名称:(RS)‐4‐(4‐クロロフェニル)‐2‐フェニル‐2‐(1H‐1,2,4‐トリアゾール‐1‐イルメチル)ブチロニトリル(別名フェンブコナゾール)
CAS番号:114369-43-6
物質ID: | 20A2316 |
分類実施者: | 厚生労働省、環境省 |
分類実施年度: | 平成20年度 |
使用マニュアル: | 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版) |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 爆発物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 爆発性に関わる原子団を含んでいない。 |
2 | 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
3 | エアゾール | 分類対象外 | - | - | - | - | エアゾール製品ではない。 |
4 | 支燃性/酸化性ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
5 | 高圧ガス | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
6 | 引火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
7 | 可燃性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
8 | 自己反応性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。 |
9 | 自然発火性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
10 | 自然発火性固体 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
11 | 自己発熱性化学品 | 分類できない | - | - | - | - | 融点が140℃以下の固体に適した試験法が確立していない。 |
12 | 水反応可燃性化学品 | 分類対象外 | - | - | - | - | 金属又は半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。 |
13 | 酸化性液体 | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
14 | 酸化性固体 | 分類できない | - | - | - | - | 塩素原子を含むが、データなし。 |
15 | 有機過酸化物 | 分類対象外 | - | - | - | - | 分子内に-O-O-構造を有していない。 |
16 | 金属腐食性物質 | 分類できない | - | - | - | - | 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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1 | 急性毒性(経口) | 区分外 | - | - | - | - | ラットのLD50値の報告が3件(>2000、>2,000、>5000 mg/kg)(JMPR (1997))あり、いずれも区分外に該当する。 |
1 | 急性毒性(経皮) | 区分外 | - | - | - | - | ラットのLD50値が>2000mg/kg(JMPR(1997))の報告に基づき、JIS分類基準の区分外(国連分類基準の区分5または区分外)とした。 |
1 | 急性毒性(吸入:ガス) | 分類対象外 | - | - | - | - | GHSの定義における固体である。 |
1 | 急性毒性(吸入:蒸気) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
1 | 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) | 分類できない | - | - | - | - | ラットLC50が>2.1mg/L(JMPR(1997))の報告があるが、区分3か4かを特定できない。 |
2 | 皮膚腐食性/刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギを使用した試験で紅斑、浮腫なし(JMPR(1997))に基づく。 |
3 | 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 | 区分外 | - | - | - | - | ウサギを用いた試験で影響なし(JMPR(1997))に基づく。 |
4 | 呼吸器感作性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
4 | 皮膚感作性 | 区分外 | - | - | - | - | モルモットを用いたBuehler testで陰性(showed no potential for skin sensitization )(JMPR (1997))、モルモットを用いたmaximization testでアセトン溶液の使用では、陽性率10%(陰性対照:40%)、ジエチルフタレート溶液で陽性率16%(陰性対照:10%)で弱い陽性( weak sensitizing potential)(JMPR (1997)).。モルモットを使用したmaximization testでアセトン、エタノールのいずれを使用した場合も陽性率0%で陰性であった(農薬抄録 評価書(2007))。以上3件の報告より区分外とした。 |
5 | 生殖細胞変異原性 | 区分外 | - | - | - | - | 体細胞を用いるin vivo 変異原性試験(ラットの骨髄細胞を用いた小核試験)で陰性(JMPR(1997))に基づく。尚、in vitro 試験であるエームズテスト、染色体異常試験で陰性(JMPR(1997))の報告もある。 |
6 | 発がん性 | 区分2 | 警告 | H351: 発がんのおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
マウスを使用した混餌投与による78週間試験において、高投与群の雌に肝細胞腺腫と肝細胞がんが対照群より高い発生率で認められた。ラットを使用した混餌投与による2年間の試験において、高投与群に巣状嚢胞性甲状腺増生の出現率の増加(12/70, 1/70コントロール)、甲状腺濾胞腺腫、甲状腺がんの出現率が増加(6/70, 4/70コントロール)した。更に確認のための雄ラットを使用した混餌投与による2年間の試験において、高投与群に軽度の甲状腺濾胞細胞肥大が見られ、甲状腺濾胞腺腫の用量依存性は2/60、5/60、9/60(0、800、1600 mg/kg/day)であった。その内がんは0と1600mg/kg/day群で2例だった。(いずれもJMPR(1997))。マウスにおいて肝細胞腺腫と肝細胞がんの増加、ラットにおいて甲状腺濾胞腺腫の増加の報告に基づいて区分2とした。 | |
7 | 生殖毒性 | 区分2 | 警告 | H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い |
P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。 P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。 P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。 P281: 指定された個人用保護具を使用すること。 P405: 施錠して保管すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
ラットを使用した混餌投与による2世代試験において、親動物に肝臓、甲状腺、副腎に影響が見られたが、生殖毒性は認められなかった。妊娠ラットの器官形成期に強制経口投与した試験において、高投与群で早期、後期、総吸収の増加が見られ、それによる1腹の平均胎児数の減少があり、平均体重も減少した。また妊娠ウサギの器官形成期に強制経口投与した試験において、高投与群で吸収、流産が多く見られた(いずれも(JMPR(1997))。以上の報告より、区分2とした。 | |
8 | 特定標的臓器毒性(単回暴露) | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
9 | 特定標的臓器毒性(反復暴露) | 区分2(肝臓) | 警告 | H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(肝臓) |
P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。 P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
マウスを使用した混餌投与による3ヶ月の試験で区分2のガイダンス値内の投与群(33〜54mg/kg)で肝細胞肥大、肝臓単細胞壊死が見られ,た。この濃度以上で肝細胞肥大、空胞化、巣状及び単細胞壊死が見られた。ラットを使用した混餌投与による3ヶ月の試験で区分2のガイダンス値内の投与群(16〜104mg/kg)で肝細胞肥大、肝臓小葉中間域の空胞化、門脈周囲、小葉周囲の空胞化、小葉中心壊死、甲状腺濾胞上皮過形成が見られた(甲状腺疾患は肝臓疾患の2次的なものとの記載がある)。イヌを使用した混餌投与による1年間の試験で区分2のガイダンス値内の投与群(14〜56mg/kg)で肝細胞肥大、軽度の多病巣性の空胞化が見られた(いずれも(JMPR (1997))。以上の報告より区分2(肝臓)とした。 | |
10 | 吸引性呼吸器有害性 | 分類できない | - | - | - | - | データなし。 |
危険有害性項目 | 分類結果 | シンボル | 注意喚起語 | 危険有害性情報 | 注意書き | 分類根拠・問題点 | |
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11 | 水生環境有害性(急性) | 区分1 | 警告 | H400: 水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
甲殻類(ミシッドシュリンプ)の96時間LC50=0.633 mg/L(AQUIRE, 2008)から区分1とした。 | |
11 | 水生環境有害性(長期間) | 区分1 | 警告 | H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 |
P273: 環境への放出を避けること。 P391: 漏出物を回収すること。 P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。 |
急性毒性区分1であり、急速分解性がない(BIOWIN)ことから、区分1とした。 |
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