GHS分類結果

名称:3‐フェニルアゾ‐2, 6‐ピリジンジアミン塩酸塩 (別名塩酸フェナゾピリジン)
CAS番号:136-40-3

結果:
物質ID: 21A3749
分類実施者: 厚生労働省・環境省
分類実施年度: 平成21年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団(アゾ基)を含むが「芳香族アゾ」なので爆発性ではないと判断した。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データなし。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団(アゾ基)を含むが「芳香族アゾ」なので爆発性ではないと判断した。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 分類できない - - - - データなし。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - データなし。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - 塩素を含んでいるが、この塩素が水素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - -O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告 H302: 飲み込むと有害 P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P330: 口をすすぐこと。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットLD50値は403 mg/kg(HSDB(2009))であるとの報告に基づき、区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - データなし。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - データなし。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データなし。
5 生殖細胞変異原性 区分2 警告 H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
in vivoにおいて、詳細は不明であるが、小核試験、DNA損傷試験の陽性結果があり(いずれもRTECS(2008): Mutation Research. vol.389, p.3(1997)、Mutation Research. vol.465, p.11(2000))、in vitroにおいては、2つのエームス試験中1試験で陽性、マウスリンフォーマ試験およびCHO細胞を用いた染色体異常試験で陽性である(いずれもNTP DB(access on Oct. 2009))。以上の結果より、区分2とした。
6 発がん性 区分2 警告 H351: 発がんのおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
IARCで2B(IARC Suppl.7(1987))に分類されているため、区分2とした。なお、限定的な疫学調査では、本物質の投与を受けた2214人の患者において最低3年間の追跡期間中に、有意な過剰がん発生は観察されていないが、ラットおよびマウスを用いた経口投与試験において、肝細胞腺腫と肝細胞がんの発生増加がマウスの雌に、結腸と直腸の腫瘍誘発がラットの雌雄にみられている(IARC Suppl.7(1987))。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データなし。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分1(血液、肝臓、腎臓) 危険 H370: 臓器の障害(血液、肝臓、腎臓) P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトへの大量投与により生じる毒性の徴候として、メトヘモグロビン血症、ハインツ小体の形成、溶血性貧血、腎不全、肝腫大、黄疸、過敏性肝炎(IARC vol.24(1980))との記載があり、ヒトでの報告からも、7人の中毒症状に共通してメトヘモグロビン血症がみられ、また本物質を摂取した幼児に肝腫大、一時的な腎機能異常がみられる(いずれもHSDB(2009))ことから、区分1(血液、肝臓、腎臓)とした。 なお、本物質は局所麻酔作用を持つ鎮痛剤として使用されている(IARC vol.24(1980))。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(腎臓) 警告 H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(腎臓) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトでは、本物質を2年間毎日摂取した67歳の男性に、本物質のフリー体から成る膀胱結石が見つかったとの報告、本物質を一日3回、5ヶ月間摂取した慢性前立腺炎の55歳の男性に、本物質のフリー体堆積による尿管結石が見つかったとの報告があり(いずれもHSDB(2009))、区分2(腎臓)とした。なお、ラットおよびマウスを用いた45日間経口投与試験の剖検において、異常は認められていない(NTP TR No.99(1978))。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データなし。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データなし。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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