名称:1-アリルオキシ-2, 3-エポキシプロパン
CAS番号:106-92-3
物質ID: | 21B3078 |
分類実施者: | 厚生労働省、環境省 |
分類実施年度: | 平成21年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分3 | 警告 | H226: 引火性液体及び蒸気 |
P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P233: 容器を密閉しておくこと。 P240: 容器を接地すること/アースをとること。 P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。 P242: 火花を発生させない工具を使用すること。 P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
引火点48℃(o.c.)(Sax(11th2004))である(23℃以上、60℃以下)ため区分3とした。なお、UNRTDGクラス3 PGIII(UN2219)である。 | |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 分子内に不飽和結合を含む。UNRTDGではクラス3 PGIII(UN2219)であり、上位の危険性である自己反応性ではないので区分外になると判断した。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | UNRTDGではクラス3 PGIII(UN2219)であり、上位の危険性である自然発火性ではないので区分外になると判断した。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットのLD50値が830-1600 mg/kg(PATTY(5th, 2001))、あるいは1600 mg/kg(ACGIH(7th, 2001))より区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ウサギLD50:2550 mg/kg(ACGIH(2001)に基づき、分類JIS基準の区分外(国連GHS分類の区分5に相当)とした。なお、ウサギに500 mg/kgの経皮投与により死亡のデータ(DFGOT 7(1996))があるが、情報源はこのDFGOTの記載のみである。一方、上記分類に用いたACGIHに記載のデータ(2550 mg/kg)は、DFGOTを含めその他多数の評価文書に引用されていることから、証拠としての重みで勝ると判断して分類に用いた。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義による液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分2 | 危険 | H330: 吸入すると生命に危険 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P284: 呼吸用保護具を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
2件のラットLC50値(308ppm/7h=407ppm/4h(PATTY(5th, 2001))、および670ppm/8h=950ppm/4h(ACGIH(2001)))の区分が異なるので、危険性の高い方の区分2とした。なお、試験濃度が飽和蒸気濃度(6200ppm)の90%以下であるため、分類には気体の基準値を適用した。 | |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
ウサギを用いた試験で軽度〜重度の刺激性の結果(PATTY(5th2001))、また別の試験で中等度の刺激性の結果(CERI・NITE有害性評価書No.68(2005))があり、さらにEU分類がXi;R37/38である(EU-Annex 1(access on May. 2009))ことに基づいて区分2とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ウサギを用いた試験で強度の刺激性を示したが、その後障害を残すことなく回復したとの結果(CERI・NITE有害性評価書(2005))、また、ウサギを用いた別の試験では重度であるが可逆性の結膜炎、虹彩炎および角膜混濁の報告(ACGIH(7th, 2001))に基づき区分2Aとした。なお、EU分類はXi;R41(EU-Annex 1(access on May. 2009))である。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
エポキシ化合物を取り扱って皮膚炎を示したヒトに対するパッチテストで、20人中2人が本物質に陽性反応を示した(CERI・NITE有害性評価書(2005))こと、皮膚炎をおこしたガラス封止材の製造作業者がパッチテストで、原料中に不純物として含まれていた本物質に陽性の反応を示した(CERI・NITE有害性評価書(2005))こと、さらに23人の職業性皮膚炎の作業者のうち4人が本物質に感作性反応を示した(PATTY(5th, 2001))ことがそれぞれ報告されている。少なくとも複数の施設におけるパッチテストにより陽性結果が示されていることから区分1とした。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 | 警告 | H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
