名称:5-フルオロウラシル
CAS番号:51-21-8
物質ID: | 22A4093 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成22年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性・自己反応性に関連する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素、フッ素を含む有機化合物であるが、これらの元素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分3 | 危険 | H301: 飲み込むと有毒 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLD50値;230 mg/kg bw(HSDB(2007))に基づき、区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。なお、症例報告が1件あり、50 mg/mLの溶液を誤って自身の眼に入れた医師が3〜5分後に十分に洗滌したところ、軽度の痛みと一過性の充血のみで大した影響はなく、その後の眼科学的検査でも異常は見られなかった(HSDB(2007))と報告されている。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 | 警告 | H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
マウスの骨髄細胞を用いた小核試験(IARC 26(1981))、および妊娠13日目に腹腔内投与したマウスの胎児肝臓を用いた小核試験(HSDB(2007))(いずれも体細胞in vivo変異原性試験)で陽性結果が報告されていることから、区分2とした。なお、ヒトで、本物質のみを投与された固形がん患者4人中3人の末梢血リンパ球で染色体の数的異常と構造異常の軽度増加がみられた(IARC 26(1981))との報告がある。また、in vitro試験として、エームス試験で陰性(NTP DB(Access on Sep. 2010))、CHO細胞を用いた染色体異常試験で陽性(IARC 26(1981))、ハムスターの線維芽細胞を用いた染色体異常試験で陽性(HSDB(2007))の結果がそれぞれ報告されている。 | |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | IARCでグループ3に分類されている(IARC suppl.7(1987))ことに基づき「分類できない」とした。なお、本物質を52週間経口投与後に6ヵ月の観察期間経過後の検査では、発がん性の証拠は見出されていない(IARC suppl.7(1987))。 |
7 | 生殖毒性 | 区分1B | 危険 | H360: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
代謝拮抗物質である本物質は、試験された6種の動物、即ち、マウス、ラット、モルモット、ハムスター、ウサギ、およびサルの全てで強力な催奇形性物質であると記載され、マウス、ラット、およびモルモットで容易に多発奇形を生じ、ハムスターで口蓋裂、ウサギで四肢欠損が起きている。また、サルでは胎仔死亡の増加とともに肋骨と椎骨の異常が見られ、催奇形性の証拠とされている(Birth Defects(3rd, 2000))。ヒトでは、本物質による影響が不確かながら、腸に悪性腫瘍のある高齢の妊婦が11-12週に当該物質の治療を受け、16週に流産に至った。その流産児は拇指欠損を伴う両側性橈骨形成不全、左右の手指欠損、その他種ーの内臓奇形も見られたと報告されている(Birth Defects(3rd, 2000))。以上より、ヒトで確実な証拠は得られていないが、複数の動物種で本物質が催奇形性を有することが示されており、子の発生に悪影響を及ぼすことが推定されるため、区分1Bとした | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(消化器系、骨髄、神経系) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(消化器系、骨髄、神経系) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
当該物質は代謝拮抗物質であり、抗悪性腫瘍剤として医薬品使用されている。錠剤およびドライシロップの経口摂取で重大な副作用として、激しい下痢から脱水症状、出血性腸炎、虚血性腸炎、壊死性腸炎等の重篤な腸炎の記載(消化器系への影響)、汎血球減少、白血球減少、好中球減少、貧血、血小板減少等の骨髄機能抑制の記載(骨髄への影響)、白質脳症、また、錐体外路症状、顔面麻痺、言語障害、運動失調、眼振、せん妄、意識障害、見当識障害、記憶力低下、自発性低下、歩行時のふらつき、四肢末端のしびれ感等の精神神経症状の記載(神経系への影響)が示され、注意喚起がなされている(医療用医薬品集(2010))。以上の知見に基づき、情報は全てList 1であることから、区分1(消化器系、骨髄、神経系)とした。なお、動物試験においても、マウスで腸の病変が上皮と絨網の萎縮として用量依存的に現れ、骨髄の赤血球減少と顆粒球減少も認められ、また、イヌでは投与後間もなく過剰興奮、不安、筋振戦、運動失調、ネコでは運動失調、不安、興奮過剰と併せ、脳の軟化および壊死が観察されている(IARC 26(1981))。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分外 | - | - | - | - | 魚類(ファットヘッドミノー)の120時間LC50 = 2420 mg/L(AQUIRE, 2011)から区分外とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 急性毒性区分外であり、難水溶性ではない(水溶解度:11100 mg/L(PHYSPROP Database, 2011))ことから区分外とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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