名称:塩化鉄(III)
CAS番号:7705-08-0
物質ID: | 21B3043 |
分類実施者: | 厚生労働省、環境省 |
分類実施年度: | 平成21年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 | - | - | - | - | Not combustible(ISCS(2004))の記載による。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | Not combustible(ISCS(2004))の記載による。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | Not combustible(ISCS(2004))の記載による。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 水溶解度は92 g/100ml(20℃)(reaction)(ICSC(2004))である。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない | - | - | - | - | 酸素は含まないが塩素を含む無機化合物であり、試験データが無く分類できない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 無機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。なお、大部分の金属に腐食作用を及ぼす(ホンメル(1991))との記載がある。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットのLD50値=1872 mg/kg(IUCLID(2000))、500-5000 mg/kg(IUCLID(2000))、900 mg/kg(IUCLID(2000))に基づき、該当数(3)の多い区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 | 危険 | H314: 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 |
P301+P330+P331: 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ウサギを用いた試験(BASF test)で無水物で刺激性(irritating)(IUCLID(2000))との報告が、また、0.1M溶液はpH2(HSDB(2005))であることから区分1とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | 危険 | H318: 重篤な眼の損傷 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 |
ウサギに40%水溶液を点眼した試験で重度(highly)の刺激性(IUCLID(2000))とあり、また、0.1M溶液はpH2(HSDB(2005))であることから区分1とした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | モルモットを用いた試験で2匹中1匹に感作性が見られたが、使用動物が2匹だけで、かつ、試験法の詳細も不明なため結論できないと述べられている(IUCLID(2000))。一方、66歳白人男性の鉄への接触感作と本物質2%液のパッチテストでの陽性反応が報告されている(IUCLID(2000))が1症例のみである。いずれの場合データ不十分であり、「分類できない」とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | マウスに経口投与後の骨髄細胞を用いた染色体異常試験および小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)における陽性結果(IUCLID(2000))があるが詳細が不明で評価できず、Ames試験やL5178Y細胞を用いたマウスリンフォーマアッセイなどは陰性であり、in vitro変異原性試験の陽性にサポートされていないことから分類できないとした。なお、詳細不明ながらマウスの精巣を用いたin vivo染色体異常試験(生殖細胞in vivo変異原性試験)での陰性報告がある(IUCLID(2000))。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | ラットを用いた2年間混水投与による試験で、統計学的に有意な腫瘍発生頻度の増加は見られず、当該試験条件下ではラットにおいて発がん性を有しないと結論されている(HSDB(2005))が、1種の動物のみの結果でありデータ不足のため分類できない。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | ラットの器官形成期に混水投与した試験で、母動物に軽度の体重増加抑制が見られたものの催奇形性あるいは胎仔毒性はなかったと報告されている(IUCLID(2000))が、親動物の交配前からのばく露による性機能および生殖能に及ぼす影響に関してはデータがなく分類できない。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(全身毒性)、区分3(気道刺激性) | 警告 |
H371: 臓器の障害のおそれ(全身毒性) H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
25歳の女性が塩化第二鉄溶液200 mL(pH1)を摂取後、低酸素血症と重度の代謝性アシドーシスを起こしたとの症例報告(HSDB(2005))に基づき区分2(全身毒性)とした。患者は摂取3時間後に意識朦朧、頻脈、頻呼吸となり持続性の嘔吐を引き起こし、摂取4時間後に重度の嘔吐に続き突然心肺停止となり死亡した。またヒトに対して、第二鉄塩類は粉塵やミストとして吸入すると気道刺激性があると考えられるとする記述(ACGIH(2001)、HSDB(2005))があることから区分3(気道刺激性)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットに21日間の混餌投与(0.75%(approx. 760 mg/kg/day))により重大な毒性の記述はなく(IUCLID(2000))、98日、7ヵ月または2年の飲水投与試験では体重増加抑制、摂水量の減少、血液検査値や生化学検査値の変化、ヘモジデリン沈着などが記載されている(IUCLID(2000))が、具体的なデータ(数値)が示されていないことに加え、飲水投与のため正確な体重あたりの用量も不明であり判断できない。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分3 | - | - | H402: 水生生物に有害 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)での48時間EC50 = 9.6mg/L(SIDS, 2007)(塩化第二鉄換算濃度: 27.8 mg/L)であることから、区分3とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分3 | - | - | H412: 長期継続的影響によって水生生物に有害 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分3であり、金属化合物であり水中での挙動およびが不明であるため、区分3とした。 |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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