GHS分類結果

名称:プロピレン三量体
CAS番号:13987-01-4

結果:
物質ID: 21A3638
分類実施者: 厚生労働省、環境省
分類実施年度: 平成21年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分2 危険 H225: 引火性の高い液体及び蒸気 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。
P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P233: 容器を密閉しておくこと。
P240: 容器を接地すること/アースをとること。
P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。
P242: 火花を発生させない工具を使用すること。
P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
引火点 が24℃ [開放式] 初留点133-142℃(NFPA(13th, 2006))であり、UNRTDG(UN2057)で クラス3、PGII、IIIに分類されている。これにより、密閉式の引火点は、<23℃であると判断され、また初溜点>35℃の範囲であるので、区分2に該当すると判断した。なお、UN2057のPGIIIは区分3となる。従って製品によって試験を行い区分を確定すること
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 タイプG - - - - 分子内に自己反応性の原子団(不飽和結合)を含むが、UNRTDG(UN2057)クラス3に分類されており、上位の自己反応性(クラス4.1)には該当しないためタイプGと判断した。
9 自然発火性液体 区分外 - - - - 発火点が 260℃(ホンメル(1996))であり発火点70℃を超える液体のため、区分外とした。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - 分子内に、酸素、フッ素または塩素を含んでいない。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - -O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない - - - - データがなく分類できない。 なお、類縁物質のラットLD50値について、 CAS No. 68526-55-6 (Alkenes, C8-10, C9-rich) は、> 2332 mg/kg (SIDS (2004)) 、CAS No. 97593-01-6 (Alkenes, C8-10, C9-rich)は、> 2350 mg/kg (IUCLID (2000))、CAS No. 27215-95-8 (Nonene) は、2100 mg/kg (IUCLID (2000))であり、いずれもJIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5)に該当する。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データがなく分類できない。 なお、類縁物質のウサギLD50値について、 CAS No. 68526-55-6 (Alkenes, C8-10, C9-rich) は、> 2332 mg/kg (SIDS (2004)) 、CAS No. 97593-01-6 (Alkenes, C8-10, C9-rich)は、> 2350 mg/kg (IUCLID (2000))、CAS No. 27215-95-8 (Nonene) は、5000 mg/kg (IUCLID (2000))であり、いずれもJIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5)に該当する。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHS定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データがなく分類できない。 なお、類縁物質のラットLC50値について、CAS No. 68526-55-6 (Alkenes, C8-10, C9-rich) は、> 13.6 mg/L (vapor) (4時間換算値) (SIDS (2004))、CAS No. 97593-01-6 (Alkenes, C8-10, C9-rich)は、22.7 mg/L (IUCLID (2000)) であり、区分4または区分外に該当する。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - データがなく分類できない。 なお、ウサギを用いた24時間密閉皮膚刺激性試験において類縁物質の CAS No. 68526-55-6(Alkenes, C8-10, C9-rich)及びCAS No. 97593-01-6(Alkenes, C8-10, C9-rich)は、軽度の紅斑及び落屑を伴う皮膚刺激を生じたとの記述(SIDS(2004)、IUCLID(2000))があり、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分3)に該当する。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - データがなく分類できない。 なお、ウサギを用いた眼刺激性試験(Draize法)において類縁物質の CAS No. 68526-55-6(Alkenes, C8-10, C9-rich)は、「24時間以内に完全に消失した軽度の結膜刺激(mild conjunctival irritation)を生じた」との記述(SIDS(2004))、同様の試験でCAS No. 97593-01-6(Alkenes, C8-10, C9-rich)は、「わずかな刺激(slightly irritating)」との記述(IUCLID(2000))記述があり、これらは区分外に該当する。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データがなく分類できない。 なお、類縁物質の CAS No. 97593-01-6(Alkenes, C8-10, C9-rich)は、モルモットを用いた皮膚感作性試験(Maximization test(OECD Guide-line 406))で陰性との報告(IUCLID(2000))がある。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - データがなく分類できない。 なお、類縁物質の CAS No. 68526-55-6 (Alkenes, C8-10, C9-rich) 及びCAS No. 97593-01-6 (Alkenes, C8-10, C9-rich) は、マウス骨髄を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験、GLP)で陰性の結果 (SIDS (2004)、IUCLID(2000))より、区分外に該当する。両物質の微生物を用いた突然変異試験(in vitro 変異原性試験、GLP)の結果も陰性 (SIDS (2004)、IUCLID(200))であった。
6 発がん性 分類できない - - - - データなし。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データなし。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - データなし。 なお、類縁物質のCAS No. 68526-55-6 (Alkenes, C8-10, C9-rich) に関しては、ラットを用いた経口投与試験(SIDS (2004))において鼻漏、副腎のうっ血が高用量群(73.8 mg/kg以上.)でみられ、ウサギを用いた経皮投与試験(SIDS (2004))において73.8 mg/kg.の用量でアトニーがみられ、マウス、ラット及びモルモットの吸入試験(SIDS (2004))において11.1mg/Lの用量でマウスに呼吸困難、ラットに四肢の運動失調及び嗜眠状態、モルモットに軽度の振戦がみられた。従って標的臓器は、呼吸器、中枢神経、副腎と考えられ、分類は区分1(鼻腔、副腎)、区分2(呼吸器、中枢神経)と考えられる。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - データなし。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データがなく分類できない。 なお、類縁物質のノネン(Nonene)は、「経口摂取時に吸引性呼吸器有害性がある」「皮膚、目、鼻、喉を刺激し、高濃度では麻酔作用がある。」(PATTY(5th, 2001))との記述がある。 また、炭素数C6からC18のアルケンについて、ラットを用いた動物実験で吸引性呼吸器有害性が評価され、C8からC14のアルケンに曝露したすべての動物は24時間以内に死亡し、影響を受けた動物には化学肺炎が見られたことより、C6からC14のアルケンに明確な吸引性呼吸器有害性があると、報告書は結論づけている(SIDS(2004))。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データ不足のため分類できない。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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