名称:7-メチル-3-メチレン-1,6-オクタジエン
CAS番号:123-35-3
物質ID: | 22A4041 |
分類実施者: | 厚生労働省、環境省 |
分類実施年度: | 平成22年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分3 | 警告 | H226: 引火性液体及び蒸気 |
P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P233: 容器を密閉しておくこと。 P240: 容器を接地すること/アースをとること。 P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。 P242: 火花を発生させない工具を使用すること。 P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
引火点ca.32℃ [密閉式](IUCLID(2000))は ≧ 23℃ かつ ≦60℃ であることから、区分3に該当する。 | |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 分子内に自己反応性に関連する原子団(不飽和結合)を含むがデータがなく分類できない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素、フッ素または塩素を含まない有機化合物である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLD50値:>5000 mg/kg bw(JECFA WHO FOOD ADDITIVES SEREIS 54(2006))に基づき区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLD50値;>5000 mg/kg bw(IUCLID(2000))に基づき区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
ヒトで本物質のばく露が皮膚炎を起こすとの記述(NTP TR557(2009))に加え、本物質原液をウサギの皮膚に24時間適用して中等度の刺激性(moderately irritating)の結果(IUCLID(2000))が得られていることから区分2とした。なお、ヒトに本物質の4%ワセリンを48時間閉塞貼付したとき刺激性は無かった(IUCLID(2000))との報告もある。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | ヒトで本物質のばく露が結膜炎を起こす(NTP TR557(2009))とあるが、それ以上の記述はなくデータ不足のため「分類できない」とした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足。ヒトでばく露が喘息様症状を起こす(NTP TR557(2009))との記載、および28歳のビール工場検査員がホップに含まれる本物質に呼吸器過敏反応を示した(HSDB(2003))との報告があるが、1例のみ事例であり、また、List 1の評価文書で陽性と結論付けられてはいないので「分類できない」とした。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | 25人のボランティアに試験物質4%含むワセリンを適用した皮膚感作性試験(maximization test)の結果、いずれのヒトにも皮膚感作性反応は見られなかった(IUCLID(2000))との記載があるが、List2の情報であることから「分類できない」とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | ラットに単回経口投与後の骨髄を用いた染色体異常試験(体細胞in vivo変異原性試験)およびマウスに90日間経口投与後の末梢血赤血球を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)において、いずれも陰性の結果(JECFA WHO FOOD ADDITIVES SEREIS 54(2006))に基づき区分外とした。なお、in vitro試験としてエームス試験(NTP TR557(2009))、ヒトリンパ球を用いた染色体異常試験(JECFA WHO FOOD ADDITIVES SEREIS 54(2006))およびチャイニーズハムスターV79細胞を用いた遺伝子突然変異試験(JECFA WHO FOOD ADDITIVES SEREIS 54(2006))で陰性結果が報告されている。 |
6 | 発がん性 | 区分2 | 警告 | H351: 発がんのおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットおよびマウスに2年間経口投与した試験において、ラット雄で腎尿細管腫瘍の発生頻度の有意な増加、マウスの特に雄で肝臓腫瘍の発生頻度の有意な増加が見られ、ラットおよびマウスとも雄では発がん性の明らかな証拠があると結論されている(NTP TR557(2009))ことから区分2とした。 | |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットに交配前からの経口投与による一世代生殖試験において、交配および妊娠の指標に影響はなかったが、親動物で一般毒性(肝臓および腎臓の重量増加)が発現した用量で吸収胚の有意な増加とそれに伴う生存胎仔数の減少、骨格奇形を有する胎仔数の有意な増加が観察された(JECFA WHO FOOD ADDITIVES SEREIS 54(2006))。また妊娠ラットの器官形成期に経口投与による発生毒性試験において、母動物が体重増加抑制を示した用量で着床数と生存胎仔数の減少、骨化遅延と骨格奇形を有する胎仔数の増加が認められた(JECFA WHO FOOD ADDITIVES SEREIS 54(2006))。さらに、ラットの妊娠15日目から出生後21日まで経口投与した周産期授乳期投与試験において、母動物が体重低下など一般毒性を示した用量で死産数の増加と、特に授乳1週目の出生後死亡が増加した(JECFA WHO FOOD ADDITIVES SEREIS 54(2006))。以上の結果に基づき区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットおよびマウスを用い、14週間経口投与試験(0, 0.25, 0.5, 1, 2, or 4 g/kg bw/day)に次いで2年間経口投与試験(0, 0.25, 0.5, 1 g/kg bw/day)の結果が得られている。各試験とも高用量での死亡発生に加え、投与群では肝臓および腎臓に対する影響を始め種ーの影響が報告されている(NTP TR557(2009))。その中でも低用量まで及ぶ影響として、14週間経口投与試験においてラットで腎尿細管壊死の発生率の有意な増加が雌雄全投与群で認められ、2年間経口投与試験においてはラットでネフローゼ(腎尿細管上皮の変性)の発生率の顕著な増加が雌雄全投与群で認められた。しかし、各試験とも用量が全てガイダンス値を超えており、ガイダンス値範囲上限における影響が不明のため「分類できない」とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類 (オオミジンコ) の48時間EC50 = 0.45 mg/L (環境庁生態影響試験, 1998) から区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分1であり、生物濃縮性が疑われる(LogPow = 4.17(PHYSPROP Database, 2011))ことから、区分1とした。 | |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |
使用マニュアル |
|
解説・用語集(エクセルファイル) |
|
厚生労働省モデルラベル |
職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS |
職場のあんぜんサイトへ |