GHS分類結果

名称:2‐(4‐クロロフェニル)‐2‐(1H‐1,2,4‐トリアゾール‐1‐イルメチル)ヘキサンニトリル(別名ミクロブタニル)
CAS番号:88671-89-0

結果:
物質ID: 20A2307
分類実施者: 厚生労働省、環境省
分類実施年度: 平成20年度
使用マニュアル: 政府向けGHS分類ガイダンス(H20.9.5版)

物理化学的危険性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 爆発物 分類対象外 - - - - 爆発性に関わる原子団を含んでいない。
2 可燃性/引火性ガス(化学的に不安定なガスを含む) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
3 エアゾール 分類対象外 - - - - エアゾール製品ではない。
4 支燃性/酸化性ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
5 高圧ガス 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
6 引火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
7 可燃性固体 分類できない - - - - データなし。
8 自己反応性化学品 分類対象外 - - - - 分子内に爆発性に関連する原子団、あるいは自己反応性に関連する原子団を含んでいない。
9 自然発火性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
10 自然発火性固体 分類できない - - - - データなし。
11 自己発熱性化学品 分類できない - - - - データなし。
12 水反応可燃性化学品 分類対象外 - - - - 金属又は半金属(B, Si, P, Ge, As, Se, Sn, Sb, Te, Bi, Po, At)を含んでいない。
13 酸化性液体 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
14 酸化性固体 分類対象外 - - - - 酸素を含まず、塩素を含む有機化合物であるが、この塩素は炭素以外の元素と化学結合していない。
15 有機過酸化物 分類対象外 - - - - 分子内に-O-O-構造を有していない。
16 金属腐食性物質 分類できない - - - - 固体状の物質に適した試験方法が確立していない。

