名称:アセトンシアノヒドリン
CAS番号:75-86-5
物質ID: | 21B3002 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成21年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分4 | - | 警告 | H227: 可燃性液体 |
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
引火点(74℃(ICSC(1998))が>60℃かつ≦93℃である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性及び自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点が685℃(ホンメル(1991))であり、70℃を超えている。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属又は半金属(B, C, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素及び塩素を含まず、酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を含まない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分2 | 危険 | H300: 飲み込むと生命に危険 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLD50 = 15.8 mg/kg(ACGIH(2001))であるとの情報に基づき、区分2とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分1 | 危険 | H310: 皮膚に接触すると生命に危険 |
P302+P350: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で優しく洗うこと。 P262: 眼、皮膚、衣類につけないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P361: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ウサギの場合には、LD50 = 16, 150, 850 mg/kg(いずれもOECD TG 402準拠; ECETOC JACC 53(2007))であり、それぞれ区分1、区分2、区分3に該当するが、最も危険性の高い区分を採用し区分1となる。一方、ラットの場合にはLD50 = 140 mg/kg(PATTY(5th, 2001))より区分2となる。したがって、両者を比較し、より危険性の高い区分である区分1とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分1 | 危険 | H330: 吸入すると生命に危険 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P284: 呼吸用保護具を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P320: 特別な処置が緊急に必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットに4時間ばく露により、62.5 ppmで6匹中2匹死亡、125 ppmで6匹中6匹死亡の結果(ACGIH(2001))が得られており、区分1とした。なお飽和蒸気圧濃度は411ppmVであり、ミストがほとんど混在しない蒸気であると判断しガスの基準値(ppmV)を用いた。 | |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | ラットに経口投与による骨髄細胞を用いた染色体異常試験(体細胞in vivo変異原性試験)(CICAD 61(2004))の陰性結果に基づき、区分外とした。なお、エームス試験(ECETOC JACC 53(2007), NTP DB(Access on Apr. 2009))は陰性、CHO細胞を用いる突然変異試験(CICAD 61(2004))も陰性であるとの結果が得られている。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 区分外 | - | - | - | - | ラットを用いた生殖試験では、雄の場合は交配前の69日間、雌の場合は交配前の21日間の吸入ばく露後、それぞれ非ばく露の雌、雄と交配させた結果、高用量群では軽度の体重低下が見られたものの雌雄とも生殖能、受胎率、仔の発生などにばく露の影響は何も現れていない(ECETOC JACC 53(2007))。また、ラットを用い器官形成期に経口投与した試験においては、母動物の一般毒性(体重増加抑制)が発現している用量でも仔の発生指標に対照群との差はなく、催奇形性を含め仔の発生に及ぼす影響も認められていない(ECETOC JACC 53(2007))。即ち、得られたデータから生殖毒性および発生毒性とも見出されなかったことになり区分外とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(中枢神経系) | 危険 | H370: 臓器の障害(中枢神経系) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
誤って主に経皮ばく露を受けたヒトの症例報告が多数あり、意識喪失、昏睡、呼吸困難、強直性間代性痙攣などの症状発現後、死亡に至ったケースも多い(ACGIH(2001))。症状として主に意識喪失と強直性間代性痙攣が見られたこと、さらに一方では本物質の急性ばく露により中枢神経系の刺激の可能性があると記述されている(HSDB(2005))こともあり、区分1(中枢神経系)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(肝臓、腎臓) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(肝臓、腎臓) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットに5 mg/animal を週2回3〜8ヶ月経口投与(ラット体重400gで換算した場合12.5 mg/kgとなり、週2回投与のため1日当り12.5 mg/kgのおおよそ3分の1として約4.1 mg/kg/dayと推定)により、総蛋白、糖蛋白およびA/G比の低下とともに肝細胞の核濃縮、核大小不同、脂肪変性などの所見に加え、さらに腎臓の病変が見出されたとの記述(ACGIH(2001)、PATTY(5th, 2001))に基づき、区分1(肝臓、腎臓)とした。さらにラットに10.2 mg/Lを週2回3〜8ヶ月吸入ばく露した試験でも肝臓と腎臓で同様な所見が得られ(ACGIH(2001))、経口投与の所見を裏付ける結果が報告されている。なお、ラットを用いた4週間あるいは14週間吸入ばく露試験(最高濃度約0.21 mg/L)では重大な毒性影響が見出されていない(CICAD 61(2004))が、試験濃度が低かったことにもよる。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)での48時間EC50 = 0.13 mg/L(SIDS, 2007)であることから、区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分1であり、急速分解性がない(BODによる分解度:0-55%(既存点検, 1986))ことから、区分1とした。 | |
12 | オゾン層への有害性 | 分類できない | - | - | - | - | 当該物質はモントリオール議定書の附属書に列記されていないため。 |
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