名称:アクリル酸=ターシャリ‐ブチル
CAS番号:1663-39-4
物質ID: | 21A3723 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成21年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分2 | 危険 | H225: 引火性の高い液体及び蒸気 |
P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P233: 容器を密閉しておくこと。 P240: 容器を接地すること/アースをとること。 P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。 P242: 火花を発生させない工具を使用すること。 P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
引火点 10℃ [密閉式](IUCLID(2000))は < 23℃ であり、かつ、初留点 121℃(IUCLID(2000))は >35℃ であることから、区分2に該当する。 | |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | タイプG | - | - | - | - | 分子内に不飽和結合(アクリル酸)を含む物質であるが、UNRTDG(UN2348)では安定剤(hydroquinone monomethyl ether 100ppm)を含みクラス3PGIIIで流通している。従ってタイプGと判断される。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点は 385℃(ホンメル(1996))であり 70℃ を超えるため、区分外とした。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素、フッ素または塩素を含んでいないか、またはこれらの元素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLD50値が1047 mg/kg bw(SIAR Dossier(2005))および 1056 mg/kg bw(IUCLID(2000))であることから区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLD50値が >4000 mg/kg bw(SIAR Dossier(2005))であることから区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分3 | 危険 | H331: 吸入すると有毒 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P311: 医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLC50値が 7 mg/L/4hr(換算値 1336 ppmV)(SIAR Dossier(2005))であることから、区分3とした。 なお、25.7℃の蒸気圧 22.66 hPa(SIAR Dossier(2005))から飽和蒸気圧濃度は 22369 ppm(117 mg/L)であり、当該物質は「ミストがほとんど混在しない蒸気」で試験されたと考えられるためガスの基準値を適用した。 | |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギを用いた皮膚刺激性試験で、「24時間後では中程度の紅斑と軽度の浮腫(moderate erythema and slight edema)が観察されたが、投与後8日後には鱗屑(scaling)のみ観察された」(SIAR Dossier(2005))との記述、および、「軽度の刺激性(slightly irritating)がある」(SIAR Dossier(2005))と結論づけていることより、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分3)とした。 なお、EU分類ではXi;R37/38に分類されている。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | - | 警告 | H320: 眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 |
ウサギを用いた眼刺激性試験で、「投与1時間後に軽度の発赤および浮腫(Slight erythema and slight edema)が観察され、24時間では周辺部の発赤のみが見られたが、投与8日後には何の影響も見られなくなった」(SIAR Dossier(2005))との記述、および、「軽度の刺激性(slightly irritating)がある」(SIAR Dossier(2005))と結論づけていることより、区分2Bとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
モルモットを用いた皮膚感作性試験(Maximization Test)において10匹中4匹で感作性を示した(SIAR Dossier(2005))との報告より、区分1とした。 なお、EU分類ではR43に分類されている。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | マウス骨髄を用いる小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)で陰性(SIAR Dossier(2005))との報告より、区分外とした。 なお、Ames試験(in vitro 変異原性試験)の結果は陰性(SIAR Dossier(2005))および IUCLID(2000))と報告されている。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 区分外 | - | - | - | - | ラットを用いた15週の亜慢性吸入毒性・生殖発生毒性併合スクリーニング試験において、母体に死亡を含む重篤な全身毒性を示す高用量で、「交配及び仔の産生は影響を受けなかったが、仔の出生前・後の発育は有意に影響を受けた。仔の出生後発育障害は母動物による新生仔の世話が不充分であった結果であり、親の全身毒性による二次的影響と考えられる」(SIAR Dossier(2005))との記述、および、「低用量では、局所影響、全身毒性、生殖能の障害と出生前・後毒性は認められなかった」(SIAR Dossier(2005))との記述より、性機能・生殖能への悪影響及び仔の発生毒性なしと判断し、区分外とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分3(気道刺激性) | 警告 | H335: 呼吸器への刺激のおそれ(気道刺激性) |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた15週の亜慢性吸入毒性・生殖発生毒性併合スクリーニング試験において、180 ppm(0.956 mg/L)(6 hr /day, 5 day /week)の用量で、「雄・雌ラットに、目と上気道の軽度刺激、体重増の遅延、雄の腎機能の軽度機能障害、全体的健康状態の低下、妊娠中の雌2匹の死亡(2匹に脾臓・胸腺リンパ組織の萎縮、1匹に胃粘膜の糜爛/潰瘍が観察された)を引き起こした」(SIAR Dossier(2005))との報告がある。低用量の反復暴露で気道刺激性が認められるので、単回暴露においても気道刺激性を示すことが想定されることより、区分3(気道刺激性)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(全身毒性) | 警告 | H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(全身毒性) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた15週の亜慢性吸入毒性・生殖発生毒性併合スクリーニング試験において、ガイダンスの区分2に相当する180 ppm(0.956 mg/L)の用量で、「雄・雌ラットに、目と上気道の軽度刺激、体重増の遅延、雄の腎機能の軽度機能障害、全体的健康状態の低下、妊娠中の雌2匹の死亡(2匹に脾臓・胸腺リンパ組織の萎縮、1匹に胃粘膜の糜爛/潰瘍が観察された)を引き起こした」(SIAR Dossier(2005))との報告、および、「試験物質はこの高用量(=180 ppm)で妊娠中および哺乳中の雌ラットに死亡を含む重篤な全身毒性を誘発した」(SIAR Dossier(2005))との報告より、区分2(全身毒性)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分3 | - | - | H402: 水生生物に有害 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)の24時間EC50=42 mg/L(AQUIRE, 2010)から区分3とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 急性毒性区分3であるが、低濃縮性である(LogKow =2.09、KOWWIN)と推定されることから、区分外とした。 |
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