名称:亜リン酸トリエチル
CAS番号:122-52-1
物質ID: | 21A3505 |
分類実施者: | 厚生労働省、環境省 |
分類実施年度: | 平成21年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団を含まない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品でない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
6 | 引火性液体 | 区分3 | 警告 | H226: 引火性液体及び蒸気 |
P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。 P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。 P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。 P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。 P233: 容器を密閉しておくこと。 P240: 容器を接地すること/アースをとること。 P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。 P242: 火花を発生させない工具を使用すること。 P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
引火点54℃ [密閉式](ICSC(1997))は ≧ 23℃ かつ ≦60℃ であることから、区分3とした。なお、国連危険物輸送勧告でclass3、packing group III(UN No.2323)に分類されている。 | |
7 | 可燃性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性・自己反応性に関連する原子団を含まない。 |
9 | 自然発火性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 発火点250℃(ホンメル(1996)、HSDB(2007))は、70℃超である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 液体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 区分外 | - | - | - | - | 半金属のリンを含む有機化合物で、速やかに加水分解される(SIDS(2003))。またUNRTDGではUN2323クラス3PGIIIである。優先順位表から上位のクラス4.3(水反応可燃性)に分類されていないことから区分外とした。 |
13 | 酸化性液体 | 区分外 | - | - | - | - | 引火性液体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | -O-O-構造を有していない有機化合物である。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットのLD50値が4件(.>2385 mg/kg bw(雄)、1840 mg/kg bw(雌)、2470 mg/kg bw(雄)、4000 mg/kg bw)[SIDS(2003)] あり、1件が区分4、3件がJIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5)に該当することから、区分外とした。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ウサギのLD50値、2800 mg/kg bw(雄)、>3000 mg/kg bw(雌)(SIDS(2003))に基づき、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5)とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における液体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 区分外 | - | - | - | - | ラットのLC50値 11.6 mg/L/6h = 14.2 mg/L/4h(雄)、11.1 mg/L/6h = 13.6 mg/L/4h(雌)(SIDS(2003))に基づき、区分外とした。なお、飽和蒸気圧濃度は25 mg/Lであるが、評価書中にaerosolと記載されているのでミストでの試験とみなした。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギを用いた試験(OECD TG 404)で、弱い刺激性(slightly irritating)(PDII : 1.4) (SIDS (2003))及び別のウサギのDraize 試験で軽度の刺激性(mildly irritating)(PDII : 1.7)(SIDS (2003))に基づき、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分3に該当)とした。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分2B | - | 警告 | H320: 眼刺激 |
P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。 P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 |
ウサギを用いた試験(OECD TG 405)で、適用1時間後に3/3匹に発赤、2/3匹に結膜浮腫が見られたが、48時間後には完全に回復し、角膜と虹彩には影響がなく軽度の刺激性(slightly irritating ) (SIDS (2003))との評価であった。また、ウサギを用いたDraize 法による別の試験では、刺激性は適用1日目のみ認められ、洗浄眼の方が非洗浄眼より強かったが、48時間後には完全に回復し、中等度の刺激性(moderately irritating)(SIDS (2003))との評価であった。以上の2試験の結果から区分2Bとした。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分1 | 警告 | H317: アレルギー性皮膚反応を起こすおそれ |
P302+P352: 皮膚に付着した場合:多量の水と石鹸で洗うこと。 P333+P313: 皮膚刺激又は発疹が生じた場合:医師の診断/手当てを受けること。 P261: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーの吸入を避けること。 P272: 汚染された作業衣は作業場から出さないこと。 P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。 P321: 特別な処置が必要である(このラベルの...を見よ)。 P363: 汚染された衣類を再使用する場合には洗濯をすること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
モルモットのマキシマイゼーション試験(OECD TG 406)で、陽性率95%(19/20)を示し皮膚感作性あり(sensitizing)と結論されている(SIDS(2003))ことに基づき、区分1とした。 | |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | マウスに腹腔内投与による骨髄細胞を用いた小核試験(体細胞in vivo変異原性試験)で陰性(SIDS(2003))に基づき、区分外とした。なお、in vitro試験では、Ames試験で陰性(SIDS(2003))の報告がある。 |
6 | 発がん性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットに経口投与による生殖・発生毒性スクリーニング試験(OECD TG 421)において、親動物が体重増加抑制、運動減少や立毛の一般症状を示した用量で、著しい胎児生存率の低下、授精までの時間延長、著しい妊娠率の低下、死産と死亡仔の増加など生殖能および仔の発生に悪影響が観察されている(SIDS(2003))ことから、区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 区分2(呼吸器系) | 警告 | H371: 臓器の障害のおそれ(呼吸器系) |
P309+P311: 暴露したとき、又は気分が悪いとき:医師に連絡すること。 P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P264: 取扱後は...よく洗うこと。 P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ヒトに対して気道刺激性があり、刺激が重度になると遅れて肺水腫を起こす場合があると記述されている(HSDB(2007))。動物試験ではラットの経口急性毒性試験(投与量:1000〜4000 mg/kg)で死亡前に頻呼吸が認められ、24時間以内に死亡が発生しLD50値は1840 mg/kg(雌)と2470 mg/kg(雄)であった(SIDS(2003))。またラットの吸入ばく露(エアゾール)試験で区分2ガイダンス値を超えた用量で気道刺激に加え急速表在呼吸を示し、経口試験と同じく死亡のほとんどが24時間以内に発生し、剖検所見として肺のうっ血が観察されている(SIDS(2003))。以上からラットの経口投与による影響はガイダンス値区分2の範囲(2000 mg/kg以下)に及んでおり、吸入試験の結果から呼吸器への作用が強いことが示唆されること、またヒトへの影響の報告はList2の評価書からの情報であることから区分2(呼吸器系)とした。 | |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 分類できない | - | - | - | - | ラットを用いた32日間の反復経口投与毒性試験(OECD TG407)において、NOAELは150 mg/kg/day(90日補正:53.3 mg/kg/day)とガイダンス値範囲内であり、その上の750 mg/kg/day(90日補正:266.7 mg/kg/day)では死亡例の発生、肺への影響として炎症性変化、線維化、気管支上皮の過形成の他に赤血球生成刺激を示す血液パラメータの変化など悪影響が観察されている(SIDS(2003))が、ガイダンス値範囲を超えた用量である。したがって、ガイダンス値範囲の上限(100 mg/kg/day)またはその付近での影響の有無についてはデータがなく不明であり分類できない。 |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分3 | - | - | H402: 水生生物に有害 |
P273: 環境への放出を避けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(オオミジンコ)の24時間EC50 = 94.1 mg/L(SIDS, 2005)から区分3とした。 |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分外 | - | - | - | - | 急性毒性区分3であるが、急速分解性があり(OECD TG301Eにおける分解度:69%(SIDS, 2005))、かつ加水分解性により生物蓄積性が低いと推定され、加水分解生成物質も生物蓄積性がないことが示唆される(SIDS, 2005)ことから、区分外とした。 |
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