名称:アセト酢酸エチル
CAS番号:141-97-9
物質ID: | 22A4065 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成22年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分4 | - | 警告 | H227: 可燃性液体 |
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
引火点65℃ [密閉式](Ullmanns(E)(6th, 2003))は>60℃かつ≦93℃であることから、区分4に該当する。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性・自己反応性に関連する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点は280℃であり(ホンメル(1996))、常温で発火しないと考えられる。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素およびハロゲンを含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLD50値;3980 mg/kg bw、12300 mg/kg bw(雄)および10800 mg/kg bw(雌)(いずれもEU-RAR 13(2002))に基づき、分類JISによる分類基準の区分外(国連GHSによる分類基準の区分5または区分外に相当)とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ウサギLD50値;>10,300 mg/kg bw(EU-RAR 13(2002))に基づき、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | ラットの飽和蒸気圧濃度(5.46 mg/L/8h = 7.72 mg/L/4h)で死亡なしと報告されている(EU-RAR 13(2002))が、この結果からでは区分を特定できないので分類できない。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLC50値;>8.99 mg/L/4時間(IUCLID(2000))に基づき、分類JISによる分類基準の区分外(国連GHSによる分類基準の区分5)とした。なお、ばく露濃度(5.995 mg/L/8時間)は飽和蒸気圧濃度(5.46mg/L)を超えるのでミストとみなした。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギの皮膚に試験物質0.5 mLを4時間適用した試験(OECD TG 404; GLP)で刺激性なし(not irritating)との結果(EU-RAR 13(2002)、IUCLID(2000))に基づき、区分外とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | - | 警告 | H320: 眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 |
ウサギに試験物質0.1 mLを適用した試験(OECD TG 405; GLP)で角膜には影響なく、結膜に中等度の刺激性と虹彩に軽度の刺激性が認められたが2〜3日後に回復し、軽度の刺激性(slightly irritating)との結果(EU-RAR 13(2002)、IUCLID(2000))に基づき、区分2Bとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | 26人のボランティアによる皮膚感作性試験(maximization test)において惹起処理後に陽性反応は認められず(EU-RAR 13(2002))、また、モルモットを用いた皮膚感作性試験(maximization test)において感作性を示さなかった(IUCLID(2000))と報告されている。しかし、前者のヒトの試験では得られた情報は試験の摘要のみで、評価書中の結論にもヒトで確かなデータは得られていない(EU-RAR 13(2002))との記載があり、一方、後者のモルモットの試験はList 2のデータである。したがって、ヒトおよび動物の情報とも不十分なため「分類できない」とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | in vivoの試験データがないので分類できない。なお、in vitroではエームステストで陰性(JECFA 974(2000)、(EU-RAR 13(2002))、チャイニーズハムスターの肺細胞(CHL)ならびにV79細胞を用いた染色体異常試験でいずれも陰性(EU-RAR 13(2002))が報告されている。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | ラットを用いた経口投与による生殖発生毒性スクリーニング試験(OECD TG 421: GLP)において、性機能および生殖能に対する悪影響の報告はされていないが、最高用量1000 mg/kg/dayでは対照群に比べ着床数の減少に関連する出生仔数の僅かな減少、着床後胚損失率の増加、平均出生率と生存出生率の減少が軽度ながら認められたが、毒性学的意義はないと考えられ、かつ、着床前および着床後胚損失率の程度、胎仔の出生指標はいずれも背景データの範囲内におさまるものであり、ばく露に関連する変化ではないと考えられた(EU-RAR 13(2002))。しかし、催奇形性を含む仔の発生に及ぼす影響に関してはデータ不十分なため、「分類できない」とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットの経口投与による所見として、10000 mg/kg以上で随伴性頻呼吸、嗜眠、重度の下痢などの症状と死亡の発生が見られたが、8000 mg/kg bwでは中等度〜重度の下痢、2000-4000 mg/kg bwでは中等度の下痢のみでその他の影響については記載されていない(EU-RAR 13(2002))。したがって、ガイダンス値範囲上限の2000 mg/kgは重大な毒性を生じない用量と考えられるので、経口投与では区分外に相当するが、他経路についてはデータがなく分類できないので、特定標的臓器毒性(単回ばく露)としては「分類できない」とした。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットを用いた4週間反復経口投与試験(OECD TG 407)では最高用量1000 mg/kg/dayで流涎が見られた以外は、体重、摂餌量、眼底検査、血液・生化学検査、臓器重量、剖検および組織学的検査において試験物質の投与に関連する所見は得られず、NOAELは1000 mg/kg/day(90日換算用量:308 mg/kg/day)と報告されている(EU-RAR 13(2002))。また、ラットに28日間混餌投与した試験では最高用量1000 mg/kg/dayで試験物質ばく露の影響が認められたものの毒性学的意義は不明であり、明確に試験物質の有害性を示すものではないと結論され、NOAELは1000 mg/kg/day(90日換算用量:311 mg/kg/day)と報告されている(EU-RAR 13(2002))。以上の両試験ともNOAELがガイダンス値範囲の上限を超えているので、経口経路では区分外に相当するが、他経路についてはデータがなく分類できないので、特定標的臓器毒性(反復ばく露)としては「分類できない」とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分外 | - | - | - | - | 魚類、甲殻類、藻類での急性毒性試験において、LC50及びEC50が全て100 mg/Lを超えていることから(EU-RAR, 2001)、区分外とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 急性毒性区分外であり、難水溶性ではない(水容溶解度 = 110 g/L(PHYSPROP Database, 2011))ことから、区分外とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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