名称:メタクリルアミド
CAS番号:79-39-0
物質ID: | 22A4076 |
分類実施者: | 厚生労働省、環境省 |
分類実施年度: | 平成22年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 分子内に自己反応性に関わる原子団(不飽和結合)を含むがデータがなく分類できない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 自然発火性なし[product zeigt keine selbstentzundung](IUCLID(2000))という情報により区分外とした。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 融点140℃以下の固体に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
対象とした7件のラットLD50値(1789 mg/kg、1774 mg/kg(以上厚労省報告(Access on July 2010))、459 mg/kg(環境省リスク評価 第7巻(2009))、1938 mg/kg、1653 mg/kg、1580-1950 mg/kg、1750 mg/kg(以上SIDS(Access on July 2010)))の全てが区分4に該当する。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足。なお、ラットのLDLo値として>1600 mg/kg(SIDS(Access on July 2010))が得られているが、区分を特定できないので「分類できない」とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | ラットを飽和蒸気圧濃度で8時間ばく露により毒性影響は見られなかったとの報告(SIDS(Access on July 2010))があるが、データ不足で分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | OECD TG 404およびGLPに準拠した2つの試験データがあり、最初の試験は、ウサギでパッチ除去後3匹全例に軽微な紅斑を認めたが24時間後には回復、皮膚一次刺激指数は0で刺激性なし(not irritating)の評価(SIDS(Access on July 2010))であった。また、2番目の試験ではウサギ3匹にパッチ除去後軽微〜明確な紅斑、3匹中1匹に軽微な浮腫を認めたが7日までには回復し、皮膚刺激指数は1.11で軽度の刺激性(slightly irritating)の評価(SIDS(Access on July 2010))であった。以上の2つの試験結果に基づき区分外とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | - | 警告 | H320: 眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 |
ウサギの眼に試験物質0.1 gを適用した試験(OECD TG 405; GLP)で3匹中3匹にグレード1の角膜混濁、1匹にグレード1の虹彩炎、3匹にグレード2の結膜発赤と結膜浮腫を認めたが7日後には完全に回復、一次刺激スコアは3.83/13で中等度の刺激性(moderately irritating)との結果(SIDS(Access on July 2010))に基づき、区分2Bとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | モルモットの皮膚感作性試験について2件のデータがあり、一方が感作性あり(slightly sensitizing)で他方が感作性なし(not sensitizing)と相反する結果(SIDS(Access on July 2010))である。また、ヒトで当該物質の1%溶液と接触した患者5人中2人が陽性反応を示したが、反応が刺激性に因るものか感作性に因るものか区別されていないと述べられている(SIDS(Access on July 2010))。当該物質の皮膚感作性について結論できるデータがないことから「分類できない」できないとした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | マウスに飲水投与による優性致死試験(生殖細胞in vivo経世代変異原性試験)において、早期胚死亡および着床後死亡を認めず陰性の結果(SIDS(Access on July 2010))に基づき区分外とした。なお、in vitro試験としては、エームス試験(OECD TG 471; GLP)およびCHL/IU細胞を用いた染色体異常試験(OECD TG 473; GLP)でいずれも陰性(厚労省報告(Access on July 2010))が報告されている。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
妊娠マウスの器官形成期に経口投与した試験において、母動物が体重増加抑制を示した用量で着床後胚死亡の増加が認められ(SIDS(Access on July 2010))、また、マウスの妊娠11〜15日に腹腔内投与した試験においても母動物が体重増加抑制を示した用量で吸収胚の増加と流産の増加が認められた(SIDS(Access on July 2010))ことから、区分2とした。なお、以上の試験では投与に起因する形態異常の発生は見られず、また、ラットの一世代またはマウスの二世代にわたり経口投与した試験において、性機能および生殖能に対する影響は認められていない(厚労省報告(Access on July 2010)、SIDS(Access on July 2010))。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(神経系) | 警告 | H371: 臓器の障害のおそれ(神経系) |
P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットの単回経口投与毒性試験において、1512 mg/kg以上の投与群で、よろめき歩行、振戦、流涎、座位などの症状とともに、病理組織学検査で雌雄生存例に中枢の神経細胞に変性・壊死、末梢の神経線維に変性が認められた(厚労省報告(Access on July 2010))ことから区分2(神経系)とした。なお、ラットに経口投与による別の試験では1000 mg/kg以上で鎮静、立毛、2000 mg/kg以上で運動失調、腹臥位、傾眠などの症状が報告されている(SIDS(Access on July 2010))。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(神経系) | 警告 | H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(神経系) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた28日間反復経口投与試験において、300 mg/kg/day(90日換算:93.3 mg/kg/day)で神経症状を呈し、病理組織学的には坐骨神経の神経線維の変性および小脳脚における軸索膨化が認められ、この神経毒性は14日間の回復期間終了後に回復性は認められなかった(厚労省報告(Access on July 2010))。また、ラットまたはマウスに12ヵ月間飲水投与した試験で、両動物種とも800 ppm(19.5 mg/kg/day)以上でロータロッド能力の低下、ラットで1200 ppm(31.6 mg/kg/day)およびマウスで800 ppm(120 mg/kg/day)以上で末梢神経障害、ラットで1200 ppm(31.6 mg/kg/day)およびマウスで400 ppm(49.6 mg/kg/day)以上で後肢麻痺がそれぞれ認められ、病理組織学的検査では坐骨神経の有髄線維の縮小と喪失が両動物種とも800 ppm(19.5〜120 mg/kg/day)以上で観察されている(SIDS(Access on July 2010))。以上より、複数の試験において神経毒性の発現がガイダンス値範囲区分2に相当する用量で認められていることから、区分2(神経系)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分外 | - | - | - | - | 魚類 (メダカ) の96時間LC50 > 100 mg/L、甲殻類 (オオミジンコ) の48時間EC50 > 1000 mg/L、藻類 (セレナストラム) の72時間EC50 > 1000 mg/L (いずれも環境庁生態影響試験, 1999) から、区分外とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 難水溶性でなく(水溶解度 = 213 g/L(PHYSPROP Database, 2011))、急性毒性区分外であることから、区分外とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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