名称:N‐イソプロピルアミノホスホン酸O‐エチル‐O‐(3‐メチル‐4‐メチルチオフェニル) (別名フェナミホス)
CAS番号:22224-92-6
物質ID: | 21B3082 |
分類実施者: | 厚生労働省、環境省 |
分類実施年度: | 平成21年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関わる原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性・自己反応性に関連する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 融点が140℃以下の固体に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 水溶解度は0.03g/100mL(ICSC(1998))で水に対して安定である。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない | - | - | - | - | フッ素または塩素を含んでいないが、酸素を含みこの元素は炭素・水素以外のリンと結合していて、データがなく分類できないとした。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分2 | 危険 | H300: 飲み込むと生命に危険 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットのLD50値、2.4、6.0、6.1、8.1、9.6、17.2、19.4(mg/kg)(以上、JMPR929(1997))より、区分1が1件、区分2が6件、したがって該当数の多い方の区分2とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分2 | 危険 | H310: 皮膚に接触すると生命に危険 |
P302+P350: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で優しく洗うこと。 P262: 眼、皮膚、衣類につけないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P361: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットのLD50値:72、73、84、92、154、500(mg/kg)(以上、JMPR929(1997))から区分2に該当するデータは5件、区分3は1件であり、該当するデータの多い区分を採用しラットでは区分2となる。一方、ウサギのLD50値:179、225(mg/kg)(以上、JMPR929(1997))の2件のデータがあり区分2と区分3にそれぞれ該当するが、危険性の高い区分を採用するとウサギでも区分2となる。両動物種を比較しても同じ区分に該当することから区分2とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分2 | 危険 | H330: 吸入すると生命に危険 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P284: 呼吸用保護具を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットの4時間ばく露によるLC50値、0.091-0.100 mg/L(JMPR929(1997))に基づき区分2とした。なお、原文にaerosolsと記述されているので、粉塵の基準値を用いて分類した。 | |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギを用いた皮膚刺激性試験において、"minimal irritation"との評価、および24時間ばく露による平均PII(皮膚一次刺激指数)が0.42(JMPR929(1997))であることに基づき、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分3)とした。なお、"not a primary irritant"(JMPR929(1997))、"only slightly irritant"(PATTY(5th, 2001))などの報告もある。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ウサギを用いた眼刺激性試験において、中等度(moderate)の刺激性が認められ経過24時間の最大平均スコア31.3あり、240時間の時点で全て回復した(JMPR929(1997))との記述から、AOI(急性眼刺激指数)の30-80相当と判断し、区分2Aとした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分外 | - | - | - | - | モルモットを用いた皮膚感作性試験(Maximization test)で陽性率22%と30%以下であった(JMPR929(1997))こと、さらにモルモットを用いた別の試験(Maximization test)でも、試験の結果としてフェナミフォスは接触皮膚炎も遅延型アレルギーも起こさなかったと記述されている(PATTY(5th, 2001))ことより、区分外とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | マウスを用いた優性致死試験(生殖細胞invivo経世代変異原性試験)の陰性結果(JMPR300(1974)、PATTY(5th,2001))に基づき区分外とした。なお、invitro変異原性試験として、エームス試験で陰性(NTPDB(Accesson5.2009)、CHO培養細胞を用いた前進突然変異試験で陰性(PATTY(5th2001))、ヒトリンパ球を用いた染色体異常試験で陽性(JMPR 929(1997))、染色体異常試験で陰性(PATTY(5th2001)などの結果が得られている。 |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | ACGIHによりA4に分類されている(ACGIH(2001))ことに基づき区分外とした。なお、ラットに2年間、マウスに20ヶ月間混餌投与による発がん性試験において、発がん性の証拠は見出されなかったと結論されている(PATTY(5th2001))。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた経口投与による2世代試験および3世代試験ともに、生殖能および仔の発生に対する悪影響は認められていない(PATTY(5th, 2001)、JMPR929(1997))。しかし、ウサギの器官形成期に経口投与した試験において、母動物の体重増加抑制など一般毒性が認められる用量で骨格異常(胸骨癒合)の発生増加に加え、胎児死亡と後期吸収が見られたとの記載(ACGIH(2006))に基づき区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(神経系) | 危険 | H370: 臓器の障害(神経系) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットに経口投与により、1.5mg/kgbwの用量で赤血球アセチルコリンエステラーゼ活性の阻害に伴い、筋の収縮、痙攣、協調運動障害、労作呼吸などのコリン作動性症状が報告されている(JMPR929(1997))。ガイダンス値を参照して区分1(神経系)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(神経系) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(神経系) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットおよびイヌに3ヵ月間混餌投与した試験において、それぞれ32ppm(1.6 mg/kg bw)および18ppm(0.45 mg/kg/day)の用量でコリン作動性の症状(筋の攣縮など)が観察され、同時に血漿と赤血球のコリンエステラーゼ活性の顕著な低下が認められている(JMPR929(1997))。有機リン剤に特徴的なコリンエステラーゼ阻害による神経線維受容体の過剰刺激による症状であり、ガイダンス値を考慮に入れ区分1(神経系)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)での48時間EC50=0.0019 mg/L(CERI・NITE有害性評価書, 2008)であることから、区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分1であり、急速分解性がないと推定される(BIOWIN)ことから、区分1とした。 | |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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