名称:アフラトキシン
CAS番号:1402-68-2
物質ID: | 21A3620 |
分類実施者: | 厚生労働省、環境省 |
分類実施年度: | 平成21年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | 常温で固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | 常温で固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | 常温で固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 常温で固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性・自己反応性に関連する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 常温で固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 常温で固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | フッ素または塩素を含まず酸素を含むが、この酸素が炭素、水素以外の元素と化学結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分2 | 危険 | H300: 飲み込むと生命に危険 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットに対するアフラトキシンB1のLD50値が 7.2 mg/kg bw(雄)、17.9 mg/kg bw(雌)である(EHC 11(1979))との情報に基づいて区分2とした。 本物質(Aflatoxins: Cas No.1402-68-2)は分子構造が少しづつ異なるAfratoxin B1, B2, G1, G2, M1等および、それらの混合物よりなる。有害性の分類については主として最も毒性が強いとされるB1のデータに基づいた分類とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | 常温で固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分2 | 警告 | H341: 遺伝性疾患のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
アフラトキシンB1について、ラットの脾臓リンパ球 HPRT locus を用いる遺伝子突然変異試験で陽性、ラットの骨髄を用いる小核試験で陽性、マウスあるいはラットの骨髄を用いる染色体異常試験で陽性のデータがあり(IARC 82(2002))、マウスの骨髄を用いる小核試験あるいは、トランスジェニクマウスを用いる遺伝子突然変異試験で陰性データがある(IARC 82(2002))。体細胞を用いる in vivo 変異原性試験で陽性結果があるが、in vivo生殖細胞変異原性試験のデータないことから、区分2とした。 なお、in vitro では、エームズ試験(NTP DB(access on Sep.2009))、体細胞遺伝子突然変異試験および小核試験(IARC 82(2002))で、それぞれ陽性結果がある。 | |
6 | 発がん性 | 区分1A | 危険 | H350: 発がんのおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
IARCの分類グループ1(IARC 56(1993))に基づいて区分1Aとした。 ラットに混餌で約1年間投与した試験において、用量に比例して肝臓がん発生率が増大したとの報告(IARC 56(1993))の他に、実験動物を用いた発がん性試験で主に肝臓がんの陽性結果(IARC 56(1993))が多数報告されている。 | |
7 | 生殖毒性 | 区分1B | 危険 | H360: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれ |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットに用量0.3 mg/kg/dを妊娠11-14日目または、15-18日目に皮下投与した試験で、生存胎仔数、仔の学習能力障害等が見られたが親の体重には影響なく、仔の影響は早い時期に投与した方が、より強かったとの報告(IARC 82(2002))、あるいは、マウスに用量4 mg/kgを妊娠8日目または9日目に単回胃管投与した試験で、妊娠8日目投与群のみ、胎仔61匹中7匹に影響(脳脱出=4、開眼=3匹、腸突出=2)が見られたデータ(IARC 56(1993))がある。ケニヤの妊婦におけるアフラトキシンのばく露と出生率の低下、奇形の関連が報告されており、さらにCatalog of Teratogenic agents(11th ed, Johns Hopkins Univ. Press(2004))に催奇形性物質とされていることから区分1Bとした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(肝臓) | 危険 | H370: 臓器の障害(肝臓) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
サルを用いた経口単回投与試験で、用量1.8 mg/kgでは3ヶ月間で5匹死亡し、小葉中心性壊死、胆管増殖、および線維化が見られ、生き残った2匹中1匹では3年後に結節性肝硬変が見られたデータ (EHC 11(1979)) 、サルに経口単回投与して、用量13.5 mg/kg以上では149時間以内に全て死亡し、肝細胞小葉中間帯壊死等の肝臓所見の他に神経変性を伴う脳水腫が見られたデータ (EHC 11(1979)) 、ウサギに経皮投与して、用量1.4 mg/kg以上で8/10匹に肝細胞小葉中心性壊死が見られたデータ (IARC 56(1993))、あるいは、ラットの急性経口毒性試験において、肝臓以外にも、副腎出血、うっ血肺、あるいは、心筋、腎臓、脾臓の斑状壊死が見られたとのデータ (EHC 11(1979)) があり、区分1のガイダンスの範囲内で影響が見られる。更にマレーシアにおける子供の中毒事例で肝性脳症が見られた報告 (IARC 82(2002))、あるいは、ビーフンを食べて血液と臓器にアフラトキシンが検出された子供の事例7件で、肝酵素の血清中濃度上昇を伴う肝機能不全が報告(IARC 82 (2002))されていることから区分1とした。 なお、ウサギで肝臓以外の所見が無く(IARC 56(1993))、脳水腫が見られたサルの試験でも、「最も首尾一貫した病理所見は肝臓の脂肪変性である」との報告 (EHC 11(1979))があることから、標的臓器は肝臓のみとした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1 (肝臓) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(肝臓) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
サルを用いた反復投与試験において、用量1m/kg/dでは22日以内に35匹全数死亡し、広範囲の出血性壊死が見られ、0.25 mg/kg bw×週2回×5ヶ月投与群では、24匹全数に肝臓の変化(胆管増殖や多核細胞、巨大細胞)が見られたデータ (EHC 11 (1979)) があり、区分1のガイダンスの範囲内で影響が見られる。疫学情報でもインドにおけるアフラトキシン中毒症例 (患者397人中106人死亡) で、黄疸、発熱、腹水、足浮腫、嘔吐の症状が見られ、ケニアにおける死亡を伴った黄疸の大量発生事例では、肝細胞小葉中心性の壊死が見られた報告 (いずれもIARC 56 (1993)) があることから、区分1 (肝臓) とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
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