GHS分類結果

名称:クロロトリフルオロエチレン
CAS番号:79-38-9

結果:
物質ID: 21A3544
分類実施者: 厚生労働省・環境省
分類実施年度: 平成21年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 区分1 危険 H220: 極めて可燃性又は引火性の高いガス P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P377: 漏洩ガス火災の場合:漏洩が安全に停止されない限り消火しないこと。
P381: 安全に対処できるならば着火源を除去すること。
P403: 換気の良い場所で保管すること。
UNRTDGでclass2.3(2.1)(UnNo.1082)に分類されている。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 区分外 - - - - UNRTDGでclass2.3(2.1)(UnNo.1082)に分類され、引火性ガスである。
5 高圧ガス 低圧液化ガス 警告 H280: 高圧ガス:熱すると爆発のおそれ P410+P403: 日光から遮断し、換気の良い場所で保管すること。 臨界温度が105.8℃(Ullmanns(E)(6th, 2003)、ホンメル(1996))、106.2℃(Weiss(2nd, 1986))で、65℃超である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
11 自己発熱性化学品 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 気体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない - - - - データ不足で分類できない。マウスのLD50値268 mg/kg(RTECS(2006)、元文献:Acta Biologica et Medica Germanica.(Berlin, Ger. Dem. Rep.)V.1-41, 1958-82. For publisher information, see BBIADT. 21, 377, 1968)の結果があるが、ガス状物質を溶解させて投与した試験であり、分類できないとした。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類できない - - - - データ不足で分類できない。なお、ラットのLC50値1000ppm/4h(RTECS(2006))のデータがある。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - データなし。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - データなし。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データなし。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - データなし。
6 発がん性 分類できない - - - - データなし。
7 生殖毒性 分類できない - - - - ラットの妊娠6-19日に吸入ばく露した試験で、親動物が体重増加抑制を示した用量で胚毒性、催奇形性、胎仔毒性は見られなかった(HSDB(2003))が、性機能および生殖能に及ぼす影響に関してデータ不足で分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 区分2(腎臓) 警告 H371: 臓器の障害のおそれ(腎臓) P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットに100〜540 ppmを4時間吸入ばく露後2日以内に用量に相関した近位尿細管壊死とともに、尿フッ化物、尿中LDH、血清クレアチニンと尿素窒素の増加が認められ(HSDB(2003))、用量的にガイダンス値範囲区分2に相当していることから区分2(腎臓)とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(腎臓) 警告 H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(腎臓) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットにを用い1097-1240または491-539 mg/m3を7週間吸入ばく露(6 hrs/day、90日換算:104-118 ppm または 47-51 ppm)により腎尿細管の変性、壊死が観察され(HSDB(2003))、241 ppmを2週間吸入ばく露(6 hrs/day、90日換算:37 ppm)した場合には中毒性ネフローゼの徴候が見られている(HSDB(2003))。さらに29〜121 ppmを13週間吸入ばく露した試験では、生化学検査指標、臓器重量および組織学的検査の用量に相関した変化により腎臓毒性が明らかとなり、腎臓皮質中央部では腫大した上皮細胞が拡張した腎尿細管に沿って並ぶ組織像を呈した(HSDB(2003))。以上の腎臓における毒性影響はいずれもガイダンス値範囲区分1に相当する用量まで及んでいるが、List2の情報であることから区分2(腎臓)とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データなし。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データなし。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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