GHS分類結果

名称:1, 1, 1-トリフルオロエタン
CAS番号:420-46-2

結果:
物質ID: 21A3536
分類実施者: 厚生労働省・環境省
分類実施年度: 平成21年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 区分1 危険 H220: 極めて可燃性又は引火性の高いガス P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P377: 漏洩ガス火災の場合:漏洩が安全に停止されない限り消火しないこと。
P381: 安全に対処できるならば着火源を除去すること。
P403: 換気の良い場所で保管すること。
濃度が13vol%以下の空気との混合気が可燃性であり(爆発範囲4.5-19vol%(ホンメル(1996)))、さらにUNRTDG(UN2035)クラス2.1に分類されている。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 区分外 - - - - 引火性ガス(UNRTDG(UN2035)Class 2.1である。
5 高圧ガス 低圧液化ガス 警告 H280: 高圧ガス:熱すると爆発のおそれ P410+P403: 日光から遮断し、換気の良い場所で保管すること。 臨界温度(73.6℃(Ullmanns(E)(6th, 2003)))が+65℃を超えている。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
11 自己発熱性化学品 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - GHSの定義におけるガスである。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 気体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(経皮) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:ガス) 区分外 - - - - ラットLC50 >540000 ppm/4hおよび>600000 ppm/4h(共にECETOC JACC52(2006))に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類対象外 - - - - GHS定義におけるガスである。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類対象外 - - - - GHS定義におけるガスである。
2 皮膚腐食性/刺激性 分類できない - - - - データなし。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 分類できない - - - - データなし。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データなし。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - マウスの吸入による骨髄細胞を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)の陰性結果(ECETOC JACC No.52(2006))に基づき、区分外とした。なお、in vitro試験については、エームス試験の結果は概ね陰性であったが、TA100とTA1535の2菌株について行われた1試験のみ陽性(ECETOC JACC No.52(2006))であった。また、ヒトのリンパ球を用いた染色体異常試験およびハムスターの腎線維芽細胞を用いた細胞形質転換試験はいずれも陰性(ECETOC JACC No.52(2006))であった。
6 発がん性 分類できない - - - - データ不足。なお、動物数の少ない1用量のみの経口投与による限定された試験であるが、ラットに52週間投与後さらに73週間経過してから検査を行い、腫瘍性病変あるいは非腫瘍性病変とも試験物質に関連する影響は認められなかった(ECETOC JACC52(2006))との報告がある。
7 生殖毒性 分類できない - - - - ラットあるいはウサギを用い器官形成期に吸入暴露した試験において、両動物種とも催奇形性を含む仔の発生に対する悪影響は認められていない(ECETOC JACC.52(2006))が、親動物の性機能および生殖能に及ぼす影響については試験データがなく分類できない。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - ラットを用いた急性吸入毒性試験において、ガイダンス値範囲を大きく超える540000 ppmあるいは600000 ppmの濃度を4時間ばく露により、死亡はなく、臨床症状、剖検所見および臓器重量にもばく露の影響が認められなかった(ECETOC JACC52(2006))ことから、吸入経路では区分外に相当するが、他経路のデータがないため「分類できない」とした。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - ラットに2000〜39000 ppmを4週間吸入ばく露した試験(90日換算ばく露濃度:615〜12000 ppm)において、精巣の変性を除き重大な毒性変化は見られず、また、この精巣の変化もばく露方法に関係する交絡因子によるものとされた(ECETOC JACC52(2006))。その確認のため、精巣の病理組織学的検査に的を絞った4週間の吸入試験が再度実施された結果、ばく露された動物の精巣に病理組織学的変化は認められていない(ECETOC JACC52(2006))。さらに、ラットを用いた13週間吸入ばく露試験ではNOAELは40000 ppmと報告されている(ECETOC JACC52(2006))。したがって、吸入経路では区分外に相当するが、他経路のデータがないため「分類できない」とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類対象外 - - - - GHS定義におけるガスである。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 分類できない - - - - データなし。
11 水生環境有害性(長期間) 分類できない - - - - データなし。


分類結果の利用に関する注意事項:
 政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。
 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

厚生労働省モデルラベル

職場のあんぜんサイトへ

厚生労働省モデルSDS

職場のあんぜんサイトへ


GHS関連情報トップページに戻る