GHS分類結果

名称:2-メチルプロパン
CAS番号:75-28-5

結果:
物質ID: 21A3704
分類実施者: 厚生労働省・環境省
分類実施年度: 平成21年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 区分1 危険 H220: 極めて可燃性又は引火性の高いガス P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P377: 漏洩ガス火災の場合:漏洩が安全に停止されない限り消火しないこと。
P381: 安全に対処できるならば着火源を除去すること。
P403: 換気の良い場所で保管すること。
国連危険物輸送勧告でクラス2.1(UN No.1969)(UNRTDG(Rev.15, 2007))に分類されているため、区分1とした。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 区分外 - - - - 国連危険物輸送勧告でクラス2.1(UN No.1969)(UNRTDG(Rev.15, 2007))に分類されている。
5 高圧ガス 低圧液化ガス 警告 H280: 高圧ガス:熱すると爆発のおそれ P410+P403: 日光から遮断し、換気の良い場所で保管すること。 沸点は-11.7℃(Ullmanns(E)(6th, 2003))、かつ臨界温度は135℃(Weiss(2nd, 1986))で65℃を超えているため、低圧液化ガスとした。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
11 自己発熱性化学品 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 気体状の物質に適した試験方法が確立していない。なお、金属に対し腐食作用を示さない(HSDB(2008))との記載がある。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分4 警告 H332: 吸入すると有害 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
マウスのLC50値(1時間)は124000 ppm(4時間換算値:62000 ppm)、52 mg/L(4時間換算値:11000 ppm)(いずれもACGIH(2004))、であるとの報告に基づき、区分外、区分4に該当するデータが各1つであることから、区分4とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - ヒトにおいて、ガス状の本物質は皮膚に対し刺激を与えない(DFGOT vol.20(2003))との記載から、区分外とした。なお、液化した本物質は皮膚に凍傷(chemical freezing)を起こす(DFGOT vol.20(2003))との記載がある。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分外 - - - - ヒトにおいて、ガス状の本物質は眼に対し刺激を与えない(DFGOT vol.20(2003))との記載から、区分外とした。なお、液化した本物質は眼に凍傷(chemical freezing)を起こす(DFGOT vol.20(2003))との記載がある。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データなし。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - in vivo における試験データはなく、エームス試験の陰性結果(DFGOT vol.20(2003))のみであるため、分類できないとした。
6 発がん性 分類できない - - - - データなし。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データなし。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(心臓)、区分3(麻酔作用) 警告 H371: 臓器の障害のおそれ(心臓)
H336: 眠気又はめまいのおそれ(麻酔作用)
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。
P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。
P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。
P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ヒトにおいて、8人のボランティアによる吸入暴露試験では影響はみられない(許容濃度提案理由書(1988))が、本物質は「心臓におけるカルシウム感受性増強物質」との記載があり(ACGIH(2004)、PATTY 5th vol.4(2001))、イヌを用いた吸入暴露試験において、用量70000 ppmで5分間の暴露(4時間換算値:10083 ppm(ガイダンス値の区分2の範囲内))により、心筋の強心作用がみられる(DFGOT vol.20(2003))ため、区分2(心臓)とした。また、マウスを用いた吸入暴露試験において「中枢神経系の抑制」(ACGIH(2004))、「麻酔作用」(DFGOT vol.20(2003))との記載、イヌを用いた吸入暴露試験において「感覚消失」(ACGIH(2004))との記載があり、区分3(麻酔作用)とした。 なお、「本物質は単純窒息性(simple asphyxiant)であり、急性暴露では頻呼吸及び頻拍を起こす可能性がある」(PATTY 5th vol.4(2001))との記載がある。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - ボランティアによる2週間吸入暴露試験において、「全般的に大した変化は認められない」(許容濃度提案理由書(1988))との記載があり、サルを用いた90日間吸入暴露試験においても影響は認められない(EMEA/MRL/031(1995))が、試験内容の詳細が不明であり、これらの他に試験データはないため、分類できないとした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データなし。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データなし。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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