GHS分類結果

名称:2-イソシアナトエチルメタクリラート
CAS番号:30674-80-7

結果:
物質ID: 22A4173
分類実施者: 厚生労働省・環境省
分類実施年度: 平成22年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関わる原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分外 - - - - 引火点は97℃[密閉式](NITE総合検索(Access on Sept. 2010))であり93℃超である。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類できない - - - - 自己反応性に関わる原子団(不飽和結合)を含むが、データがなく分類できない。
9 自然発火性液体 分類できない - - - - データなし。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - フッ素または塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - -O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告 H302: 飲み込むと有害 P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P330: 口をすすぐこと。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットLD50値 670-2000 mg/kg(RTECS(1997):元文献 Drug and Chemical Toxicology, .3(4), 381-392(1980))に基づき、区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 区分1 危険 H330: 吸入すると生命に危険 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P284: 呼吸用保護具を着用すること。
P310: 直ちに医師に連絡すること。
P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットのLC50値 4 ppm/6h(= 4.9 ppm/4h)(RTECS(1997):元文献 Drug and Chemical Toxicology, .3(4), 381-392(1980))に基づき区分1とした。なお、LC50値(4 ppm)が飽和蒸気圧濃度(461 ppm)の90%より低いので、分類には気体の区分基準値を適用した。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - 当該物質のデータがなく分類できない。なお、ヒトへの影響として、イソシアネート類は皮膚や粘膜を刺激し、そう痒や湿疹を生じるとの情報(HSDB(2002))がある。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - 当該物質のデータがなく分類できない。なお、イソシアネート類ではヒトの眼に対する影響は一般に少なく、しばしば流涙が見られるが、結膜炎は稀であるとの情報(HSDB(2002))がある。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - メタクリロイルオキシエチルイソシアネートは呼吸器感作性物質であるとの記載(HSDB(2002))があるが、List 2の情報のため「分類できない」とした。なお、この記載の根拠となるデータあるいは元文献の記載はない。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - メタクリロイルオキシエチルイソシアネートは皮膚感作性物質であるとの記載(HSDB(2002))があるが、List 2の情報のため「分類できない」とした。なお、この記載の根拠となるデータあるいは元文献の記載はない。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - 雄ラットに吸入ばく露による優性致死試験(生殖細胞in vivo継世代変異原性試験)で優性致死突然変異は認められなかった(HSDB(2002))が、当該物質は吸入毒性が強く、この優性致死試験は非常に低濃度(0.00025〜0.25 ppm)で行われたため、陰性結果について疑義が残る。また、その他のin vivoおよびin vitroのデータもなく、体細胞への影響も不明であり、データ不足で「分類できない」とした。
6 発がん性 分類できない - - - - データなし。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データなし。なお、ラットで雄へのばく露を介して着床前死亡が観察されたとの記載(HSDB(2002))があるが、根拠となるデータまたは元文献の記載はなく詳細不明である。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - データなし。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - データなし。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データなし。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データなし。
12 オゾン層への有害性 分類できない - - - - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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