名称:アリルアルコール
CAS番号:107-18-6
物質ID: | 21B3077 |
分類実施者: | 厚生労働省、環境省 |
分類実施年度: | 平成21年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分2 | 危険 | H225: 引火性の高い液体及び蒸気 |
P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P233: 容器を密閉しておくこと。 P240: 容器を接地すること/アースをとること。 P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。 P242: 火花を発生させない工具を使用すること。 P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
引火点は21℃(密閉式)(ICSC(2000))は<23℃、沸点は97.4℃(Lide(88th, 2008))は>35℃より、区分2とした。 | |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 分子内に不飽和結合を含むが、データがなく分類できない。また、UNRTDGではUN.1098、クラス6.1副次危険3PGIであり、クラス4.1に分類されていないが優先順位表からは判断できない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点が378℃(ICSC(2000))で70℃を超えている。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素および塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。なお、金属に対して腐食性なし(HSDB(2000))との情報がある。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分3 | 危険 | H301: 飲み込むと有毒 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLD50値:99?105 mg/kg、70 mg/kg(SIDS(2005))、64 mg/kg(ACGIH(7th, 2001))に基づき区分3とした。なお、EU分類はT;R23/24/25(EU-Annex 1(access on May. 2009))である。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分1 | 危険 | H310: 皮膚に接触すると生命に危険 |
P302+P350: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で優しく洗うこと。 P262: 眼、皮膚、衣類につけないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P361: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ウサギLD50値:89 mg/kg(SIDS(2005))及び45 mg/kg(DFGOT vol15(2001))に基づいて区分1とした。なお、EU分類はT;R24(EU-Annex 1(access on May. 2009))である。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分2 | 危険 | H330: 吸入すると生命に危険 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P284: 呼吸用保護具を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLC50値(4h):127-139ppm(SIDS(2005))、165ppm(PATTY(5th, 2001))、165ppmDFGOT vol15(2001))に基づき、区分2とした。なお、EU分類はT;R23(EU-Annex 1(access on May. 2009))である。また、試験濃度が飽和蒸気圧濃度(34356ppm)の90%より低いので、蒸気とみなして分類にはガスの基準値(ppm)を適用した。 | |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分2 | 警告 | H315: 皮膚刺激 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P332+P313: 皮膚刺激が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P362: 汚染された衣類を脱ぎ、再使用する場合には洗濯をすること。 |
ウサギに原液を24時間閉塞適用し、軽度の刺激性あるいは刺激性なしとの結果(SIDS(2005))が得られているが、ヒトの皮膚を刺激し皮膚に付くと筋肉に影響を与え、局所性痙縮や疼痛を生じることがあるとの記載(環境省リスク評価第3巻(2004))、およびEU分類ではXi;R36/37/38(EU-Annex 1(access on May. 2009))を踏まえ、区分2とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2A | 警告 | H319: 強い眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
ウサギを用いた試験(Directive 84/449/EEC, B.5)で適用後24、48、72時間における評価の平均スコアが、結膜発赤2.89、結膜浮腫1.23、角膜混濁2.09となり、「刺激性あり」(irritating)の結果(SIDS(2005))が得られている。ウサギを用いた別の2試験(1試験はOECD TG405準拠)でもほぼ同程度の刺激性と回復性も認められ、「刺激性あり」と評価されている(SIDS(2005))。また、ヒトの吸入ばく露試験において軽度〜中等度の刺激性(環境省リスク評価第3巻(2004))と報告され、事故例で見られた角膜火傷(環境省リスク評価第3巻(2004))あるいは一時的失明(ACGIH(7th, 2001))は、回復性の症状であったことから、区分2Aとした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分外 | - | - | - | - | モルモットのマキシマイゼーション試験(OECD TG406:Guineapig maximization test)の結果、試験動物はいずれも陽性反応を示さず(陽性率:0/20)、皮膚感作性物質ではないと結論されている(SIDS(2005))ことにより、区分外とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | ラットを用いた経口投与による優性致死試験(生殖細胞in vivo経世代変異原性試験)、ラッに腹腔内投与後の骨髄を用いた小核試験およびマウスに経口投与後の末梢血を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)の各試験で陰性結果(SIDS(2005)、NTP DB(access on May. 2009))が得られており、区分外とした。