名称:2-ブチン-1,4-ジオール
CAS番号:110-65-6
物質ID: | 22A4026 |
分類実施者: | 厚生労働省、環境省 |
分類実施年度: | 平成22年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 区分外 | - | - | - | - | 不飽和のC-C結合を含むが、UNRTDG(UN2716)Class6.1PGIIIに分類されている。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | 可燃性(ICSC(J)(2008))という情報があるが、データがなく分類できない。 |
8 | 自己反応性化学品 | タイプG | - | - | - | - | 分子内に自己反応性の原子団(不飽和のC-C結合)を含むが、UNRTDG(UN2716)Class6.1PGIIIに分類されているので、タイプGと判断される。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点は335 ℃であり(Ullmanns(E)(6th, 2003))、常温では発火しないと考えられる。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 融点140℃以下の固体に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素を含んでいる有機化合物であるが、炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分3 | 危険 | H301: 飲み込むと有毒 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLD50値は雄132mg/kg bw、雌176 mg/kg bw(EU RAR54(2005))であるとの報告に基づき、区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分3 | 危険 | H311: 皮膚に接触すると有毒 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P361: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLD50値として3件(424 mg/kg bw, 983 mg/kg bw, 1240 mg/kg bw)(EU RAR54(2005))のデータのうち、2件が区分3、1件が区分4に該当するため、区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分3 | 危険 | H331: 吸入すると有毒 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P311: 医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 |
ラットLC50値は0.69 mg/L/4h(EU RAR54(2005))であるとの報告に基づき、区分3とした。なお、試験物質について液体エアロゾルと記述されているので粉塵/ミストの基準値を適用した。 | |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 | 危険 | H314: 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 |
P301+P330+P331: 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ウサギの皮膚に試験物質0.5 gを4時間適用した試験(OECD TG404)において、6匹全例に24時間以内に重度の紅斑と浮腫、6日以内に壊死が認められた(EU RAR54(2005))との報告から、区分1とした。なお、EU分類ではR34(EU-Annex 1(Access on May. 2010))である。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | 危険 | H318: 重篤な眼の損傷 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 |
ウサギの眼に100 mgを適用した試験(OECD TG405)において、6匹全例が虹彩、角膜および結膜に中等度の刺激性を示し、1匹に不可逆的な角膜混濁が観察された(EU RAR54(2005))との報告から区分1とした。なお、本物質は皮膚に対しても腐食性を示す結果(EU RAR54(2005))が得られている。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
職業ばく露などにより皮膚炎を発症し、パッチテストで当該物質に陽性反応を示し、当該物質が原因物質であることを示す複数の事例(EU RAR54(2005))が報告され、EU分類ではR43(EU-Annex 1(Access on May. 2010))であることから、区分1とした。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | マウスに腹腔内投与による骨髄細胞を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)において、陰性の結果(EU RAR54(2005))に基づき区分外とした。なお、in vitro試験としては、Ames試験では陰性(NTP DB(Accessed on May 2010))、V79細胞を用いた染色体異常試験では曖昧な結果(EU RAR54(2005))が得られている。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 区分外 | - | - | - | - | 雌雄ラットに交配前から妊娠期間を経て授乳期間終了まで飲水投与した一世代生殖試験(OECD TG 415)において、親動物に一般毒性が現れた用量でF1動物が成長遅延(性成熟遅延に伴う出生後体重増加抑制)の徴候を示したが、生殖能力に悪影響は見出されず、雌雄の生殖器官、雄の精液の指標、雌の性周期にも悪影響の徴候は示されなかった(EU RAR54(2005))。また、妊娠ラットの器官形成期に経口投与した発生毒性試験(OECD TG 414)においても、妊娠の指標、胎児の生存率、形態学的外形に試験物質投与の影響は見られず、胚毒性、胎児毒性および催奇形性も認められなかった(EU RAR54(2005))。以上より、OECDガイドラインに準拠した試験において、性機能・生殖能および子の発生のいずれに対しても悪影響の証拠が得られていないことから区分外とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(全身毒性) | 危険 | H370: 臓器の障害(全身毒性) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットに経口投与後の主な症状として、鈍痲、平衡障害、痙攣、振戦などが報告されている(EU RAR54(2005))一方で、現在得られているデータによれば本物質が神経系に影響を与える懸念はないと記述されている(EU RAR54(2005))。また、ラットに5000 mg/kgを経皮投与により、剖検で肝臓および腎臓の変化として、重度の充血および壊死を含む変性が見られたと報告されている(EU RAR54(2005))が、ガイダンス値範囲の上限を超えた高用量での所見である。その他に吸入および経皮投与では呼吸への影響の記載(EU RAR54(2005))もある。以上より、標的臓器の特定が困難であり、LD50値またはLC50値がガイダンス値範囲の区分1に相当しているので、区分1(全身毒性)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(造血系、肝臓)、区分2(腎臓) |
危険 警告 |
H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(腎臓) H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(造血系、肝臓) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた28日間経口投与試験において、10 mg/kg/day(90日換算用量:3.1 mg/kg/day(区分1相当))以上で貧血を示唆する赤血球指標の有意な減少、脾臓の赤脾髄における単核細胞浸潤と多数の巨核球が観察された(EU RAR54(2005))。また、顕微鏡検査により、10 mg/kg/day(90日換算用量:3.1 mg/kg/day(区分1相当))以上で肝臓の病変が見出され、実質細胞の肥大、多形核肝細胞の増加、実質細胞の大核とクロマチンの辺縁化などが報告されている(EU RAR54(2005))。さらに死亡例の病理組織学的所見では、50 mg/kg/day(90日換算用量:15.6 mg/kg/day(区分2相当))群の腎臓で腎尿細管の変性と間質性単核細胞浸潤が記載されている(EU RAR54(2005))。以上より、主な毒性は造血系、肝臓および腎臓に見られ、発現用量によりからガイダンス値を参照し、区分1(造血系、肝臓)、区分2(腎臓)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分3 | - | - | H402: 水生生物に有害 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)での48時間EC50 = 26.8 mg/L(EU-RAR, 2005)であることから、区分3とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 急性毒性区分3であるが、急速分解性があり (OECD301におけるDOCによる分解度:100%) (EU-RAR, 2005)、かつ生物蓄積性が低いと推定される (log Kow = -0.93 (PHYSPROP Database, 2009)) ことから、区分外とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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