名称:酸化亜鉛
CAS番号:1314-13-2
物質ID: | 21B3033 |
分類実施者: | 厚生労働省、環境省 |
分類実施年度: | 平成21年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC(2004))である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性・自己反応性に関連する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC(2004))である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ICSC(2004))である。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 水に不溶性(Merck(14th 2006))である。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない | - | - | - | - | 国連輸送勧告(オレンジブック)で規定された試験方法のデータはなし。なお、2価の亜鉛酸化物は最も安定な状態なので、含まれる酸素がセルロースの燃焼を助長することはないと考えられる。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 無機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLD50 > 5000 mg/kg bw および LD50 > 15000 mg/kg bw(EU-RAR(2004))に基づき区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLC50 >5.7 mg/L(4hr)(EU-RAR(2004))に基づきJIS分類による区分外(国連GHSの区分5あるいは区分外に該当)とする。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギの皮膚(耳)に500 mgを24時間閉塞適用して刺激性なしの結果(EU-RAR(2004))、さらにウサギの背部皮膚に0.5 mLを5日間継続して開放または閉塞適用により刺激性なしの結果(EU-RAR(2004))に基づき、区分外とした。なお、モルモットおよびマウスに5日間継続的に開放適用して刺激性なし(ACGIH(2003))、また、ヒトでボランティア6人に40%軟膏 を閉塞適用し1人だけ発疹と小胞性膿疱を認めたが、酸化亜鉛によるものかまたは他の刺激によるものか分からないとしている(EU-RAR(2004))。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギ3匹の結膜嚢に適用した試験(OECD TG 405)において、角膜混濁は見られず、虹彩炎は適用1時間目のみ1匹だけがスコア1、結膜発赤は全例がスコア1〜2で72時間目で完全に回復、結膜浮腫(分泌物は適用1時間目のみ全例がスコア1)は適用1時間目のみ全例がスコア2 であった(EU-RAR(2004))ことから、区分外に該当する。なお、ウサギを用いた別の試験でも、適用2日後まで軽度の結膜発赤と浮腫を認めたのみで「刺激性なし」あるいは「軽度の刺激性」と評価されている(EU-RAR(2004))。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分外 | - | - | - | - | 適正に実施されたモルモットの皮膚感作性試験(Maximization Test: Directive 96/54/EC B.6 & OECD TG 406)の結果が3件報告され(EU-RAR(2004))、各試験での陽性率はそれぞれ(1)試験群:40%(4/10)、対照群:0%(0/5)、(2)試験群:0%(0/10)、対照群:20%(1/5)、(3)試験群:0%(0/10)、対照群:0%(0/5)であった。1回目の試験で陽性率40%と相容れない結果となったが、酸化亜鉛が強い感作性を有することを示す証拠ではないと述べられている(EU-RAR(2004))。また接触アレルギーの検討を目的としたヒトパッチテストで、酸化亜鉛のみを使用した場合に被験者の14人全員に陽性反応は認められなかった(EU-RAR(2004))。EU-RAR(2004)では結論として「皮膚感作性について分類・表示すべきでない」と述べている。以上の情報に基づき区分外とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | 5ヶ月間吸入ばく露よるラットの骨髄細胞を用いたin vivo染色体異常試験(体細胞in vivo変異原性試験)(EU-RAR(2004))が唯一分類対象とし得るin vivo試験であったが、弱陽性の結果に加え、標準的な試験ではなく、また、異常細胞の内容が過二倍体細胞と数的異常であることから、十分な評価が困難のため「分類できない」とした。なお、in vitro変異原性試験として、エームズ試験で陰性(EU-RAR(2004))、マウスリンパ腫細胞を用いたin vitro遺伝子突然変異試験で陽性(EU-RAR(2004))、ハムスター胚細胞を用いた形質転換試験で陽性(EU-RAR(2004))がそれぞれ報告されている。 |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | 米国EPAによりDに分類されている(PATTY(5th 2001))ことに基づき区分外とした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用い交配21日前から妊娠15日まで混餌投与により0.4%の濃度で全胎児の吸収(EU-RAR(2004))、およびラットの妊娠0日から14日までの混餌投与により、2000 ppm以上で死産仔の発生(EU-RAR(2004))がそれぞれ報告されている。以上の毒性用量で母動物の一般毒性の発現が否定されていないので区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(肺、全身毒性) | 危険 | H370: 臓器の障害(肺、全身毒性) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトで酸化亜鉛微粉塵の吸入による金属ヒューム熱の発症が多数報告され、咳、胸痛、悪寒、発熱、呼吸困難、筋肉痛、嘔気などの症状が見られている(ACGIH(2003)、IRIS(2005)、ATSDR(2005))。金属ヒューム熱は主に呼吸器系の症状を呈することから区分1(肺、全身毒性)とした。なお、ラットに5000 mg/kgまたは15000 mg/kgを経口投与により、死亡はなく、15000 mg/kgで毛の乱れ、体重低下および下痢を除き中毒症状が何も認めらなかった(EU-RAR(2004))ことから、経口ばく露では区分外に相当している。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。なお、ラットを用いた経口または吸入ばく露による試験が報告されている(EHC 221(2001)、EU-RAR(2004)、IUCLID(2000))が、実施年度の古い試験(1953年)、1用量のみの試験あるいは雌のみの試験などいずれも反復ばく露の試験として分類に用いるには疑義が残る。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)での48時間LC50 = 0.098mg Zn/L(酸化亜鉛換算濃度: 0.122 mg/L)(NITE初期リスク評価書, 2008)であることから、区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分1であり、金属化合物であり水中での挙動が不明であるため、区分1とした。 | |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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