名称:2, 4, 6, 8-テトラメチル-1, 3, 5, 7-テトラオキサシクロオクタン(メタアルデヒド)
CAS番号:108-62-3
物質ID: | 21A3690 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成21年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分2 | 警告 | H228: 可燃性固体 |
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P240: 容器を接地すること/アースをとること。 P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 |
UNRTDG(UN1332)クラス4.1PG III による。 | |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性・自己反応性に関連する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | UNRTDG(UN1332)でクラス4.1PG IIIのため上位の自然発火性(4.2)には該当しない。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | UNRTDG(UN1332)でクラス4.1に分類されており、上位の4.2には該当しないと判断される。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素を含む有機化合物であるが、この酸素が炭素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分3 | 危険 | H301: 飲み込むと有毒 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLD50値が283 mg/kg(EPA RED(2006)、農薬評価書(2009))であることから区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLD50値が5000 mg/kg以上(EPA RED(2006)、農薬評価書(2009))であることから区分外とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLC50(4時間)値が314 mg/L(EPA RED(2006))により区分外とした。常温に於ける飽和蒸気は0.0064 mg/Lであり、試験は粉塵、又はミストで行われたと見做せる。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギを使用した試験で刺激性なし(not irritant)(EPA RED(2006)、農薬評価書(2009))の報告による。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | - | 警告 | H320: 眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 |
ウサギを使用した試験で軽度の刺激性(mild irritant)(EPA RED(2006)、農薬評価書(2009))の報告による。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分外 | - | - | - | - | モルモットを用いたBuehler法による皮膚感作性試験で陽性率0.8%(1/12)で感作性なし(農薬評価書(2009)、農薬抄録(2007))との結果、また、30%フロアブル剤及び10%粒剤についてそれぞれMaximization法及びBuehler法による試験の結果、陽性率はいずれも0%(0/25及び0/20)で感作性なし(農薬評価書(2009)、農薬抄録(2007))の結果に基づき、区分外とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | マウスに経口投与による骨髄細胞を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)で陰性(農薬評価書(2009)、農薬抄録(2007))の報告より区分外とした。尚、in vitro試験では、エームズ試験及びCHO細胞を用いた染色体異常試験の陰性結果(農薬評価書(2009)、農薬抄録(2007))が報告されている。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | マウスを使用した78週間の混餌投与試験において、催腫瘍性が認められなかった(農薬評価書(2009)、農薬抄録(2007))との記載がある一方、ラットを用いた混餌による2年間慢性毒性/発がん性併合試験で、高用量の投与群の雌で肝細胞腺腫、肝細胞腺腫及び肝細胞癌の合計数が増加したとの記載(農薬評価書(2009))があるが、雄では認められず、ラットの雌でしか見られていないため分類できないとした。 |
7 | 生殖毒性 | 区分外 | - | - | - | - | ラットに混餌投与による2世代試験(農薬評価書(2009)、農薬抄録(2007))、および3世代試験(JMPR WHO/FAO Data Sheets on Pesticides No.93(1996))において、3世代試験の高用量(5000 ppm)群で受胎率、生存率、哺育率が低下したが、同用量の母動物では後肢麻痺に加え死亡が観察されており、極めて高い用量段階においてのみ認められた有害影響と捉え、分類の根拠としなかった。その他の用量では後肢麻痺、体重や肝重量への影響など一般毒性の発現は見られたものの生殖指標に対する影響は認められなかった。一方、ラットおよびウサギの器官形成期に経口投与した試験(農薬評価書(2009)、農薬抄録(2007))で、体重、摂餌量、肝重量に影響が認められたものの、妊娠や発生に関する指標は対照群と比較して有意な差はなく、両動物種とも曝露に起因する奇形や変異の増加はなかったと報告されている。以上より、親の性機能および生殖能に対する悪影響、仔の発生に対する悪影響のいずれも認められなったことから区分外とした。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(神経系) | 危険 | H370: 臓器の障害(神経系) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトでメタアルデヒドの誤飲により痙攣(3日間)、昏睡(7日間)、記憶喪失が観察された(PIMs(1999))。ラットに100〜800 mg/kgを経口投与後、曲背位、嗜眠、立毛が見られ、散発的な症状として運動失調、全身の振せん、強直性痙攣などの記載がある(農薬評価書(2009)、農薬抄録(2007))。また、マウスに経口投与した試験においても30 及び100 mg/kg(いずれも区分1のガイダンス値内)ではそれぞれ9/10例及び全例の動物に強直性屈曲、伸展痙攣が発現した(農薬評価書(2009)、農薬抄録(2007))。以上の記載より区分1(神経系)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(神経系、肝臓、精巣) | 警告 | H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(神経系、肝臓、精巣) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを用いた107週間混餌投与試験において20〜100 mg/kg/day bwで後肢麻痺が観察され、高用量では脊髄損傷も認められている(JMPR WHO/FAO Data Sheets on Pesticides No.93(1996))。また、イヌの52週間混餌投与試験の90 mg/kg/day群で、運動失調、振戦、痙攣および雄で精巣巨細胞を伴う精上皮の限局性萎縮または変性、前立腺の萎縮などの症状が観察されている(農薬評価書(2009)、農薬抄録(2007))。これらの症状はガイダンス値区分2の範囲に該当する用量で発現していることから、区分2(神経系、精巣)とした。一方、ラットを用いた90日間混餌投与試験の750及び2500 ppm(約37.5及び125 mg/kg/day相当)で雌雄の肝臓に病理学的変化(小葉中心性肝細胞肥大)が認められ、マウスの90日間混餌投与試験では10000 ppmで肝細胞壊死、肥大、過形成、炎症、核大小不同、肝細胞空胞化等が認められ、100及び300 ppm(15及び45 mg/kg/day)でも軽微ながらこれらの変化が認められたと記述されている(農薬評価書(2009)、農薬抄録(2007))ことから、区分2(肝臓)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分外 | - | - | - | - | 魚類(ブルーギル)での96時間LC50=149.8 mg/L(AQUIRE, 2010)であることから、区分外とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 急性毒性区分外であり、難水溶性でなく(水溶解度:222 mg/L(PHYSPROP Database, 2009))、低濃縮性(LogKow=0.22、既存点検, 2004)であることから、区分外とした。 |
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