名称:シクロホスファミド一水和物
CAS番号:6055-19-2
物質ID: | 21A3732 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成21年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性・自己反応性に関連する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 融点140℃以下の固体に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | リンを含む化合物であるが、水溶解度(40g/L)(Merck(14th, 2006))というデータがあり、安定である。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない | - | - | - | - | 酸素がリンと結合している有機化合物であるが、データがなく分類できない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 融点が55℃以下の固体であるが、データがなく分類できない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分3 | 危険 | H301: 飲み込むと有毒 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLD50値は192.4 mg/kg(IARC vol.26(1981))であるとの報告に基づき、区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分1B | 危険 | H340: 遺伝性疾患のおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
マウス及びラットを用いた優性致死試験(生殖細胞in vivo経世代変異原性試験)で陽性の報告(IARC vol.26(1981))に基づき区分1Bとした。なお、チャイニーズハムスター及びマウスの精原細胞を用いた染色体異常試験(生殖細胞in vivo変異原性試験)で陽性の報告(IARC vol.26(1981))、マウス及びラットを用いた骨髄細胞及び末梢血を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)で陽性の報告(NTP DB(access on Oct., 2009))がある。また、なお、シクロホスファミドによる治療を受けた非悪性疾患の小児及び慢性関節リウマチ患者の末梢血リンパ球、再発性卵巣及び子宮がん患者にシクロホスファミドを静脈内投与後3〜24時間後のリンパ球、リンパ肉芽腫症患者にシクロホスファミドを投与後24〜72時間後の骨髄及びリンパ節細胞において、いずれも染色体異常数の増加が報告されている(IARC 26(1981))。 | |
6 | 発がん性 | 区分1A | 危険 | H350: 発がんのおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
IARCでGroup 1に分類されている(IARC vol.100A(2008))ことから、区分1Aに分類した。なお、当該薬物の治療により、非悪性疾患の患者では少なくとも30例の悪性腫瘍(非リンパ性白血病、膀胱がん等)が報告され、さらに悪性腫瘍の患者では83例の二次悪性腫瘍(非リンパ性白血病、膀胱がん等)の報告(IARC 26(1981))がある。また、ラットの生涯にわたり経口投与した試験でも、ヒトと同様に膀胱に対する臓器特異的な影響が見られ、膀胱がんの発生が報告されている(IARC 26(1981))。 | |
7 | 生殖毒性 | 区分1A、追加区分:授乳に対するまたは授乳を介した影響 | 危険 |
H362: 授乳中の子に害を及ぼすおそれ H360: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P263: 妊娠中/授乳期中は接触を避けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
シクロホスファミドは男女の生殖細胞に損傷を与え、不妊症を引き起こすとの報告(IARC 26(1981))、また妊娠中に本剤による治療を受けた女性からの出生児に母指、または中手骨および指節骨の欠損、口蓋裂、冠動脈欠損、眼及び耳の奇形、および多発奇形が報告されている(IARC 26(1981)、Birth Defects(3rd, 2000))ことから、区分1Aとした。また、乳汁中に分泌されていることが報告されているとの記載(医療用医薬品集(2010))があることから、授乳に対するまたは授乳を介した影響に関する追加区分とした。なお、実験動物ではシクロホスファミドはマウス、ラット、ウサギなどいくつかの動物種で催奇形性が見られる(IARC 26(1981))と記述されている。事実、ラット又はマウスを用いた試験(IARC vol.26(1981))で出生仔に眼の異常及び骨格欠損(手足、指)等種ーの奇形(IARC vol.26(1981)、Birth Defects(3rd, 2000))、ウサギを用いた試験では出生仔に口蓋裂及び顎欠損(Birth Defects(3rd, 2000))がそれぞれ報告されている。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(骨髄) | 危険 | H370: 臓器の障害(骨髄) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
本物質は抗腫瘍剤であり、重大な副作用として骨髄抑制(白血球減少、血小板減少などを起こす)の記載がある(医療用医薬品集(2010))ことから区分1(骨髄)とした。なお、マウス、ラットおよびイヌを用いた試験では白血球減少、血小板低下が報告されている(IARC 26(1981))。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(骨髄、心臓、肝臓、免疫系、全身毒性) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(骨髄、心臓、肝臓、免疫系、全身毒性) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
本物質は抗悪性腫瘍剤であり、重大な副作用として骨髄抑制(汎血球減少、貧血、血小板減少、出血などを起こす)の記載(医療用医薬品集(2010))があり、さらに、心筋障害、心不全が0.1〜0.5%未満の頻度で発現するとの記載(医療用医薬品集(2010))に基づき、区分1(骨髄、心臓)とした。一方、重大な副作用として頻度不明ながら肝機能障害、黄疸が記載されている(医療用医薬品集(2010))ことから、区分1(肝臓)とした。その外に本物質投与により、頻度不明ながらアナフィラキシー様症状、出血性膀胱炎、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)など、また、0.1〜0.5%未満の頻度でイレウス、胃腸出血、間質性肺炎などが報告されている(医療用医薬品集(2010))が、これらの副作用症状には免疫系への関与が考えられ、あるいは標的臓器の特定が困難なため、区分1(免疫系、全身毒性)とした。以上より分類は区分1(骨髄、心臓、肝臓、免疫系、全身毒性)となる。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
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