なお、in vitro試験ではエームズ試験が一部TA100株で陽性結果があるものの概ね陰性(NTP DB(access on May. 2009)、NITE初期リスク評価書(2007))であり、マウスリンフォーマ試験とチャイニーズハムスターV9細胞を用いた遺伝子突然変異試験では陽性(NITE初期リスク評価書(2007))が報告されている。 |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | ACGIHの発がん性評価でA4に分類されている(ACGIH(2001)ことから、区分外とした。なお、ラットに106週間飲水投与後、生涯観察した試験において、発がん性の明瞭な証拠は見出されなかったが、雌の肝臓でのみ腫瘍の発生がやや増加し曖昧な結果(SIDS(2005))となっている。 |
7 | 生殖毒性 | 区分外 | - | - | - | - | ラットを用いた生殖発生毒性スクリーニング試験(OECD TG421)において、高用量群(40 mg/kg/day)で親動物の毒性症状、雌の発情周期延長、出生後4日目生存率の低下、1匹の母動物で全同腹仔死亡が見られたが、その他の性機能および生殖能に関する指標に悪影響はなく、全群の仔に剖検による異常所見は見出されてなかった(SIDS(2005))。ただし、高用量群でのみ認められた仔に対する悪影響は、親動物の毒性による可能性に言及されており分類の対象とはしなかった。一方、ラットの妊娠6-19日に経口投与した発生毒性試験(OECD TG414)では、中および高用量群(35 and 50 mg/kg bw/day)で全同腹仔損失が観察されているが、その他に生存母獣では胎仔の子宮内成長や生存に影響なく、奇形や変異の発生増加も認められなかった(SIDS(2005))。中および高用量群でのこの全同腹仔損失は、同時に母動物に死亡を含む重度の一般毒性が見られており(SIDS(2005))、分類の対象とはしなかった。以上より、親動物の性機能および生殖能、かつ仔の発生に対し、試験物質ばく露に直接起因する悪影響の証拠は得られていないことから区分外とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(中枢神経系、肺、肝臓、腎臓)、区分3(気道刺激性) |
警告 危険 |
H370: 臓器の障害(中枢神経系、肺、肝臓、腎臓) H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットに経口投与後75〜130mg/kgの用量で鈍麻、不安、昏睡(SIDS(2005))が見られ、吸入ばく露後0.095〜5.450mg/Lで昏睡、振戦、痙攣(ACGIH(2001))がそれぞれ観察され、主な症状の一つとして中枢神経への影響が挙げられている(DFGOTvol15(2001))ことから区分1(中枢神経系)とした。また、上記の同じ試験の病理学的所見として、肺の浮腫およびうっ血の記載により区分1(肺)、肝臓の退色と壊死の記載により区分1(肝臓)、腎臓の肥大と退色、血液円柱と混濁腫脹の記載により区分1(腎臓)とした。別のラット経口投与試験の所見には30mg/kgで門脈周囲の著しい壊死、85.4mg/kgではALTの上昇と脂質の過酸化を伴う肝細胞の壊死(SIDS(2005))が記載され、肝臓を標的臓器とする証拠を示している。一方、ヒトのボランティアによる蒸気ばく露試験において、30mg/m3で鼻粘膜刺激の報告(SIDS(2005))があり、マウスに吸入ばく露した試験で感覚刺激による一過性の呼吸数減少が観察されている(SIDS(2005))ことから、区分3(気道刺激性)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(腎臓、肝臓) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(腎臓、肝臓) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットに13〜14週間経口投与により、1000ppm(67.4〜72mg/kg/day)で肝臓の再生を伴う壊死(SIDS(2005))、25mg/kg/dayで門脈周囲の肝細胞肥大(NTPTOX48(2006))、また、42日間の投与では40mg/kg/day(90日換算18.7mg/kg/day)で肝臓の壊死、線維化、胆管増生(SIDS(2005))、マウス14週間経口投与により、25mg/kg/day以上で門脈細胞質空胞化(NTPTOX48(2006))、ラットに5週間の吸入ばく露により16.6mg/m3(90日換算:0.007mg/L)で肝臓の静脈洞拡大、混濁腫脹、巣状壊死(環境省リスク評価第3巻(2004))がそれぞれ報告されている。吸入ばく露では区分1に相当する用量でも影響が見られることから区分1(肝臓)とした。また、ラットに14週間飲水投与試験の結果、100ppm(6.9〜8.3mg/kg/day)以上で腎臓組織に悪影響があるとの記述(SIDS(2005))、および、ラットに5週間の吸入ばく露により16.6mg/m3(90日換算:0.007mg/L)で腎臓における間質組織の増殖、尿細管上皮の壊死、糸球体腎炎様の変化(環境省リスク評価第3巻(2004))の所見に基づき、区分1(腎臓)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 炭素原子3以上13以下の一級ノルマルアルコール(国連GHS分類の区分2に相当)であるが、データ不足で分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
魚類(ファットヘッドミノー)での96時間LC50 = 320μg/L(環境省リスク評価第3巻, 2004, 他)であることから、区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 急速分解性があり(BODによる分解度:86%(既存点検, 1976))、かつ生物蓄積性が低いと推定される(log Kow=0.17(PHYSPROP Database、2009))ことから、区分外とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |
使用マニュアル |
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