GHS分類結果

名称:アルミニウムトリ-セカンダリ-ブトキシド
CAS番号:2269-22-9

結果:
物質ID: 22A4132
分類実施者: 厚生労働省、環境省
分類実施年度: 平成22年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関わる原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分3 警告 H226: 引火性液体及び蒸気 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。
P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P233: 容器を密閉しておくこと。
P240: 容器を接地すること/アースをとること。
P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。
P242: 火花を発生させない工具を使用すること。
P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
引火点は26℃(Ullmanns(E)(6th, 2003))であるが、AldrichMSDS(Access on Nov. 2010)では26℃(密閉式)という情報があり、引火点は ≧ 23℃ かつ ≦60℃と判断して、区分3とした。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 爆発性に関わる原子団を含んでいない、かつ自己反応性に関わる原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類できない - - - - データなし。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 区分外 - - - - 分子内に金属(Al)を含むが有機化合物であり、「容易に加水分解を受け、水酸化アルミニウム及び2-ブタノールを生じる(Ullmanns(E)(6th, 2003))。」という記述がある。可燃性液体は生成するが、可燃性ガスの発生は少量であると考えられるので、区分外とした。
13 酸化性液体 分類できない - - - - 酸素を含む有機化合物であり、この元素が炭素、水素以外の元素と化学結合しているが、データがなく分類できない。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - -O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない - - - - データなし。 当該物質は容易に加水分解を受け、水酸化アルミニウム及び2-ブタノールを生じる(Ullmanns(E)(6th, 2003))。 ※2-ブタノール(ID 913)の分類結果も参照のこと。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - データなし。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - データなし。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データなし。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - データなし。
6 発がん性 分類できない - - - - データなし。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データなし。当該物質は容易に加水分解を受け、水酸化アルミニウム及び2-ブタノールを生じる(Ullmanns(E)(6th, 2003))。なお、水酸化アルミニウムに関しては、マウスの妊娠期間中の経口投与(66.5~266mg/kg/day)により、母獣、胚/胎児に毒性及び奇形は認められなかったとの報告、マウスの妊娠期間中の経口投与(57.5mg/kg/day)により、毒性は認められなかったとの報告、ラットの妊娠期間中の経口投与(384mg/kg/day)により、胎児体重の減少、骨格変異の増加が認められたとの報告、ラットの妊娠期間中の経口投与(192~768mg/kg)により、NOEL : 768 mg/kg/dayが報告されている(以上JECFA FAS 58(2007))。また、2-ブタノールの既存分類では、「ラットでの飲水投与による2世代繁殖試験では生殖能には影響なく、最小限の影響(出生児の発育遅延)のみが認められた。一方、ラットの妊娠期間に吸入ばく露した試験では、母獣毒性がみられる用量で生存仔の減少及び吸収胚の増加が認められた(PATTY(4th, 1994)、ACGIH(2001))。生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い。区分2。」となっている。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - データなし。 当該物質は容易に加水分解を受け、水酸化アルミニウム及び2-ブタノールを生じる(Ullmanns(E)(6th, 2003))。 なお、水酸化アルミニウムに関しては、データがない。 また、2-ブタノールの既存分類では、「マウスでの高濃度吸入ばく露により中枢神経系抑制症状が認められたとの記述がある(DFGOT, vol.19(2003))。ヒト及びマウスで(EHC 65(1987))、ラット及びマウスで(PATTY(4th, 1994)、DFGOT, vol.19(2003))の吸入ばく露により麻酔作用が認められる。ヒトで高濃度ばく露によって鼻や喉を刺激するとの記述 ACGIH(2001)、DFGOT, vol.19(2003)、産衛学会勧告(1986))から、気道刺激性と考えられる。眠気又はめまいのおそれ(区分3)呼吸器への刺激のおそれ(区分3)。」となっている。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - データなし。 当該物質は容易に加水分解を受け、水酸化アルミニウム及び2-ブタノールを生じる(Ullmanns(E)(6th, 2003))。 なお、水酸化アルミニウムに関しては、医療用医薬品(制酸剤)として使用されており、副作用として便秘、悪心、嘔吐が現れることがあり(医療用医薬品集(2010)、メルクマニュアル 第18版(2006))、また、長期投与によりアルミニウム脳症、アルミニウム骨症が現れるおそれがある(医療用医薬品集(2010))。動物試験では、ラットを用いた28日間経口投与試験(60日補正407mg/kg/day)において臨床徴候、摂食と摂水、成長、血液及び血清分析、アルミニウムの組織及び血漿中濃度、組織病理学に影響はみられなかったとの報告(EHC 194(1997))、ラットを用いた経口投与試験(17~29mg/kg/day)において3~4週間で成長障害がみられ、くる病が認められたとの報告(HSDB(2009))がある。 また、2-ブタノールの既存分類では、「情報なし。分類できない。」となっている。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データなし。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データなし。
12 オゾン層への有害性 分類できない - - - - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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