名称:4-ノニルフェノール(分枝)
CAS番号:84852-15-3
物質ID: | 22A4030 |
分類実施者: | 厚生労働省、環境省 |
分類実施年度: | 平成22年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 引火点155℃(密閉式)(IUCLID(2000))は93℃超えである。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性・自己反応性に関連する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点は約370℃(主としてp-を含む工業品)(ホンメル(1996))であり、常温では発火しないと考えられる。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素を含む有機化合物であるがこの酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。なお、ステンレス鋼は容器として耐久性がある(ホンメル(1996))。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットのLD50値として、List 1に記載のデータ 580 mg/kg(環境省リスク評価 第2巻(2003))、List 2であるがテストガイドライン(OECD TG 401 または USA IRLG Guideline)に従って実施された3試験のデータ(1900 mg/kg, 1882 mg/kg, 1246 mg/kg)(IUCLID(2000))がいずれも区分4に該当することから、区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ウサギのLD50値 2037 mg/kg(環境省リスク評価 第2巻(2003))に基づき、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5)とした。なお、ウサギのLD50値として >2000 mg/kg(IUCLID(2000))のデータもある。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 | 危険 | H314: 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 |
P301+P330+P331: 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ウサギに0.5 mLを閉塞適用した試験(OECD TG 404)において、3分間のばく露で軽度から中等度の紅斑及び水腫、4時間で中等度の紅斑及び強度の水腫を示し、次いで外表面の壊死、全層壊死、亀裂、皮膚の落屑、潰瘍形成、脱毛、かさぶた、瘢痕化がみられ、皮膚に不可逆的な損傷が現れた(NITE初期リスク評価書(2005))ことから区分1とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2 | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ウサギに0.1 mLまたは100 mgを適用した試験でそれぞれ中等度または強度の刺激性(NITE初期リスク評価書(2005))との結果、さらにウサギを用いた別の試験(OECD TG 405)の結果は刺激性あり(irritating)で刺激性スコアは38.42/110であった(IUCLID(2000))ことから、区分2とした。なお、皮膚腐食性/刺激性については区分1に分類されている。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | EU-RAR 10(2002)には、モルモットのマキシマイゼション試験の報告が3件あり、2件が感作性なしで、1件が確実な結論が出せず、さらに上記の試験法に欠陥がある試験があるとしている。NITE初期リスク評価書 Ver.1.0, No.1(2005)では、5件の試験が記載されており、試験法に欠陥がある試験以外は感作性なしとしている。いずれも明確な結論が述べられていないことから分類できないとした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | マウスの骨髄細胞を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)において、腹腔内と経口の両経路ともに陰性結果(EU-RAR(2002))が得られていることに基づき区分外とした。なお、in vitro試験として、エームス試験およびCHL細胞を用いた染色体異常試験でいずれも陰性(NITE初期リスク評価書(2005))、また、チャイニーズハムスターのV79細胞を用いたHPRT試験(OECD TG 476)で陰性(EU-RAR(2002))が報告されている。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットの二世代にわたり経口投与した生殖毒性試験において、一般毒性として親動物に肝臓や腎臓の重量増加が認められた用量(50 mg/kg/day)で、着床数および生存仔数の減少等の生殖指標への影響が示された(環境省リスク評価 第2巻(2003))ことから区分2とした。なお、ラットの三世代にわたり経口投与した試験(三世代生殖毒性試験)では、性機能および生殖能、同腹仔の指標に関しては投与の影響は認められなかったが、性周期の延長、膣開口日の早期化、精巣における精子細胞数の減少等が報告されている(NTP TR(1997))。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分3(麻酔作用、気道刺激性) | 警告 |
H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用、気道刺激性) H335: 呼吸器への刺激のおそれ(麻酔作用、気道刺激性) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットに経口投与後の症状として、鎮静、運動失調、嗜眠の記載(NITE初期リスク評価書(2005)、EU-RAR(2002))に基づき区分3(麻酔作用)とした。また、飽和蒸気へのばく露で、マウスの呼吸器への刺激性が報告されているEU-RAR(2002))ことに基づき区分3(気道刺激性)とした。なお、死亡動物の剖検で認められた胃腸の炎症(NITE初期リスク評価書(2005))、胃粘膜の糜爛(EU-RAR(2002))は、腐食性/刺激性物質による局所影響として分類の根拠としなかった。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(肝臓、腎臓) | 警告 | H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(肝臓、腎臓) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットの28日間反復経口投与試験おいて、250 mg/kg/day(90日換算:77.8 mg/kg/day)で雌雄共に小葉中心性の肝細胞肥大、腎臓の近位尿細管の好塩基性化、集合管の好塩基性化と拡張、膀胱の移行上皮の過形成、さらに雌では腎臓の散在性白色点、腫大、近位尿細管上皮細胞の壊死、間質の炎症細胞浸潤、尿円柱、腎盂粘膜の過形成及び腎盂拡張がみられた(NITE初期リスク評価書(2005))。また、ラットの90日間混餌投与試験では唯一組織学的に注目すべき変化が腎臓と肝臓で見られたとの記述があり、2000 ppm(140 mg/kg/day)群の一部の動物で肝酵素(AST、ALT)の著しい上昇を伴い、軽度または中等度の肝細胞壊死が報告されている(EU-RAR(2002))。ラットの三世代にわたり混餌投与した試験(3世代生殖毒性試験)では、15 mg/kg/day以上の全世代の雄および三世代目の雌、160 mg/kg/day群の一世代目の雌、二世代目の雌で尿細管の変性または肥大を認めたと報告されている(環境省リスク評価 第2巻(2003))。以上の結果によれば、肝臓および腎臓に対する影響が病理組織学的変化としてガイダンス値区分2相当またはそれ以上の用量で現れていることから、区分2(肝臓、腎臓)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
藻類 (Skeletonema costatum) の96時間EC50 = 0.027 mg/L (EU-RAR, 2002) から区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分1であり、急速分解性がない(EU-RAR, 2002)ことから、区分1とした。 | |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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