GHS分類結果

名称:4-ニトロ-ο-フェニレンジアミン・塩酸塩
CAS番号:53209-19-1

結果:
物質ID: 21A3663
分類実施者: 厚生労働省、環境省
分類実施年度: 平成21年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類できない - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団(ニトロ基)を含むが、他にデータがなく、分類できないとした。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データなし。
8 自己反応性化学品 分類できない - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団(ニトロ基)を含むが、他にデータがなく、分類できないとした。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 分類できない - - - - データなし。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - データなし。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - 塩素を含むが、この塩素が水素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - -O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外 - - - - 本物質そのものの情報はないが、フリー体の 4-nitro-o-Phenylenediamine(CAS No. 99-56-9)は、ラットLD50値が 3720 mg/kg bw(in oil-in-water emulsion, 塩酸塩換算で4807 mg/kg bw)(IARC vol.16(1978))より、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5)とした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHS定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - 本物質そのものの情報はないが、フリー体の 4-nitro-o-Phenylenediamine(CAS No. 99-56-9)は、ウサギを用いた皮膚刺激性試験で、水性トラガントゴム溶液中の濃度 2.5% で 皮膚一次刺激指数 PII = 0、エタノール溶媒中の濃度 5.0% で PII = 0.38 であり、「ウサギ皮膚に刺激性がなかった」(HSDB(2008))との報告があることから区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分外 - - - - 本物質そのものの情報はないが、フリー体の 4-nitro-o-Phenylenediamine(CAS No. 99-56-9)は、ウサギを用いた眼刺激性試験で、水性トラガントゴム溶液中の濃度 2.5% では24時間以上持続しない軽度の結膜刺激(mild conjunctival irritation)が観察され、濃度 100% では Draize score(3.0/110)であり、「ウサギ眼に刺激性がなかった」(HSDB(2008))との報告があることから区分外とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 区分1 警告 H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。
P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。
P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。
P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。
P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質そのものの情報はないが、フリー体の 4-nitro-o-Phenylenediamine(CAS No. 99-56-9)は、モルモットを用いた皮膚感作性試験で、他物質(増粘剤、アルコール類他)を含む水溶液中の濃度 3% で、「20匹中4匹で感作性があった」(HSDB(2008))との報告があることから区分1とした。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - 本物質そのもののin vivo試験の情報はないが、フリー体の 4-nitro-o-Phenylenediamine(CAS No. 99-56-9)は、ラットを用いた優性致死試験(腹腔内投与)で陰性(IARC vol.16(1978))、げっ歯類(ラット、マウス、ハムスター)の骨髄を用いた複数の小核試験(経口、腹腔内投与)で陰性(IARC vol.16(1978)、NTP TR-180(1979)、NTP DB(access on Oct.2009)、HSDB(2008))であることから区分外とした。 本物質のin vitro 試験では、エームス試験で陽性、および、チャイニーズハムスター肺由来細胞を用いる染色体異常試験で陽性(変異原性試験データ集 補遺版(1997))との報告があり、厚生労働省より変異原性が認められた既存化学物質として公表(平成9年基発第2号-3(1997))されている。
6 発がん性 区分外 - - - - 本物質そのものの情報はないが、フリー体の 4-nitro-o-Phenylenediamine(CAS No. 99-56-9)がIARCで、Group 3 に分類されている(IARC Suppl.7(1987))ことから区分外とした。4-nitro-o-Phenylenediamine は、ラットを用いた103週のがん原性試験(混餌)、および、マウスを用いた102週のがん原性試験(混餌)で発がん性を示さなかった(NTP TR-180(1979))との報告がある。
7 生殖毒性 区分2 警告 H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
本物質そのものの情報はないが、フリー体の 4-nitro-o-Phenylenediamine (CAS No. 99-56-9) は、マウスへの妊娠6-15日の皮下投与試験で.親動物に影響のある用量で口蓋裂と血管異常の増加がみられた(Teratogenic (12th, 2007),HSDB(2008))ことから区分2とした。なお、妊娠中ラットへの投与(経皮、混餌)、妊娠中ウサギへの強制経口投与で催奇形性を示さなかった (IARC vol.16 (1978)、NTP TR-180 (1979)) との報告もある。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - データなし。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - データがなく分類できない。 なお、フリー体の 4-nitro-o-Phenylenediamine(CAS No. 99-56-9)は、他との混合物での試験であるが、ウサギを用いた13週の慢性毒性試験(経皮)で、「血液検査および尿検査で有意な変化を示さなかった」(IARC vol.16(1978))との報告がある。同様に、他の染料との混合物の試験であるが、イヌを用いた慢性毒性試験(混餌)(期間不明)で、「血液検査および尿検査は有意な変化を示さなかった」(IARC vol.16(1978))との報告もある。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データなし。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データなし。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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