名称:過ホウ酸ナトリウム一水和物
CAS番号:10332-33-9
物質ID: | 22A4018 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成22年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H22.7版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 区分外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性原子団(隣接した酸素原子)を含むが、UNRTDG(UN3377)クラス 5.1PG III に分類されている。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | 常温で固体(IMDG(2008))である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | 常温で固体(IMDG(2008))である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | 常温で固体(IMDG(2008))である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 常温で固体(IMDG(2008))である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(not combustible)(ICSC(2004)との記載がある。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性原子団(隣接した酸素原子)を含むが、酸化性に区分されているので分類対象外とした。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 常温で固体(IMDG(2008))である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(not combustible)(ICSC(2004)との記載がある。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(not combustible)(ICSC(2004)との記載がある。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 分子内に半金属(B)を含むが、水溶解度が15g/L(20℃)(EHC 204(1998))というデータが得られており、水と急激な反応はないと考えられる。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 常温で固体(IMDG(2008))である。 |
14 | 酸化性固体 | 区分3 | 警告 | H272: 火災助長のおそれ:酸化性物質 |
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P220: 衣類/.../可燃物から遠ざけること。 P221: 可燃物と混合を回避するために予防策をとること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
UNRTDG(UN3377)クラス 5.1PG III に分類されている。 | |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 無機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
3件のラットLD50値(1120, 1600-2100, 3250-3500 mg/kg)(PATTY(5th, 2001))が対象となり、1件が区分4、1件が区分4または区分外、残りの1件が区分外に該当するので、危険性の高い区分として区分4を採用した。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLD50値 >2000 mg/kg(PATTY(5th, 2001))に基づき、分類JISによる基準の区分外(国連GHSによる基準の区分5または区分外)とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | 常温で固体(IMDG(2008))である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分3 | 危険 | H331: 吸入すると有毒 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P311: 医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 |
ラットLC50値は四水和物として1164 mg/m3/4h(HERA(2002))であり、分子量に基づき換算した一水和物のLD50値:755 mg/m3/4h(0.755 mg/L/4h)により区分3とした。なお、粒径についての情報が記載されているので、試験条件は粉塵と判断した。 | |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギを用いたドレイズ試験で刺激性なし(non irritant)の結果(PATTY(5th, 2001))、およびウサギを用いた別の試験(OECD TG)で軽度の刺激性(slightly irritating)の結果(PATTY(5th, 2001))に基づき、分類JISによる基準の区分外(国連GHSによる基準の区分3または区分外)とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | 危険 | H318: 重篤な眼の損傷 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 |
ウサギを用いた試験において重度の刺激性(sever irritating)の記述(PATTY(5th, 2001))、およびウサギを用いた試験において3匹中1匹に重度の刺激性(角膜混濁、虹彩炎、結膜発赤および結膜浮腫)が認められ、21日の観察期間内に完全に回復しなかったとの結果(HERA(2002))に基づき区分1とした。なお、EU分類はXi; R41(EU-Annex 1(Access on May. 2010))である。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | モルモットを用いたビューラー法による皮膚感作性試験で、投与群および対照群とも10匹中1匹に僅かな紅斑を認めた(投与群および対照群とも陽性率10%)ものの当該物質に皮膚感作性見られず、結論として適切な動物試験において過ホウ酸ソーダ水和物は皮膚に対する感作性はなかった(HERA(2002))との記述があるが、リスト2の情報であることから分類できないとした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | in vivo のデータがなく分類できない。なお、in vitro試験では、哺乳類培養細胞(CHO-Kl)を用いた染色体異常試験で陽性(HERA(2002))の報告がある。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットの器官形成期に過ホウ酸ソーダ四水和物を経口投与した試験において、母動物が体重増加抑制と摂餌量の低下として明らかな一般毒性を示した用量で、胚吸収の有意な増加、内臓奇形、骨格異常および内臓異常の発生率の有意な増加が報告されている(HERA(2002))。この報告結果に基づき区分2とした。なお、EU分類はCat. 2; R61およびCat. 3; R62である(EU-Annex 1(Access on May. 2010))。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足で分類できない。なお、ラットを用いた急性経口毒性試験において腹部膨満および下痢の症状(PATTY(5th, 2001))に加え、典型的な病理組織学的所見は消化管拡張であった(HERA(2002))と記述され、イヌでは経口投与後に嘔吐を起こしている(PATTY(5th, 2001))。以上の消化器症状は胃における過酸化水素の生成による酸素の遊離に起因し、さらに刺激症状が加わったものと考えられている(PATTY(5th, 2001)、HERA(2002))ことから分類対象としなかった。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットに1000 mg/kg/dayの限界用量を28日間経口投与した試験において唯一の症状は流涎であり、次いで体重増加抑制と摂餌量の低下、臓器絶対重量の減少、剖検での脾臓の小型化、顕微鏡検査では脾臓実質の退縮と関連する変化として白血球数の有意な減少、胃粘膜に対する影響などが報告されている(HERA(2002))。しかし、血液に関連する変化は毒性学的意義が乏しいと考えられ、約1000 mg/kg/dayが全身影響のNOAELとして得られるとの結論(HERA(2002))により、経口経路では区分外に相当するが、他経路についてはデータがなく、または不十分なため本項目の分類は「分類できない」とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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