GHS分類結果 (過年度実施分類結果の再分類)

名称:メタンスルホン酸エチル
CAS番号:62-50-0

結果:
物質ID: 21B3059
分類実施者: 厚生労働省・環境省
分類実施年度: 平成21年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 分類できない - - - - 引火点100℃(Gangolli vol.4(2nd, 1999))とのデータがあるが、試験法が不明であるため分類できない。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性ならびに自己反応性に関わる原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類できない - - - - データなし。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類できない - - - - 酸素を含み、かつ炭素、水素以外の元素と化学結合しているものがあるので分類できない。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - -O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告 H302: 飲み込むと有害 P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P330: 口をすすぐこと。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
マウスのLD50 = 470 mg/kg(HSDB(2008))に基づき、区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - データなし。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - データなし。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データなし。
5 生殖細胞変異原性 区分1B 危険 H340: 遺伝性疾患のおそれ P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
体細胞in vivo変異原性試験として、マウスに経口投与後の骨髄または末梢血を用いた小核試験(NTP DB(2004))、および腹腔内投与後の骨髄を用いた染色体異常試験(NTP DB(1983))、別に2種の系統のマウスを用い、経口および腹腔内投与後の赤血球を用いた小核試験(HSDB(2000))において、いずれも明瞭な陽性結果が得られており、さらに生殖細胞in vivo経世代変異原性試験として、マウスで優性致死突然変異の用量に依存した増加が報告されている(HSDB(2000))ことから区分1Bとした。なお、in vitro変異原性試験として、エームス試験、CHO培養細胞を用いた染色体異常試験などでも陽性(NTP DB(1982, 1987))の結果がある。
6 発がん性 区分2 警告 H351: 発がんのおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
IARCでグループ2B(IARC Suppl.7, 1987)に分類されていることから、区分2とした。また、NTPでは、R(NTP RoC11th, 1983)に分類されている。なお、本物質はマウスおよびラットにおいて、皮下または腹腔内投与により主に肺と腎臓に腫瘍を発生させ発がん性があると報告されている(IARC vol.7(1974))。
7 生殖毒性 区分2 警告 H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
雄ラットに交配5日前から経口投与し、無投与の雌と交配させた試験において雄の受胎率への影響、着床数の低下など(RTECS(2008):TXAPA9 Toxicology and Applied Pharmacology.70,(1983))、胚吸収、胎児の死亡、発育不全(RTECS(2008):JTSCDR Journal of Toxicological Sciences.25(, 2000))が報告されており、マウスを用いた同様の方法による試験でも雄の受胎率への影響、仔の死亡などが報告がされている(RTECS(2008):JACTDZ Journal of the American College of Toxicology.2(2)(1983))。またラットに腹腔内投与により四肢と頭部の欠損(Birth Defects(3rd, 2000))、マウスでは生殖能低下と高用量の場合に生殖不能(IARC vol.7(1974))が発生したと記述されている。さらに、マウスの腹腔内投与で母動物のばく露により妊娠中期および後期の胎児死亡、および生存胎児では奇形がいずれも高頻度で発生した(HSDB(2008))と報告されている。以上により経口によるデータはList3で詳細が不明であり、その他は腹腔内投与のデータのため区分1Bとするほどの確かな証拠ではないと考えられ区分2とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - データなし。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - データなし。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
12 オゾン層への有害性 分類できない - - - - 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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