名称:チオテパ
CAS番号:52-24-4
物質ID: | 21A3737 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成21年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 自己反応性に関連する原子団(アジリジン)を含むが、試験データがなく分類できない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 融点140℃以下の固体に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 金属を含む化合物であるが、水溶解度は19 g/100 mL(25℃)(Merck(14th, 2006))というデータがあり、水に対して安定であると考えられる。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素、フッ素または塩素を含んでいない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分2 | 危険 | H300: 飲み込むと生命に危険 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
マウスLD50値は46 mg/kg(IARC vol.9(1975))であるとの報告に基づき、区分2とした。なお、ラットLD50値は2.3 mg/kg、マウスLD50値は38 mg/kg(RTECS(2009))のデータがある。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データ不足で分類できない。なお、眼に付着すると刺激と熱傷を生じる可能性がある(HSFS(2001))との記載がある。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分1B | 危険 | H340: 遺伝性疾患のおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
マウスを用いた優性致死試験および相互転座試験で陽性である(IARC vol.50(1990))ことから、区分1Bとした。なお、その他in vivoにおける試験(マウスの精原細胞および精母細胞を用いた染色体異常試験、マウスの骨髄、胚およびウサギの末梢リンパ球を用いた染色体異常試験、ラットおよびマウスの骨髄を用いた小核試験など)は全て陽性であり(いずれもIARC vol.50(1990))、in vitroにおいてもエームス試験、染色体異常試験、姉妹染色分体交換試験などで陽性である(NTP DB(access on Oct. 2009)、IARC vol.50(1990))。 | |
6 | 発がん性 | 区分1A | 危険 | H350: 発がんのおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
IARCで1(IARC vol.50(1990))、NTPでK(NTP ROC 11th(2004))に分類されているため、区分1Aとした。なお、ヒトでは本物質を単独で使用した治療後に、白血病が発症したとの症例報告がいくつかあり、ケースコントロール研究では、本物質での治療と白血病のリスクとの強い関連性がみられている。また、腹腔内投与による動物試験において、マウスの雌雄に肺腫瘍とリンパ球増殖性の悪性腫瘍の発生増加、ラットの雄にリンパ球増殖性の悪性腫瘍、ラットの雌に子宮腺がん、乳がんの発生増加がそれぞれみられている(いずれもIARC vol.50(1990))。 | |
7 | 生殖毒性 | 区分1B | 危険 | H360: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
チオテパの医薬品添付文書に動物実験で催奇形作用、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましいと報告されている。また、マウス(腹腔内)、ラット(皮下)に投与した実験で減指症、無腎症等広範囲の催奇形性が認められていると記載されていることから区分1Bとした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(全身毒性) | 警告 | H371: 臓器の障害のおそれ(全身毒性) |
P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
本物質は骨髄抑制作用がある(IARC vol.50(1990))また、チオテパの医薬品添付文書における副作用情報として、白血球減少、血小板減少、出血、貧血、腎不全、ショック、低ガンマグロブリン血症、肝障害、食欲不振、悪心・嘔吐、下痢、口内炎、口渇、腹痛、発疹、倦怠感、頭痛、咽頭部痛、血痰増量、排尿困難、頻尿、膀胱炎、発熱、脱毛の記述があるが、急性影響かどうか不明であることから区分2(全身毒性)とした。なお、リスト3の情報として、ヒトでは、非経口投与により知覚障害、骨髄における変化(特定不能)(RTECS(2009): Cancer. Vol.38, p.1471, 1976)、マウスを用いた経口投与試験において、用量38 mg/kg(LD50値)で弛緩性麻痺(神経筋の遮断)、眠気、運動失調(RTECS(2009): Imifos, Giller, S.A., ed., Izd, Riga, USSR, p.129, 1968)の記載がある。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(骨髄、腎臓、全身毒性) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(骨髄、腎臓、全身毒性) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
チオテパの医薬品添付文書における副作用情報として、重要な副作用として白血球減少、血小板減少、出血、貧血、腎不全、ショックが述べられていることから区分1(骨髄、腎臓、全身毒性)とした。その他の副作用として、低ガンマグロブリン血症、肝障害、食欲不振、悪心・嘔吐、下痢、口内炎、口渇、腹痛、発疹、倦怠感、頭痛、咽頭部痛、血痰増量、排尿困難、頻尿、膀胱炎、発熱、脱毛の記述がある。なお、ヒトおよび実験動物において、経口、経皮、吸入経路のデータは無いが、本物質は骨髄抑制作用があり、抗がん剤として使用されている(IARC vol.50(1990))ことから、その副作用として「顆粒球減少症や血小板減少症を特徴とする骨髄抑制、まれに肝臓と腎臓の機能障害、神経毒性、吐気および嘔吐がみられる」(IARC vol.50(1990))との記載がある。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
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