名称:フッ化水素ナトリウム
CAS番号:1333-83-1
物質ID: | 21A3602 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成21年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ホンメル(1996))である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性・自己反応性に関連する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ホンメル(1996))である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ホンメル(1996))である。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 水溶解度について2.25 g/100g H2O(Lide(88th, 2008))というデータがあり、水に対して安定であると考えられる。なお、水中で徐ーに反応して腐食性の水溶液となるが、この反応は危険なものではない(Weiss(2nd, 1986))という情報がある。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 無機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。なお、UNRTDG(UN2439)でクラス8PGIIに分類されている。また、「この物質は固体状態および乾燥状態では、大部分の普通の包装材料に腐食作用を及ぼさない。湿気、水蒸気又は水が存在するとき、強い腐食作用をもつ水溶液が生じ多くの金属に強い腐食作用を及ぼす」(ホンメル(1996))という情報がある。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 なお、健康有害性に関してはフッ化ナトリウム(CAS 7681-49-4)も参照のこと。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。なお、EU分類でC; R34(EU-Annex I(2009))に分類されている。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。なお、フッ化ナトリウム(CAS 7681-49-4)のデータとして、マウスの骨髄細胞を用いたin vivo小核試験や染色体異常試験での陽性知見はあるものの、いずれも腹腔内投与であり、経口投与では陰性であり(ATSDR(2003))、ヒトにおけるハザード評価においては区分外が妥当と判断される。 |
6 | 発がん性 | 区分外 | - | - | - | - | IARCで無機フッ化物としてグループ3(IARC Supplement7(1987))に分類されている。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分1(呼吸器) | 危険 | H370: 臓器の障害(呼吸器) |
P307+P311: 暴露した場合:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
本物質のデータはないが、ヒトの影響としてフッ化物中毒による死亡例では呼吸器麻痺による死亡が通例であるとの記述から区分1(呼吸器)とした(IARC vol.27(1982))。なお、無機フッ素化合物の致死量は50-225 mg/kgであり、解剖では急性の腹部臓器のうっ血と、肝臓、腎臓及び尿細管の腫れ、肺の出血、右心室の拡大が見られるとの報告もある(IARC vol.27(1982))。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分1(歯、骨、腎臓) | 危険 | H372: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害(歯、骨、腎臓) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
本物質のデータはないが、ヒトの影響として慢性的なフッ素化合物のばく露では歯、骨、腎臓に影響が認められており、連続的な無機フッ素化合物の摂取により骨にフッ化物が蓄積し骨硬化症を促進さる。飲料水中のフッ素濃度が5-16.2 ppmの地域では、尿素クリアランスと糸球体ろ過率が低下し、血中尿素が上昇した。それに加え骨格の変化、腎臓結石発症の増加が報告されている。また飲料水または食料中の一日のフッ素摂取濃度が2 ppm以上で歯にフッ素沈着症が見られるとの報告(IARC vol.27(1982))があることから区分1(歯、骨、腎臓)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
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