GHS分類結果

名称:シクロペンタノン
CAS番号:120-92-3

結果:
物質ID: 21A3504
分類実施者: 厚生労働省・環境省
分類実施年度: 平成21年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H21.3版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関する原子団を含まない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品でない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
6 引火性液体 区分3 警告 H226: 引火性液体及び蒸気 P303+P361+P353: 皮膚(又は髪)に付着した場合:直ちに汚染された衣類を全て脱ぐこと/取り除くこと。皮膚を流水/シャワーで洗うこと。
P370+P378: 火災の場合:消火するために...を使用すること。
P403+P235: 換気の良い場所で保管すること。涼しいところに置くこと。
P210: 熱/火花/裸火/高温のもののような着火源から遠ざけること。−禁煙。
P233: 容器を密閉しておくこと。
P240: 容器を接地すること/アースをとること。
P241: 防爆型の電気機器/換気装置/照明機器/...機器を使用すること。
P242: 火花を発生させない工具を使用すること。
P243: 静電気放電に対する予防措置を講ずること。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
引火点26℃(密閉式)(IUCLID(2000))は、≧23℃かつ≦60℃であることから、区分3に該当する。なお、UNRTDGは(UN2245)クラス3PG IIIである。
7 可燃性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性・自己反応性に関連する原子団を含まない。
9 自然発火性液体 区分外 - - - - 発火点が430℃(ホンメル(1996))で、70℃超である。
10 自然発火性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - 液体状の物質に適した試験法が確立していない。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属または半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含まない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - 酸素を含む有機化合物であるが、酸素は炭素以外の元素と化学結合していない。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - -O-O-構造を有していない有機化合物である。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - データなし。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告 H302: 飲み込むと有害 P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P330: 口をすすぐこと。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットのLD50値 1200 mg/kgおよび2700 mg/kg(JECFA(2003))に基づき、危険性の高い方の区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ウサギのLD50値、>5000 mg/kg(IUCLID(2000))に基づき、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における液体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データ不足で分類できない。なお、ラットのLC50値 19500 mg/m3(= 5668 ppmV)(RTECS(2006))と報告されているが、ばく露時間が不明である。飽和蒸気圧濃度(15000 ppm)の90%以下のためミストがほとんど混在しない蒸気で試験されたと考えられる。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 分類できない - - - - データなし。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - ウサギを用いた試験(OECD TG404)において皮膚一次刺激指数(PII)0.31で刺激性なし(IUCLID(2000))の結果、ウサギに4時間適用した別の2試験ではPII 2.75および3.0でいずれも軽度の刺激性(IUCLID(2000))の結果に基づき、分類JISの基準による区分外(国連GHS分類の区分3または区分外に相当)とした。なお、EUではXi; R36/38(EU-Annex 1(Access in July 2009))に分類されている。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A 警告 H319: 強い眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
ウサギを用いた試験(OECD TG405)において、AOIが54.66(24時間)であり、強い刺激性(highly irritating)との結果(IUCLID(2000))に基づき、区分2Aとした。なお、EU分類では、Xi; R36(EU-Annex 1(Access in July 2009))とされている。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 分類できない - - - - データ不足。なお、ボランティア25名によるマキシマイゼーション試験で「感作性反応を示さなかった」(IUCLID(2000))と報告されているが、List 2の情報であり、陽性率や対照群のデータなど不明である。
5 生殖細胞変異原性 分類できない - - - - in vivoの試験データが無く分類できない。なお、Ames試験(in vitro変異原性試験)において陰性の報告(JECFA(2003))がある。
6 発がん性 分類できない - - - - データなし。
7 生殖毒性 分類できない - - - - ラットの器官形成期に経口投与した試験で、母獣、胚または胎仔に対する有害影響は認められなかった(JECFA(2003))。また、マウスの雌に28日間腹腔内投与した試験では、投与10日目に無投与の雄と交配した結果、受精能に影響がなかったと結論されている(JECFA(2003))が、ばく露が雌のみであり、かつ試験自体も1用量のみで動物数も8匹と少ないことから、分類のための証拠としては不十分と考えられる。したがって、性機能および生殖能に関してはデータ不足であり「分類できない」とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - データなし。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 分類できない - - - - ラットを用いた4〜11週あるい1〜16週間の吸入曝露試験において、嗅球の僧帽細胞への影響あるいは試験物質濃度と薬物代謝酵素との関係などが報告されている(IUCLID(2000))。しかし、標準的な反復ばく露試験ではないので試験項目も少なく、分類に必要な情報が得られない。したがって、データ不足のため「分類できない」とした。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分外 - - - - 甲殻類(オオミジンコ)の24時間EC50 = 1435 mg/L(AQUIRE, 2010)から区分外とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分外 - - - - 難水溶性ではなく(水溶解度:9177 mg/L(PHYSPROP Database, 2009))、急性毒性区分外であることから、区分外とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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厚生労働省モデルSDS

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