健康に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
1 急性毒性(経口) 区分4 警告 H302: 飲み込むと有害 P301+P312: 飲み込んだ場合:気分が悪いときは医師に連絡すること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P270: この製品を使用するときに、飲食又は喫煙をしないこと。
P330: 口をすすぐこと。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットLD50のデータが6件(1.75(雄)、1.80(雌)、1.6(雄)、2.29(雌)、2.62(雄)、2.71(雌)[g/kg bw](JMPR(1992))あり、区分4、区分外に相当するデータがそれぞれ3件であり、毒性の強い方を採用して区分4とした。
1 急性毒性(経皮) 区分外 - - - - ウサギLD50のデータ2件(>5.0 g/kg bw、>5.0 g/kg bw(JMPR(1992))より、区分外とした。
1 急性毒性(吸入:ガス) 分類対象外 - - - - GHSの定義における固体である。
1 急性毒性(吸入:蒸気) 分類できない - - - - データなし。
1 急性毒性(吸入:粉塵、ミスト) 区分外 - - - - ラットLC50値が5.1mg/L以上(JMPR(1992))の報告に基づく。
2 皮膚腐食性/刺激性 区分外 - - - - ウサギを使用した試験で刺激性なし(JMPR(1992))の報告に基づく。
3 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性 区分2A 警告 H319: 強い眼刺激 P305+P351+P338: 眼に入った場合:水で数分間注意深く洗うこと。次にコンタクトレンズを着用していて容易に外せる場合は外すこと。その後も洗浄を続けること。
P337+P313: 眼の刺激が続く場合:医師の診断/手当てを受けること。
P264: 取扱後は...よく洗うこと。
P280: 保護手袋/保護衣/保護眼鏡/保護面を着用すること。
ウサギを使用した試験で中程度〜重度の刺激性(JMPR(1992))の報告に基づく。
4 呼吸器感作性 分類できない - - - - データなし。
4 皮膚感作性 区分外 - - - - モルモットを使用した試験で陰性(JMPR(1992))の報告に基づく。
5 生殖細胞変異原性 区分外 - - - - 生殖細胞in vivo 経世代変異原性試験(ラットを用いる強制経口投与による優性致死試験)で陰性(JMPR(1992))、体細胞in vivo 変異原性試験(マウスの強制経口投与による骨髄を用いる染色体異常試験)で陰性の結果に基づき区分外とした。なお、in vitro 変異原性試験:エームズテスト、チャイニーズハムスターの卵巣培養細胞を用いた染色体異常試験で陰性(JMPR(1992))の報告がある。
6 発がん性 区分外 - - - - マウスの混餌投与による2年間試験において、高投与群に肝臓に関連する酵素の異常、鏡検で肝臓に小胞中心の肥大、門脈周辺の空胞化等が認められたが、発がん性は認められなかった。ラットを使用した混餌投与による24ヶ月間試験において高投与群に試験中、肝臓に関連する酵素の異常が、高投与群の雄に精巣重量減少、萎縮が、鏡検で曲精細管に異常が見られたが、高投与群まで発がん性は認められなかった(JMPR(1922))との報告により区分外とした。
7 生殖毒性 区分2 警告 H361: 生殖能又は胎児への悪影響のおそれの疑い P308+P313: 暴露又は暴露の懸念がある場合:医師の診断/手当てを受けること。
P201: 使用前に取扱説明書を入手すること。
P202: 全ての安全注意を読み理解するまで取り扱わないこと。
P281: 指定された個人用保護具を使用すること。
P405: 施錠して保管すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
ラットを用いた混餌投与による2世代試験で、高投与群にF0、F1世代の出産数、妊娠数の減少、死産仔数の増加が見られ、高投与群オスに前立腺萎縮、及び精子の減少、精巣上体の精母細胞壊死、精巣萎縮が見られた。妊娠ラット、又はウサギを使用し器官形成期に経口投与した試験を実施した。いずれの試験においても、低投与群で母体毒性が見られ、吸収の増加、胎児重量の低下、死亡胎児の増加等が見られたが、催奇形性は認められなかった(JMPR(1992))。以上の報告より区分2とした。
8 特定標的臓器毒性(単回暴露) 分類できない - - - - データなし。
9 特定標的臓器毒性(反復暴露) 区分2(腎臓) 警告 H373: 長期にわたる、又は反復暴露による臓器の障害のおそれ(腎臓) P260: 粉じん/煙/ガス/ミスト/蒸気/スプレーを吸入しないこと。
P314: 気分が悪いときは、医師の診断/手当てを受けること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
イヌを用いた3ヶ月間の混餌投与試験において、1600ppm(56.8mg/kg/day)(ガイダンス値の区分2)で肝臓重量の増加、肝小葉中心・中間域の肥大、肝臓門脈周辺域の肥大及び慢性腎炎が観察された(JMPR(1992))との報告に基づき区分2(腎臓)とした。なお、マウスを用いた3ヶ月の混餌投与試験においては1000ppm(132(雄)、232(雌)[mg/kg/day])以上で、ラットを用いた3ヶ月の混餌投与試験においては3000ppm(158(雄)、195(雌)[mg/kg/day])以上で、いずれもガイダンス値の区分2を超える用量で肝小葉中心肥大及び壊死が報告されている(JMPR(1992))が、ガイダンス値の範囲内では軽微と考えられる。
10 吸引性呼吸器有害性 分類できない - - - - データなし。

環境に対する有害性
危険有害性項目 分類結果 シンボル 注意喚起語 危険有害性情報 注意書き 分類根拠・問題点
11 水生環境有害性(急性) 区分1 警告 H400: 水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
甲殻類(Mysid)の96時間LC50=0.24 mg/L(ECOTOX, 2008)から区分1とした。
11 水生環境有害性(長期間) 区分1 警告 H410: 長期継続的影響によって水生生物に非常に強い毒性 P273: 環境への放出を避けること。
P391: 漏出物を回収すること。
P501: 内容物/容器を...に廃棄すること。
急性毒性区分1であり、急速分解性がない(SRC: BioWin V4.10)ことから区分1とした。


分類結果の利用に関する注意事項:
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 本分類結果は、分類ガイダンス等のマニュアルで定められている情報源と判定方法に基づくものであり、あくまでもSDSやラベル作成の際の参考として公表しているものです。他の文献や試験結果等を根拠として、本内容と異なる分類結果でSDSやラベルを作成することを妨げるものではありません。

参考情報:
使用マニュアル

解説・用語集(エクセルファイル)

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