名称:ブロモ酢酸
CAS番号:79-08-3
物質ID: | 21A3527 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成21年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属又は半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素を含む有機化合物であるが、この酸素は炭素・水素以外と結合していない。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。なおcorrosive to most metals(IMDG(2006)という情報がある。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 急性毒性(経口) | 区分3 | 危険 | H301: 飲み込むと有毒 |
P301+P310: 飲み込んだ場合:直ちに医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P330: 口をすすぐこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットのLD50値 177 mg/kg bw(EHC No. 216(2000))に基づき区分3とした。なお、EU分類はR25である。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足で分類できない。なお、ラットのLD50=100 mg/kg bw(RTECS(2008))、ウサギのLD50=59.9 mg/kg bw(RTECS(2008))、EU分類はR24である(EU-Annex I(2009))。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義による固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足で分類できない。なお、ラットのLCLoは114 mg/L/0.5h(= 14.25 mg/L/4h)である(RTECS(2008))。LCLoは飽和蒸気圧濃度(0.89 mg/L)より高いので粉塵として扱った。また、EU分類ではR23(EU-Annex I(2009))とされている。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 | 危険 | H314: 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 |
P301+P330+P331: 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトにおける毒性として皮膚との接触は重度の熱傷をもたらすとの記載(HSDB(2009))があり、EUでR35に分類されている(EU-Annex I(2009))ことに基づき区分1とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | 危険 | H318: 重篤な眼の損傷 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 |
ヒトにおける毒性として眼との接触は重度の熱傷をもたらすとの記載(HSDB(2009))があり、かつ皮膚に対し腐食性を示していることから区分1とした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。なお、EUではR43に分類されているが、根拠となる情報が不明である。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | in vivo試験のデータがなく分類できない。なお、in vitro試験については、エームス試験で陽性(NTP DB(access on 08. 2009))、小核試験で陰性(EHC 216(2000))がそれぞれ報告されている。また、当該物質は労働安全衛生法第57条の3に基づき変異原性が認められた既存化学物質である。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | ラットの器官形成期に経口投与により母獣に体重増加抑制など一般毒性が発現している高投与群(100 mg/kg bw)において、主に心血管と頭蓋顔面の欠陥による内臓奇形の発生率の有意な増加が認められている(Birth Defects(3rd, 2000)、HSDB(2009))との記載があるが、この記載は「Symposium abstract」(Randall JL et al; Teratology 43(5): 454(1991))であり、試験の詳細は不明である。また雄ラットを用いた単回投与及び14日間の反復投与試験で生殖能に影響はなかったとの記載があるが(EHC No.216(2000))、いずれも一用量における試験であり、試験内容に関しても詳細は不明である。その他に試験データはなく以上の報告だけではデータ不足で分類できない。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(呼吸器系) | 警告 | H371: 臓器の障害のおそれ(呼吸器系) |
P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
吸入により粘膜組織および上気道に対し極めて重度の損傷を与えるとの記述(HSDB(2009))、また、痙縮、喉頭炎および気管支の炎症と浮腫、化学性肺炎、肺水腫を起こす可能性に加え、ばく露による症状として灼熱感、咳、喘鳴、喉頭炎、息切れなどが記載されている(HSDB(2009))こと、そしていずれもList 2の情報であることから、区分2(呼吸器系)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
11 | 水生環境有害性(急性) | 区分2 | - | - | H401: 水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
藻類(セネデスムス)による72時間ErC50 = 1.4 mg/L(AQUIRE, 2010)であることから、区分2とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分2 | - | H411: 長期継続的影響によって水生生物に毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分2であり、急速分解性に関する適切なデータがないことから、区分2とした。 |
政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |
使用マニュアル |
|
解説・用語集(エクセルファイル) |
|
厚生労働省モデルラベル |
職場のあんぜんサイトへ |
厚生労働省モデルSDS |
職場のあんぜんサイトへ |