Manual of Tests and Criteria(4th Ed. 2003)」212ページに有機過酸化物の試験判定例として、当物質が挙げられ、タイプCに区分されている。その結果、濃度が77質量%を超えるものが国連危険物輸送勧告(UN3103:タイプC)クラス5.2に分類されている。 | |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLD50値 3639〜4838 mg/kg(PATTY(5th., 2001))に基づき、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5に該当)とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLD50値 3817 mg/kg(PATTY(5th., 2001))に基づき、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5に該当)とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足。なお、ラットLC50値 >0.26 mg/L(PATTY(5th., 2001))の報告があるが、このデータのみでは区分を特定できず、分類できない。なお、最大達成蒸気濃度と記述されているので、試験は飽和蒸気圧濃度で実施されたものとみられる。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | 詳細は不明であるが、ラットで刺激性なし(not an irritant)との報告(PATTY(5th., 2001))に加え、List 3の情報であるがウサギを用いた標準ドレイズ試験で刺激性は軽度(mild)(RTECS(2008):元文献 Vrednie chemichescie veshestva, galogen I kislorod sodergashie organicheskie soedinenia.: -, 545, 1994)との結果も勘案し、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分3または区分外)とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | - | 警告 | H320: 眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 |
詳細は不明であるがラットにおいて軽度の刺激性(slight irritation)との報告(PATTY(5th., 2001))に加え、List 3の情報であるがウサギに100 mgを1分間適用した試験で刺激性は軽度(mild)(RTECS(2008):元文献 Zentralblatt fuer Arbeitsmedizin und Arbeitsschutz.(Darmstadt, Fed. Rep. Ger.)V.1-25, 1951-75.: 8, 25, 1958)との結果も勘案し、区分2Bとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足。なお、皮膚感作性試験として、試験法など詳細は不明であるがラットで感作性なし(not sensitizer)との報告(PATTY(5th., 2001)がある。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | マウスに経口投与による末梢血を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)で陰性の結果(NTP DB(Access on Sept. 2010))に基づき、区分外とした。なお、in vitro 試験では、Ames試験およびチャイニーズハムスターの卵巣細胞を用いた染色体異常試験でいずれも陽性(NTP DB(Access on Sept. 2010))が報告されている。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足。なお、ラットで飽和蒸気圧濃度(0.26 mg/L)の吸入ばく露により、悪影響は見られなかった(PATTY(5th., 2001))と報告されているが、ガイダンス値範囲内の濃度のため分類できない。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットおよびマウスを用いた13週間反復経口投与試験(30〜500 mg/kg/day)において、本物質に帰せられる毒性は両動物種とも前胃の病変に限られ、用量依存的な前胃の重量増加および投与動物の大半に扁平上皮の過形成が認められた(NTP TOX 15(1992))。しかし、この前胃の所見は試験物質の経口投与による局所影響(site of contact)とみなされている(NTP TOX 15(1992))ことから、分類の根拠としなかった。それ故、経口経路ではガイダンス値を超える用量で全身影響が認められず区分外相当となるが、他経路についてはデータがなく不明であり、特定標的臓器毒性(反復暴露)の分類としては「分類できない」とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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