名称:2-ターシャリ-ブチルヒドロキノン
CAS番号:1948-33-0
物質ID: | 22A4087 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成22年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性・自己反応性に関連する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点457℃(GESTIS(Access on august 2010))であり、常温では発火しないと考える。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 融点140℃以下の固体に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素または塩素を含んでいなく、酸素原子を含む有機化合物であるがこの元素は炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLD50の報告が4件(955、890、756、802 mg/kg bw)あり、いずれも区分4の範囲内にある(JECFA WHO FOOD SDDITIVES SERIES 40(1998))ことより区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足。ラット LCLo = 2900 mg/m3(RTECS(2009):元文献 Acute Toxicity Data. Journal of the American College of Toxicology, Part B, 1, 753, 1992)であるが、区分を特定できないので分類できない。なお、毒性値(LCLo = 2.9 mg/L)が飽和蒸気圧濃度(0.3 mg/L)より高いので粉塵の区分基準値を適用した。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。なお、本物質を含む口紅でばく露を受けた被験者271人中、唯1人だけ0.14%の製品のばく露で非特異的な刺激を示唆する強い紅斑を示した(NTP TR459(1997))との報告がある。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
抗酸化剤である本物質は口紅や染毛剤などの化粧品、または切削油に使用され、感作物質としての報告は稀であるが、ブチルヒドロキシアニソールに対する交差反応の記述があり、感作物質として掲載されている(Contact Dermatitis(4th, 2006))ことから、区分1とした。なお、顔面に皮膚炎のある患者のパッチテストにおいて、1096人中5人が化粧品中の本物質にアレルギー反応を示したとの報告(NTP TR 459(1997))、また、15年間にわたり皮膚炎を有する75歳の女性に本物質に対するアレルギー反応が見出されたとの報告(NTP TR 459(1997))がある。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | マウスに腹腔内または経口投与による骨髄を用いた小核試験および染色体異常試験(体細胞in vivo変異原性試験)における陰性結果(NTB DB(Access on Aug. 2010)、JECFA WHO FOOD SDDITIVES SERIES 40(1998))に基づき区分外とした。なお、マウスに腹腔内または経口投与による骨髄を用いた別の小核試験および染色体異常試験では陽性結果(JECFA WHO FOOD SDDITIVES SERIES 40(1998))も報告されているが、サンプリング時間が不適切なこと、染色体異常にギャップが含まれていることなどデータに対する問題点の指摘(NTB DB(Access on Aug. 2010)、JECFA WHO FOOD SDDITIVES SERIES 40(1998)))もあり、分類の根拠としなかった。また、ラットを用いた優性致死試験(生殖細胞in vivo経世代変異原性試験)で陰性、マウスの骨髄を用いた姉妹染色分体交換試験(体細胞in vivo遺伝毒性試験)で陰性(NTB DB(Access on Aug. 2010))、in vitro試験としてはエームス試験で陰性(NTB DB(Access on Aug. 2010))、染色体異常試験で陽性(NTB DB(Access on Aug. 2010))、CHO細胞を用いたHGPRT試験で陰性、マウスリンフォーマ試験で陽性(JECFA WHO FOOD SDDITIVES SERIES 40(1998))がそれぞれ報告されている。 |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | ラットに123〜129週間、およびマウスに104〜105週間混餌投与した試験において、高用量群では動物の体重は対照群に比べ低く、両動物種とも試験物質ばく露に帰する腫瘍発生率の増加はなく、むしろラットでは乳腺腫瘍の発生率が有意な減少が見られた(NTP TR 459(1997))。以上の結果により、雌雄ラットおよび雌雄マウスに2年以上経口ばく露した試験で発がん性の証拠は得られなかったと結論されている(NTP TR 459(1997))ことに基づき区分外とした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分外 | - | - | - | - | ラットに混餌投与による二世代試験の各世代で体重および摂餌量の低下が見られたが、交配、受胎、妊娠の指標、平均同腹仔数または平均出生仔数に影響がなく、離乳までの仔の生存率も対照群と変わらなかった(JECFA WHO FOOD SDDITIVES SERIES 40(1998))。また、妊娠ラットの器官形成期に混餌投与した試験では、黄体数、着床数、生存胎仔数、吸収胚数、死亡率は投与群と対照群と比べ差がなく、骨格変異の有意な増加のみが見られたが、催奇形性を有しないと結論されている(JECFA WHO FOOD SDDITIVES SERIES 40(1998))。以上の結果から、本物質は性機能および生殖能に対する悪影響、および子の発生に対する悪影響のいずれも示されなかったことから、区分外とした。なお、ラットに混餌投与した三世代試験で、出生後離乳までの間の同腹仔の死亡率がF1aおよびF2aで増加したが、F1bおよびF2bではその影響が見られなかった(JECFA WHO FOOD SDDITIVES SERIES 40(1998))ことから、一貫性のあるデータではないと判断され分類の根拠としなかった。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットに経口投与直後に運動失調が現れたが、2-3時間で回復した(JECFA WHO FOOD SDDITIVES SERIES 40(1998))との結果があるが、それ以上の記載はなくデータ不足により「分類できない」とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットおよびマウスを用いた13週間混餌投与試験において、ラットで5000 ppm(400 mg/kg/day)以上で体重および摂餌量の低下、鼻腔上皮の過形成の発生増加が認められたが、2500 ppm(200 mg/kg/day)では被毛の変色を除き試験物質投与の影響は報告されていない(NTP TR 459(1997))。また、マウスでは10000 ppm(1950〜2200 mg/kg/day)以上で体重および摂餌量の低下、前胃粘膜の過形成および鼻腔の炎症の発生増加が認められたが、5000 ppm(880〜1100 mg/kg/day)では試験物質投与の影響は報告されていない(NTP TR 459(1997))。以上の結果から、ラットおよびマウスともガイダンス値範囲区分2の上限を超える用量で試験物質による悪影響を示さなかったことから、経口経路では区分外に相当するが、他経路についてはデータがなく影響が不明なため、特定標的臓器毒性(反復暴露)の分類として「分類できない」とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
魚類(ブルーギル)での48時間 LC50 = 0.15 mg/L(AQUIRE, 2011)であることから、区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分1であり、急速分解性がない(BIOWIN)ことから区分1とした。 | |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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