GHS分類結果

名称:1, 5, 9-シクロドデカトリエン
CAS番号:4904-61-4

結果:
物質ID: 21A3605
分類実施者: 厚生労働省・環境省
分類実施年度: 平成21年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分4 - 警告 H227: 可燃性液体 P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。
P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
引火点93℃ [密閉式](ホンメル(1996))は > 60℃ かつ ≦93℃ であることから、区分4に該当する。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 タイプG - - - - 分子内に自己反応性に関連する原子団(不飽和結合)を含が、UNRTDG(UN2598)でクラス6.1PGIIIであり上位の自己反応性に該当しないと考えられるためタイプGと判断した。
9 自然発火性液体 区分外 - - - - 発火点は244℃であり(ホンメル(1996))、70℃を超える。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - 酸素、フッ素および塩素を含んでいない有機化合物である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - -O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分外 - - - - ラットLD50値は4150 - 4664 mg/kg bw(OECD TG 401準拠;IUCLID(2000))に基づき、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5)とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ラットLD50値は> 3600 mg/kg bw(IUCLID(2000))に基づき、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5または区分外)とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分外 - - - - ラットLC50値は7.5 - 8.9 mg/L/6h(4時間換算値11.25 - 13.35 mg/L/4h)(IUCLID(2000))に基づき、区分外とした。なお、実測のLC50値(7.5-8.9 mg/L)が飽和蒸気圧濃度(0.728 mg/L)より高いので、ミストの基準値を適用した。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - ウサギを用いた試験(OECD TG 404)において、紅斑および浮腫のスコアがそれぞれ1.00および0.61、刺激指数1.25/8で、刺激性なし(not irritating)の結果(IUCLID(2000))、さらにウサギを用いた別の試験(GLP準拠)においても紅斑および浮腫のスコアはそれぞれ1.35および0.79で刺激性なし(not irritating)との結果が報告されている(IUCLID(2000))ので、区分外とした。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分外 - - - - ウサギを用いた試験(OECD TG 405)において、角膜混濁、虹彩炎、結膜発赤、および結膜浮腫ののスコアがそれぞれ0.17、0、0.50、および0.22、刺激指数3/110で、刺激性なし(not irritating)の結果(IUCLID(2000))に基づき区分外とした。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 区分外 - - - - モルモットを用いたマキシマイゼーション試験で陽性率5〜10%(1/20〜2/20)で感作性なし(not sensitizing)(IUCLID(2000))、また、モルモットを用いた別のマキシマイゼーション試験(GLP準拠)でも陽性率0%(0/20)で感作性なし(not sensitizing)(IUCLID(2000))と報告されている。モルモットを用いた異なる2件のマキシマイゼーション試験の陰性結果に基づき、区分外とした。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - in vivoの試験データがなく分類できない。なお、in vitro変異原性試験としてサルモネラ菌、大腸菌を用いる復帰突然変異試験で陰性(IUCLID(2000))の報告がある。
6 発がん性 分類できない - - - - データなし。
7 生殖毒性 分類できない - - - - データなし。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - ラットの急性経口毒性試験(OECD TG 401)において、投与30分後に不穏、反応性低下、振戦、痙攣等の症状が現れ、死亡例の剖検では胃腸粘膜の発赤が見られた(IUCLID(2000))。また、ラットの急性吸入毒性試験では喘ぎ、攣縮、重度の筋痙攣が観察された(IUCLID(2000))。LD50値が経口で4150-4664 mg/kg、吸入で11.25-13.35 mg/L/4hより、いずれもガイダンス値区分2の上限を超える用量での所見と考えられ、ガイダンス値範囲での影響が不明のため「分類できない」とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - データなし。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - 甲殻類(オオミジンコ)での48時間EC50=5 mg/L(IUCLID, 2000)であるが、水溶解度=0.39 mg/L(PHYSPROP Database, 2009)であり、有害性を示した濃度を特定することができない。このため、データ不足のため分類できないとした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分4 - - H413: 長期継続的影響によって水生生物に有害のおそれ P273: 環境への放出を避けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
水溶解度までの濃度で毒性値が確認できないが、水溶解度=0.39 mg/L(PHYSPROP Database, 2009)より難水溶性であり、急速分解性がなく(既存点検, 2003)、コイによる濃縮度試験での10週間でのBCFの最高値が14, 800(既存点検, 2003)より生物濃縮性を示すことから、区分4とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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