マウスに腹腔内投与による骨髄細胞を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)における陽性結果(NTP DB(access on May, 2009))に基づき区分2とした。なお、マウスに経皮投与による優性致死試験とマウスに吸入ばく露による小核試験の結果はいずれも陰性(CERI・NITE有害性評価書(2005))、また、in vitro試験ではエームス試験、およびCHO細胞あるいはRL4細胞を用いた染色体異常試験でいずれも陽性(CERI・NITE有害性評価書(2005))が報告されている。 | |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | ラットおよびマウスに2年間吸入ばく露した試験(NTP TR376(1990))では気道上皮由来の腫瘍が観察されているが、NTPは雌ラットでは発がん性の証拠はなく、雄ラットと雌マウスでは発がん性の証拠は曖昧であったとしている。しかし、雄マウスでは、高用量(10ppm)群の動物の鼻道において、3例に気道上皮腺腫、4匹に異形成、7匹に気道上皮基底細胞の限局性過形成が認められたことから、ある程度発がん性の証拠があるとしている。ACGIHが、ラットおよびマウスの2年間吸入試験の結果に基づき、A4に分類しているが(ACGIH(7th, 2001)、EUがカテゴリー3(EU-Annex 1(access on May. 2009))としていることから分類できないとした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用い8週間吸入ばく露後に交配させた生殖毒性試験(CERI・NITE有害性評価書(2005))において、親の動物への一般毒性の発現は不明であるが、ばく露群の雄と同居させた無処置雌の妊娠成立数が用量依存的(30ppm以上)に減少し、雄の授精能力の低下が認められたことから区分2とした。また、雄動物の死亡(2/20)が見られる高濃度群(200ppm)では精子形態異常発現率の増加、雌の妊娠黄体数の減少が見られている。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(中枢神経系、呼吸器、肝臓、腎臓) | 危険 | H370: 臓器の障害(中枢神経系、呼吸器、肝臓、腎臓) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットとマウスの急性経口毒性試験(LD50:ラット830〜1600 mg/kg、マウスに390 mg/kg)において、協調不能、運動失調、運動低下などの症状に次いで努力呼吸と中枢神経系抑制を来たしたとの記述(PATTY(5th.2001))、マウスの吸入毒性試験(蒸気:0.96-3.6m mg/L)の所見にも中枢神経系の抑制が記載(NITE初期リスク評価書(2005))があり、試験濃度から判断し区分1(中枢神経系)とした。また、上記の経口毒性試験では時に肝臓に限局性壊死が見られた(PATTY(5th.2001))こと、また、マウスの急性吸入毒性試験(LC50:270ppm/4h[=1.3 mg/L/4h])では、時に肝臓に限局性の炎症細胞と中等度のうっ血が観察された(PATTY(5th.2001))こと、そして吸入経路の試験濃度がガイダンス値区分1相当しているので区分1(肝臓)とした。マウスの急性吸入毒性試験(LC50:270ppm/4h[=1.3 mg/L/4h])で刺激による肺の炎症反応と肺炎が組織学的に確認された(PATTY(5th.2001))こと、ラットに500ppm/7h(2.334 mg/L/4h)以上の吸入ばく露により肺水腫の所見(NITE初期リスク評価書(2005))があること、また、マウスを用いた別の試験[蒸気:0.96-3.6m mg/L]では呼吸困難など呼吸器に強い刺激症状が認められている(NITE初期リスク評価書(2005))ことなどより、区分1(呼吸器系)とした。またラットの吸入ばく露試験の300ppm/7h(1.8 mg/L/4h)で腎臓のうっ血が認められ(NITE初期リスク評価書(2005))、「急性の経口及び経皮による主な標的臓器は腎臓である」との記述(PATTY(5th.2001))から区分1(腎臓)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(上気道) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(上気道) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットに13週間吸入ばく露(NTP TR376(1990))により、組織学的病変として全ばく露群(4〜200ppm(0.019〜0.95 mg/L))で気道上皮と嗅上皮を含む鼻道の扁平上皮化生が見られ、その程度はばく露濃度に依存し、30ppm(0.14 mg/L)以上では鼻道に糜爛が生じ、上気道にも扁平上皮化生が見られた。マウスでも13週間吸入ばく露(NTP TR376(1990))により10〜30ppm(0.048〜0.14 mg/L)の濃度で気道上皮と嗅上皮を含む鼻道の扁平上皮化生を示し、30ppm(0.14 mg/L)では上皮の糜爛が見られた。さらにラットに400ppm(1.9 mg/L/7時間;90日間、6時間換算値1.12 mg/L)以上を50日間ばく露させた試験(ACGIH(2001))では、気管支肺炎、肺気腫、気管支拡張、肺炎等が報告されているが、ガイダンス値範囲を超えた高濃度における所見である。以上の結果から、反復吸入ばく露による有害影響の発現濃度はガイダンス値範囲区分1に相当し、発生部位が気道上皮と嗅上皮を含む上気道に限られているので、区分1(上気道)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分3 | - | - | H402: 水生生物に有害 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
魚類(キンギョ)での96時間LC50 = 30 mg/L(NITE初期リスク評価書, 2005, 他)であることから、区分3とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分3 | - | - | H412: 長期継続的影響によって水生生物に有害 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分3であり、急速分解性がない(BODによる分解度:37%(既存点検, 1995))ことから、区分3とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |
使用マニュアル |
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解説・用語集(エクセルファイル) |
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厚生労働省モデルSDS |
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