GHS分類結果

名称:1‐[(2R, 4S, 5S)‐4‐アジド‐5‐(ヒドロキシメチル)オキソラン‐2‐イル]‐5‐メチルピリミジン‐2, 4‐ジオン (別名ジドブジン)
CAS番号:30516-87-1

結果:
物質ID: 21A3752
分類実施者: 厚生労働省、環境省
分類実施年度: 平成21年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類できない - - - - 分子内に爆発性にかかわる原子団(R-N=N=N)を含んでいるがデータがなく分類できない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データなし。
8 自己反応性化学品 分類できない - - - - 分子内に爆発性に関わる原子団(R-N=N=N)を含むがデータがないので分類できない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 分類できない - - - - データなし。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 融点140℃以下の固体に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - 分子内に酸素を含むがこの酸素は炭素、水素以外の元素と結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - -O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない - - - - データ不足により分類できない。なお、 ラットLD50値は3084 mg/kg bw(RTECS(2009))との報告がある。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - データなし。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - データなし。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データなし。
5 生殖細胞変異原性 区分2 警告 H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
マウスに経口、腹腔内または静脈内投与し、骨髄細胞および末梢血リンパ球における小核試験(in vivo体細胞変異原性試験)で陽性との報告(IARC vol.76(2000))に基づき区分2とした。なお、in vitro変異原性試験のAmes test、チャイニーズハムスターCHO細胞を用いた染色体異常試験および姉妹染色分体交換試験、マウスリンフォーマL5178Y細胞を用いた遺伝子突然変異試験、ヒトリンパ球を用いた染色体異常試験および小核試験、ヒト培養肝細胞(HepG2細胞)を用いた遺伝子突然変異試験で陽性と報告されている(IARC vol.76(2000)、NTP DB(access on Oct. 2009))。
6 発がん性 区分2 警告 H351: 発がんのおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
既存分類においてIARCでGroup 2Bに分類されていることに基づき(IARC vol.76(2000))区分2とした。なお、マウスおよびラットの経口投与発がん性試験で雌に膣扁平上皮がんが認められたと報告されている(IARC vol.76(2000))。
7 生殖毒性 区分2、 追加区分:授乳に対するまたは授乳を介した影響 警告 H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い
H362: 授乳中の子に害を及ぼすおそれ
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P263: 妊娠中/授乳期中は接触を避けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ウサギの妊娠期間中経口投与試験(妊娠6-18日に37.5, 75, or 250 mg/kg/day)で最高用量において母動物に体重減少、ヘモグロビン濃度減少、ヘマトクリット値低下および赤血球数減少が見られ、胎仔体重減少および吸収胚増加の影響が見られたが奇形は認められなかったと報告されている(IARC vol.76(2000))。また、ラットの妊娠前から交配、妊娠、分娩、授乳期間に亘って投与した試験で胚胎仔死亡、同腹仔数減少、胎仔体重減少が見られたと報告されている(IARC vol.76(2000))ことから区分2とした。またヒトへの影響として、経口摂取した本物質は(200mg、単回投与)は、ヒト乳汁中に排泄され、血清中の濃度と同じであることが報告(医療用医薬品集(2010))されているため「授乳に対するまたは授乳を介した影響」を追加区分とした。なお、本物質は胎盤を通過するとの報告もある(医療用医薬品集(2010))。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(骨髄) 危険 H370: 臓器の障害(骨髄) P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質は抗ウィルス剤であり投与による重大な副作用に骨髄抑制(重篤な血液障害)が現れるとの記載(医療用医薬品集(2010))があるため区分1(骨髄)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分1(骨髄) 危険 H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(骨髄) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトの影響として患者への投与で貧血と骨髄抑制が見られた(IARC vol.76(2000)、NTP TR No.469(1999)、NTP TR-469(1999))との報告があることから区分1(骨髄)とした。なお、動物試験でもマウスの複数の反復経口投与試験(IARC vol.76(2000)、NTP TR No.469(1999))でいずれも骨髄抑制と貧血が見られたとの報告がある。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データなし。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データなし。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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