名称:5-エチル-2-メチルピリジン
CAS番号:104-90-5
物質ID: | 21A3521 |
分類実施者: | 厚生労働省、環境省 |
分類実施年度: | 平成21年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分4 | - | 警告 | H227: 可燃性液体 |
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
引火点70℃ [密閉式](SIDS(access on Jul. 2009))は > 60℃ かつ ≦93℃ であることから、区分4に該当する。 |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性・自己反応性に関連する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点503.9℃(HSDB(2003)は、70℃超である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素、フッ素、塩素を含まない有機化合物である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLD50値 1737 mg/kg bw(OECD TG401)および710 mg/kg(SIDS(1995))、800-1600 mg/kg(PATTY(5th, 2001))はいずれも区分4に該当している。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分3 | 危険 | H311: 皮膚に接触すると有毒 |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P312: 気分が悪いときは医師に連絡すること。 P322: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P361: 汚染された衣類を直ちに全て脱ぐこと。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ウサギLD50値は1000 mg/kg bw(SIDS(1995))に基づき、区分3とした。 | |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足で分類できない。なお、ラットLC50値は540ppm/4h(RTECS(2006))のデータがある。LC50が飽和蒸気圧濃度(1881ppm)の90%以下のため、ほとんどミストを含まない蒸気で試験されたと考えられる。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。なお、12000 ppm の用量で l時間又は40分、4000 ppmの用量で4時間又は20分のばく露で動物の死亡が見られている(PATTY(5th, 2001))。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分1 | 危険 | H314: 重篤な皮膚の薬傷及び眼の損傷 |
P301+P330+P331: 飲み込んだ場合:口をすすぐこと。無理に吐かせないこと。 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ウサギを用いた試験(OECD TG404)で、全適用部位が閉塞除去1時間後に黒く変色、1日目には硬化し凹凸状態となった。なお、適用部位周囲の皮膚は軽度〜中等度の浮腫と中等度〜重度の紅斑を示しが、観察期間の14日目には完全に消失した(SIDS(1995))。この結果に基づき、腐食性(corrosive)と判定されている(SIDS(1995))。また、本物質は皮膚に対する強い刺激物である、あるいは皮膚との接触により腐食性を示す(PATTY(5th, 2001))との知見に基づき区分1とした。 | |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分1 | 危険 | H318: 重篤な眼の損傷 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P310: 直ちに医師に連絡すること。 |
ウサギの眼に適用した試験において、傷害の程度を示す評点が最大値10に対し9であった(HSDB(2003))こと、眼に対する強い刺激物であると記載されている(PATTY(5th, 2001))こと、さらに皮膚腐食性物質と判定されていること(SIDS(1995))から区分1とした。 | |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | モルモットを用いた試験で本物質は皮膚感作性を起こさなかったとの記述(PATTY(5th, 2001))があるが、試験方法および感作された動物の比率などの結果の詳細も不明なため「分類できない」とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | マウスに経口投与後の赤血球を用いた小核試験(OECD TG474, GLP)(体細胞を用いた in vivo 変異原性試験)で陰性の結果(SIDS(1995))に基づき、区分外とした。なお、Ames 試験では陰性(SIDS(1995))、ヒトリンパ球を用いた染色体異常試験(in vitro 変異原性試験)では概ね陰性であったが一部に陽性結果(SIDS(1995))が報告されている。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットの経口投与による一世代試験(OECD TG421案)で、親動物での体重増加抑制、流涎などの一般毒性が発現している用量で、同腹の胎仔の全死亡が3例見られていることから区分2とした(SIDS(1995))。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(神経系) | 警告 | H371: 臓器の障害のおそれ(神経系) |
P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットの急性経口毒性試験(OECD TG401)におけるLD50値は1737 mg/kg(単回ばく露のガイダンス値区分2の範囲)であり、症状として嗜眠、流涙、運動失調、頻呼吸などが観察され(SIDS (1995))、一方、ピリジンおよびアルキル誘導体の主な作用に神経系抑制が記載されている(HSDB (2003))ことを考え合わせ、区分2(神経系)とした。なお、ラットの吸入ばく露により肺の気腫、うっ血、水腫が見出されているが、ガイダンス値範囲を超えた高濃度における所見である(PATTY (5th, 2001))。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットを用いた28日間反復経口投与毒性試験(OECD TG407)において、ガイダンスの区分2に相当する300 mg/kg/day(90日換算値:93.3 mg/kg/day)で肝臓と腎臓の相対重量の増加に加え、尿素窒素、クレアチニン、ASTの増加があり、95 mg/kg/day(90日換算値:29.5 mg/kg/day)以上では雄に硝子滴腎症が観察され(SIDS(1995))、標的器官として肝臓と腎臓が想定される。しかし、肝臓については検査値と重量の変化のみで組織学的変化に影響が見られず、また、腎臓の硝子滴腎症の所見は雄ラット特有の病変でヒトには当てはまらないとされているので、肝臓および腎臓とも分類の根拠としなかった。一方、ラットの10日間経口投与試験により、ガイダンスの区分2の用量に相当する300 mg/kgの用量(90日換算値:33.3 mg/kg)で、視床下部・下垂体系の神経分泌細胞の核融解を起こし、ゴースト細胞の出現が報告されている(HSDB(2003))が、この情報は他の評価書に記載がなく、またList 2の情報であり、具体的な有害影響との関連も不明である。以上より、ガイダンス値範囲内の用量で悪影響の証拠は得られておらず、ガイダンス値範囲を超えた用量ではデータがないので「分類できない」とした。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分3 | - | - | H402: 水生生物に有害 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)の48時間EC50 = 39.6 mg/L(SIDS, 2005)から区分3とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 急性毒性区分3であるが、急速分解性があり(OECD301Eでの分解度77%(SIDS, 2005))、かつ生物蓄積性が低いと推定される(log Kow = 2.27-2.52(SIDS, 2005))ことから、区分外とした。 |
政府による分類結果は、GHSに基づくSDSやラベル作成の際に自由に引用および複写を行うことができます。ただし、引用および複写をした上で作成されたSDS・ラベルの内容に対する責任は、SDS・ラベル作成者にあることにご留意ください。 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。 |
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