名称:1-ブロモ-3-クロロプロパン
CAS番号:109-70-6
物質ID: | 21A3507 |
分類実施者: | 厚生労働省・環境省 |
分類実施年度: | 平成21年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分3 | 警告 | H226: 引火性液体及び蒸気 |
P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P233: 容器を密閉しておくこと。 P240: 容器を接地すること/アースをとること。 P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。 P242: 火花を発生させない工具を使用すること。 P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
引火点57℃(ICSC(J)(2007))は≧ 23℃ かつ ≦60℃であるので区分3とした。ただし、当該物質は不燃性(ホンメル(1996))という情報もあり継続して燃焼しないと推察される。なお、引火点35℃以上であるが継続して燃焼しない場合、「輸送」については引火性液体とされないことがある(パープルブック2.6.2注記2)。 | |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性・自己反応性に関連する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ホンメル(1996)である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 不燃性(ホンメル(1996)である。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | 酸素、フッ素を含まず、塩素を含む有機化合物であるが、その塩素は炭素以外の元素と化学結合していない。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分4 | 警告 | H302: 飲み込むと有害 |
P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P330: 口をすすぐこと。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLD50 = 1300-2000 mg/kg(雄)、800-1300 mg/kg(雌)(OECD TG 401, GLP準拠; 厚労省報告(access on July 2009))に基づき、区分4とした。 | |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ラットLD50 >2000 mg/kg(EEC 84/449/EEC B.3, GLP準拠; IUCLID(2000))、ウサギLD50 = 3000 mg/kg(IUCLID(2000))に基づき、区分外(国連分類基準の区分5)とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHS定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 区分3 | 危険 | H331: 吸入すると有毒 |
P304+P340: 吸入した場合:空気の新鮮な場所に移し、呼吸しやすい姿勢で休息させること。 P403+P233: 換気の良い場所で保管すること。容器を密閉しておくこと。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P271: 屋外又は換気の良い場所でのみ使用すること。 P311: 医師に連絡すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットLC50 = 1129 ppm/4hr(雌)、1009 ppm/4hr(雄)(IUCLID(2000))に基づき、区分3とした。なお、LC50値は飽和蒸気濃度(54.3 mg/L(8420ppmV))の90%よりも低いことから、気体の分類基準値を適用した。 | |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギの皮膚に4時間適用した試験(EEC 84/449/EEC B.3, GLP準拠)において、浮腫のスコアは適用3および4日目に1の他は全て0、紅斑の平均スコアは3および4日目にそれぞれ0.67と1の他は全て0であり、刺激性なし(not irritating)との結果(IUCLID(2000))であった。また、ウサギに24時間適用による別の試験では、皮膚一次刺激指数が2.63(IUCLID(2000))であった。これらの試験結果から、JIS分類基準による区分外(国連GHSにおける区分3または区分外)とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギを用いた眼刺激性試験(Derective 84/449/EEC, B. 5, GLP準拠)において、一過性の角膜混濁と一過性の虹彩炎が認められたものの7日後には全て回復し、刺激性なし(Not irritating)との結果(IUCLID(2000))が得られていることから区分外とした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 分類できない | - | - | - | - | ラットに経口投与による優性致死試験(生殖細胞in vivo経世代変異原性試験)の結果は陰性(IUCLID(2000))であるが、ラットの長期吸入ばく露試験の結果として、骨髄細胞で対照群に比べ染色体異常数の増加が見られたとの相反する情報(IUCLID(2000))があるため、判断が困難であり「分類できない」とした。なお、in vitro試験では、細菌を用いた復帰突然変異試験でネズミチフス菌の一部菌株と大腸菌について陽性(厚労省(access on July 2009))、チャイニーズハムスター肺線維芽細胞株(CHL)を用いた染色体異常試験で陽性(厚労省(access on July 2009))の報告がある。 |
6 | 発がん性 | 区分2 | 警告 | H351: 発がんのおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットに2年間吸入暴露させた試験において、雄に肝細胞がんと肝細胞腺腫、雌に肝細胞がん、肝細胞腺腫及び肝血管肉腫の発生増加(日本バイオアッセイ研究センター:厚生労働省委託がん原性試験(2004))が認められ、マウス2年間吸入暴露させた試験では、雌雄共に、細気管支-肺胞上皮がんと細気管支-肺胞上皮腺腫の発生増加(日本バイオアッセイ研究センター:厚生労働省委託がん原性試験(2004))が認められ、いずれもがん原性を示す明らかな証拠であると報告されていることから区分2とした。 | |
7 | 生殖毒性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(中枢神経系) | 警告 | H371: 臓器の障害のおそれ(中枢神経系) |
P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットに500-2000 mg/kgを経口投与した試験(OECD TG 401、GLP準拠)において、一般症状として自発運動減少、腹臥位、歩行失調(厚労省報告(access on July 2009))、また800 - 1600 mg/kgを経口投与した別の試験では、よろめき歩行、嗜眠、呼吸数減少など(IUCLID(2000))が観察され、いずれも用量はガイダンス値区分2に相当している。さらに、ラットの4時間吸入ばく露(蒸気:LC50 = 6.5〜7.27 mg/L)試験の所見として脳神経組織の浮腫と腫脹の記載(IUCLID(2000))があり、実験動物の急性ばく露では中枢神経系の抑制(HSDB(2002))が報告されており、吸入試験の結果は、ガイダンス値から区分1相当であるが、List2の情報でありガイドラインおよびGLP準拠した試験ではなく区分2となる。以上の経口および吸入試験結果から区分2(中枢神経系)とした。なお上記のラット経口投与試験(OECD TG 401)で肺の退縮不全、肺水腫が認められたが、死亡例であること吸入ばく露経路では影響が認められていないことから分類の根拠としなかった。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(上気道、胃、肝臓、精巣) | 警告 | H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(上気道、胃、肝臓、精巣) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラット及びマウスの13週間吸入ばく露試験で、両動物種とも鼻腔・鼻咽頭において呼吸上皮の過形成、嗅上皮の剥離など、また、胃においては前胃の過形成、糜爛などの形態学的変化がそれぞれ認められている。それらの影響発生の下限用量は50 ppm/6h/day(0.322 mg/L/6h/day)であり、ガイダンス値区分2に相当していることから、区分2(上気道、胃)とした。一方、ラットを用いた経口による28日間反復投与試験(化審法毒性試験法およびGLPに準拠)の100 mg/kg/day(90日補正:31.1 mg/kg/day)以上の用量において、雌雄肝臓で小葉中心性肝細胞肥大と雄では精巣の精細管萎縮が認められ(厚労省報告(access on July 2009))、また、ラットに0.045 mg/Lを長期吸入ばく露による所見として、肝細胞の脂肪変性と間質組織細胞の限局性増殖、精子運動能の低下、精母細胞と精子の変性が記述されている(IUCLID(2000))。以上の結果は、経口または吸入ばく露によりそれぞれガイダンス値区分2または1の用量範囲で肝臓と精巣に対する有害影響を示しており、いずれもList 2の情報であることから区分2(肝臓、精巣)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 分類できない | - | - | - | - | データ不足のため分類できない。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
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